美装。。

 

なにやら、ヘッドライトで暗闇を照らしつつお宝探索中?

いえ、お宝が隠れていると良いのだけど、完成目前の最期の美装です。

美装とは、工事最期の大掃除のようなもの。

年末押し迫ったなかタイミング悪く、美装屋さんも大忙しのようで、野の草で美装をすることに。隅から隅まで、天井まで拭き掃除をおこない、壁の際も土壁の汚れを小さなブラシで洗っていきます。小さなシミや傷も逃さず。

 

 

 

本格的に自分たちで美装をしたのは初めてな事。

自分たちで美装をおこなうと最後の最終チェックができて、いろいろと気がつきます。

そう言えば、ある工務店さんは最後の美装は美装屋さんを入れずに、社長自らが汗だくになって掃除をしていて「こういったところ見習いたいなあ〜」って思ったのを思い出した。こういう姿勢って、安心感がありますよね。最後の自分たちのしごとをピッチリと確認して。

掃除をしていると、こうしておけば良かったな〜と言う、自分たちの反省も出てきますしね。さあ、ほんとうに完成まで秒読み、あと一息になりました。

 

完成にむけて。。

 

『土間と風の家』は完成にむけて着々と歩み中。。

木製建具が入りはじめると、途端に家らしくなって雰囲気が変わってきます。

その一瞬一瞬がとっても美しくて、しばし見とれてしまうような瞬間です。

建て主Tさんも同じようで、タイミングよく出会わした建具を納める様子をしばし眺められていました。

こういった美しい瞬間に出会わすのも、昔ながらの家づくりだからこそ。

ひとつひとつ心に刻みながら。。

 

 

 

そして以前に京都に一緒に購入しに行った古建具もそろそろ出番です。

古建具の掃除と柿渋塗りを建て主Tさんと共にして、古建具を蘇らせます。

家と同じように、手をいれてあげるとちゃんと応えてくれる古建具です。

「つくった方が手間がかからん」と言われたら、そうだけど・・。

でも、なんでもかんでも新しいものを買っては使い捨てていくのではなく、

直しつつ大切に使っていく事を昔ながらの先人のように、わたし達は大切にしていきたいものです。

 

いまはさまざまな職種がはいってラストスパート中。

あと完成まで一息です。。

 

 

 

 

家づくりを楽しみましょうよ。

 

庭木選びのついで、『土間と風の家』の建て主さんと一緒にご飯を食べましょうということになり、せっかくなので『誕生と成長の家』の建て主さんもお呼びすることになりました。

実は二人の建て主さん、家づくりをするなかでそれぞれの家づくりでの作業をお手伝いするという自然な関係に。

建て主さん同士が、結でつながって一緒に作業しあう、なんだかとってもイイです〜♪

それこそが、これから野の草のめざす理想郷です。

 

そのむかし建築が人と人とを繋げて、互いに協力し合って家が出来ていた時代に、ちょっと戻りたいと願うのです。こうやってご飯やお酒を一緒に共にし、愉しい話に盛り上がり、助けがいるときにはちょっと支え合う。

今はお金がないと家ができない世知辛い時代ですけど、そうではなかった時代の良さを少しずつ。。なんだかそのほうが何倍も楽しいと思いませんか。

 

これから『誕生と成長の家』では諸々と、お金だけでないつながりで家をつくる取り組みとして、基礎石をハツッたり、竹小舞を掻いたり、荒壁塗ったりと昔ながらの『結い※』を取り入れてやってみたいと思っています。。

(※「ゆい」とは、田植え、屋根葺き、など一時に一人で行うには多大な費用や労力を要する際、お互いに助け合い協力し合う共同作業のこと)

 

子供たち同士も、すっかり打ち解けて。。

愉しい夜になりました。

 

家+庭。

 

『土間と風の家』の家づくり終盤。

恒例のように、庭の植栽のため建主Tさんを誘って庭木の選定に山へ行きました。

野の草の家づくりでは必ずおこなう庭木選びです。

家が出来ても庭がない家には潤いがありません。

家があって庭があってこそ、そこで豊かな家庭が育まれるのです。

草木を愛し、季節を感じ、自然と共に暮らすということを教えてくれるのが庭です。

だから野の草の家づくりでは、家と同じぐらい、庭を大切に考えています。

 

庭がなくて良いのなら、マンションでも良い訳ですから・・

家に住むことで、庭いじりをしたり、土にふれたり、庭の草花を活けてみたり、移り変わっていく季節を草木に感じたりと、それは『住む』楽しみのひとつでもあるのです。

 

さて、これから長く一緒に共同生活を営むことになる草木たちを

与えられたものではなく、自分たち自身で選んでいく。

可憐な白い花が咲く木、赤い実がなる木、葉っぱが丸い木、枝ぶりが渋い木、紅葉する木、食べられる実がつく木。

木と言ってもいろいろ。

だから、一緒に庭をどんな風にしていくかのイメージを膨らませながら。

さて、どんな木との出逢いがあったのでしょうか。。

 

 

 

 

 

寂しく。。

 

『土間と風の家』大工工事がほぼ終えかけたところ、

怒涛のごとく待ちかねていた他の職人さんたちが現場に入り始めました。

これから完成にむけて幾種もの職人さんが、代わる代わる工事をしていくことに。

そうは言っても現代の家づくりとは違ってやっぱりどこか時間のながれ方が違います。。

土壁の最後の仕上げも、当然のごとく接着剤を使用しない水モノなので急いでも乾かず、水の乾きじっくり待つだけ。

建て主さんもドンと腰を据えておられる分、こちらも諸々を落ち着いて最善なように段取りができます。

 

ここからが見違えるように家も変わっていきますね。

一つ一つ、すこしずつが終わりにむけての一歩・・。

建て主さんもそれを感じ始めているようで、なんだか寂しい気持ちになってきました。

いつも味わうこの寂しさ。

 

終わらないで欲しいとつい思ってしまうから(笑)。

のこり最後の瞬間まで、家づくりの思い出として心に刻んでほしいと思います。。

 

 

 

 

 

アメリカから学生たちがやって来た!

