今治の活版印刷。。

 

4月から新たにスタッフが入ることになり、名刺も新しくすることにしました。

活版印刷でお願いしたく探していたら、ちょうど独立したばかりの若い活版印刷屋さんを地元今治に発見手

大きな機械式の活版印刷ではなく、手動式の印刷機で1枚1枚手作業でやっている様子に、野の草らしさを感じ、野の草の名刺をお願いをすることになりましたハート

 

 

今の時代の効率や手間や作業性とかを考えると名刺を1枚1枚手作業で・・って、ちょっとびっくりするところですが、なんだか私たちがやっている家づくりと通ずるような感じ。komorebiの田中さんも手作業ならではの温もりのあるものに魅力を感じるそうで、必然的なご縁だったのかもしれません。

写真はまさに1枚1枚作業していっている様子といった光景。

どことなくラブリーでしょハート

 

名刺に使用した紙は、牛乳パックをリサイクルした手漉き紙です。

三陸の福祉施設の方達によってこれまた1枚1枚手漉きしていった紙にやっぱり同じ愛おしさを感じ、選びました。

「 NOZOMI PAPER ® 」

http://www.nozomipaperfactory.com/

 

 

シンプルな名刺のデザインは野の草によるものですが、手漉き紙と活版印刷の風合いが奥深い愛着を感じさせて、離したくない一品に仕上がりましたハート

1枚1枚顔つきが違うのがまた愛おしさを感じさせます。

120%満足で、komorebiの田中さん、ありがとうハート

今からお嫁に出すのが寂しいぐらい笑

手に取って捨てられることもあるだろう名刺だけど、でも手に取ってくれる方に何か手づくりの温かさみたいなものが伝わると良いなと思っています。

 

今治の活版印刷屋 Komorebi

http://komorebi-kp.com/

 

 

昔ながらの家と鉄。。

今後、昔ながらの家づくりで”鉄”を使っていきたいと今、検討中のAA STUDIOです。
鉄と言うと固くて冷たいというイメージが強く、どうしても近寄りがたかった素材のひとつ・・。
でも鉄のもつ繊細さや美しい曲線は、鉄の良さでもあり憧れるところです。


以前からの知人であり、美的感性の良さに、ずっと尊敬している職人がいて、
やっと一緒にモノづくりを模索すことに。
職人と言うよりはアーティストで、、大三島に工房をかまえるtessenの山田幸一郎さん。
どちらかと言うと愛媛の田舎町で活動しているような人では無いと思う美的センスの持ち主です。 
以前に『風薫る家』で山田さんに玄関灯を製作していただきましたが、私の難題にピタッと答えを出してくれるのが彼。


そして鍛鉄により仕上げられる作品は、既成品にはない深い味わいがあります。
職人さん達が丹精込めた家の前で、大量生産でできた既成品の照明器具がこの頃は浮くのです・・。

既成品特有の味気なさ。空気感がちゃんと出てきます。
灯り一つ、既成品をカタログからパッと選ぶのは、そう、とても安易な感じです。
その一つで空気が違う、やっぱり込められたエネルギーが違うのだと感じます。

だからこそ、これも大切に扱いたい。


山田さんの島の工場です。
鉄の作業場!っと言ったズッシリするような空気感。

鉄の加工方法などを、今後のためにと・・幾つかの作業を見せていただきましたが、
鉄は硬い物・・という先入観は、ここではいとも容易く溶けていきました笑

置いてある鉄の端材にも、アートを感じてしまうtessenの工場。
ズッシリ重い鉄の塊から、細い美しい線が生み出されるには、山田さんの感性が欠かせないと感じる作業場でした。

そして山田さんの所には、そんな物づくりに共感してくれる方を招くためのギャラリーがあります。
これまたアートな空間です。時折、伊東豊雄さんが立ち寄られるとか。
山田さんの鉄へのこだわりは、”物”にとどまらず、空間までへとおよぶ事が強く感じられる場でありました。
こちらギャラリー『左衽 sajin』では予約制でお食事も提供しているそうです。


この時・・カメラが壊れていて、私のバカチョンカメラで撮影するのが申し訳ないぐらい汗


昔ながらの家づくりをしていると、技術的な事に囚われて忘れてしまいがちな事があります。
でも山田さんは、そんな事を振り返らせてくれる人。

設計士としてわくわくする自分がいます。

久しぶりに美しい物づくりへの刺激を受けて、お酒も美味しかった。
美しい物をつくるために努力を惜しまない姿勢、そして物づくりにいつも謙虚な姿勢を感じます。
今後、山田さんとのコラボで、わくわくする物たちがたくさん生まれそうな予感ハート
さらに昔ながらの家づくりが楽しくなりそうです。

いまは事務所の看板や、タオル掛け、照明器具の小物などを製作していただいています。

できあがりが待ち遠しい。。

 

器と生活道具のお店 STROLL

 今日はSTROLLに行ってきました。
注文してあった照明が届いたので
ふふ、でも本当は『集う家』のその後の様子を眺めに行くのもあって。
STROLLは『集う家』の建て主さんが日を決めてショップ開放しているもの。
器のお店。まるで隠れ家のようなお店なのです。

設計当初から、週末だけのお店をしたい、という要望はありまして。。
お住まいも少しそんなことを考えて造られています。
建て主、いえSTROLLのオーナーEさんも、渋め好みで意気投合しまして『昔ながらの家づくり』となりました。

『昔ながらの家づくり』といっても若いオーナーさんにも合わせた今時のオシャレな住まいです。
『昔ながらの家づくり』と言うと、まるで型にはまったような日本建築を思われるかもしれませんが、AASTUDIOは昔ながらの伝統技術や素材を使いながらも現代に十分に適応した住まいづくりができると考えています。
大切なのは、先人たちが何千年という歴史のなかで切磋琢磨して残してくれた、快適に安心して健康的にそして自然に優しく、丈夫に持ちこたえる家づくりの知恵です。

そして現代の住まいが捨て去ろうとしている、感性に働きかける住まい。
土の素材、木の素材、草の素材が住む人の感覚に働きかけます。
陰影の美しさ。ほんのりとした暗さは、なんとも心地よく、落ち着きを与えてくれます。
紙や土はやわらかく、木は力強く。和紙や竹簾越しの光が室内にはいります。
まさに生き物としての感覚・感性に働きかける住まいではないでしょうか。

真っ白な壁が多い現代。この質感の心地よさを忘れてしまっているんですよね。
オーナーのEさんも当初は漆喰を希望していましたが『イチョウのある家』の現場をちょうど見て、即この陰影を楽しめる中塗り仕上げに変更となりました。
う〜ん、なんとも侘び寂びのわかるオーナーのEさん

STROLLの扱う器もまさに侘び寂びの世界。
そして『昔ながらの家づくり』と同様に、どこか現代のエッセンスも感じさせる器たちです。

真新しかった住まいも、ますます趣が増し、それが心地よく感じます。
現代の住まいとは異なる点。
『昔ながらの家づくり』は年を経るごとに良さがますます増していくと感じるところです。
STROLLの扱う器も同様に、大切に使っていくことで持ち主の愛着がしみこんでいきそうな器たち。
ぜひ皆さんも良かったら足をお運びください
器と昔ながらの住まい、その両方が楽しめるSTROLLです。。

器と生活道具STROLL
http://www.stroll-store.com/

島のパン屋さん。。

友人から夕食のお誘いがあって出掛けてきました。
こちら大島でオーガニックなパンづくりをしているpaysanさん。
paysanさんのパンは愛媛でも、ちょー有名!美味しすぎ〜だよね〜。

それには訳があって、奥さんのうーさんのセンスと、ご主人のQちゃんの実行力(実現力)があるからこそ パンを焼く石窯だってQちゃん手づくりなんだよ。電気やガスではなく、石窯の薪で焼くパンだから、絶対簡単には真似ができない美味しさに!手がかかっているという事。
paysanのパンが美味しいのは、オーガニックという事だけに限らず、パンをこねるのも、発酵させるのも、焼くのも、ひとつひとつすべて人の手がかかっているから。機械を使って、タイマーセットしてブンブン大量につくるパンとは大違いな訳。こうやってQちゃんや、うーさんの、愛がこめられているからね〜
薪で焼く石窯パン。窯のなかには、年期のはいった煤や木灰が積もっていて、この木灰の独得な薫りが、パンになんとも言えない薫りづけに一役かっているような気がした。また電気やガスでは焼き上がりも均一。このまだ理解されていない世界で、薪を使って火で焼くパンには、隠された魅力があると感じるところ。

私自身この頃、感覚が非常に敏感になっていて、本当に心がこもった物しか身体が喜びを感じなくなっていて、普通にあるパン屋さんのパンでは、ただただお腹を満たしている(ふわふわパンはお腹も満たさないけど・・)というエネルギーしか感じられない。
『物』にはエネルギーというのがあって、それが感じられる。人は本来そのエネルギーを享受して生きているんだと、この頃とても感じる。コンビニの弁当では全くエネルギーが感じられないし、そういう物をいつも食べていたら人間そのもののエネルギーも弱くなる。病気になったり、やる気が起こらなかったり、発想力や想像力が鈍ったりと・・。
素材ひとつひとつが手をかけて愛情をかけられたオーガニックなもので、手をかけてパンをこね、火という自然の力を借り焼かれていくパンは、そのエネルギーが別格。
実は、家づくりも同じ。
話がズレてきたけど、目に見えないエネルギーの話はまた後日。。
paysanパンは、本当にほんわり優しい幸せのエネルギーが感じられるパンです。
ホームページ『shopコーナー』にお店の紹介をしておいたので、ぜひ行ってみてください。

  

話が長くなっていますが・・夕食のお誘いを頂いたのは、paysanさんが自宅を少しリフォームしたので、そのお披露目をかねてという訳。またまたQちゃん手づくりのリフォーム!
Qちゃんは型枠大工の経験があって、とても器用。う〜ん、素人と思えないでしょ。また斬新!←こちら、うーさんのセンス!
私たち専門で建築やっている者には、絶対発想できない造り方であったりと本当に目から鱗です。あっ・・一応、私たちも雨仕舞いだけはアドバイスはさせていただいたんだけど、見事にパンパンとやってしまう、そのパワー・エネルギー・実現力がすごいね〜!負けるわ・・

 

夕食は、高校生である息子さんが、自慢の手料理を披露してくれました。
本日はイタリアン。。
前菜は鯛のカルパッチョから・・と本格的。
しかも盛りつけのセンスがGood!さすがpaysanさんのお坊ちゃん。
うーさんのセンスに、実現力のQちゃんの美味しいところを頂いて
きっと行く末は名シェフかな。。
将来、paysanは三ツ星レストラン。Qちゃんは専属のパン焼き従事ね。うーさんは女番頭。
その時は敷居が高すぎて、私たちなんてお邪魔する事が出来なくなっているかも〜!



っと、とても楽しい一夜になりました。
どうもありがとう〜

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