 

ワシントン・ボセル大学の工学部の学生さんたちが『土間と風の家』の見学にやって来ました。

今回、愛媛大のルース先生の授業の一環として日本にやって来られた学生さん、

”省エネルギー”が授業のテーマだそうで、ここは私も日本の良き家づくりを知っていただく絶好の良いチャンス♪

小躍りをしない訳がありません(笑)。

昔ながらの家づくりは、資源を無駄にすることがない持続循環のサイクルが構築されたもっとも省エネルギーな住宅です。

現代のように50年生きた山の木を使って30年で壊されるような家を建てるのではなく、100年200年家を長くもたせていくための知恵がいっぱい秘められています。

どこまで日本の物づくりの心が伝わるか。。

 

 

異国の学生さんに日本の伝統構法の家をお話するのは初めてなこと。

でもさすが皆さんとても積極的でコミュニケーションが上手です。

一方通行にならない、聞いた話をお互いに論じ合ったりと、日本との違いを感じました。

 

 

↑いつもおこなっている古式製法での本物の和紙と現代的和紙の引き裂き実験

笑いが出るほどの違いに一同の驚き。体感をもって、古来からの物づくりの素晴らしさの一端を感じてもらいました。

こういった和紙ひとつ、土壁ひとつにおいても使い終わったからと言って、日本の物づくりは”捨てる””ゴミにする”という発想がなかったというお話。大切に長く使っていくための知恵や工夫をしてきました。そここそが持続循環型の省エネルギーサイクルと言えます。

 

 

↑みんな真剣!

アメリカでは移動や移住が多いとのことで、そもそも家が”長くもつ”ためにお金をかけるという発想があまり無いのだそうです。その分のお金はインテリアにかけるものらしい・・。

でもスクラップ&ビルドな社会は持続可能なのか?燃費が小さいだけの家を省エネルギーと言えるのか?

暮らし方や生き方を見直していくことを、これから真剣に考えていかなければいけないのではと、お話をしました。

日本の物づくりの心や伝統文化が、良いヒントとなって異国に良い影響をあたえてくれると良いなと期待します。。

 

わたしも再度、先人たちが残してくれた日本のスピリットが大好きでたまらないと再認識。

お伝えできて幸せでした〜。。

 

 

大工さんの仕事。。

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『土間と風の家』は内部造作工事中。。

大工2年目の司くんも、床板張りに挑戦していました。

すこしずつ親方から言われる仕事も増えて、難易度が増していってます!

でも仕事が几帳面だからどんな仕事も安心して見ていられます。

 

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こちら先輩たちは、難易度大の階段を納めています。

階段が出来て一人前。そう以前に聞きました。

伝統構法を手がける大工さんにとって、階段は朝飯前なのかもしれませんが、

なかなかに『土間と風の家』の階段は難しい。。

 

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大工さんの技術力は、美しい仕上がりに出ます。

隙間があいたり木の小口が荒れたような仕上がりでは、自分自身に合格点が出せない大工さんたち。

そんななか階段の桁を途中で継いでますが、ほとんど分かりません。↑分かりますか?

難しい階段なのに、木の目がとおってズレなしのピッタンコです。

スゴイ〜!

こういった仕事ぶりを見ると、やっぱり大工さんって尊敬をしますよね。

 

 

 

大島石を使いましょ!

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これから『土間と風の家』の庭工事につかう大島石を物色のため、建て主さんを誘って大島に渡りました。基礎石に大島石を使って以来、石屋さんのほうもさらに輪をかけて大島石の建築への活用方法についてとても協力的です♪

今回これから動き出す他の家づくりでも大島石を使いたく、石を見せて頂きました。

 

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↑ドンと使ってくれ〜と云わんばかりの石山。

 

墓石としてのイメージが強い大島石。テカテカピカピカの磨いた状態は、ちょっと堅くて冷たく、とっつき難い雰囲気がしますが、割ったままの石はかなり柔らかいイメージがして素敵です。この風合いを活かして建築にどんどん活用できないか。

石屋さんのほうも、墓石として使えない石は、実はあまり活用方法がなく、安価に出していきたいとの事。大島石は工夫次第で、無限の可能性を秘めている薫りがぷんぷんしますね。

 

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↑この石なんか、めちゃ創造力が溢れそうです!

 

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↑これも使っていいよ。って、素敵度400%でしょ!!

それに建て主さんへのデモンストレーションとして石割り体験もさせていただきました。

 

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色々と石をみてお腹いっぱいになった私たち。

時期をみて石を頂に伺おうと思ってます。

そしてその後、カレイ山展望台へ足をはこびました。

 

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ビューティフル!!!!

瀬戸内海しまなみの風景です〜。

愛媛県に住んでいて初めて訪れましたが、ここ1年のなかで最高に感動した景色です。←建て主さんも横で同じことを呟いているから面白い。

そして・・その先にある、知る人ぞ知るの、ような茶屋?

 

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すごい絶景!茶屋!

カレイ山展望台にこんな所があったなんて、馬鹿にしてた・・(汗)。

いえ、ここを知らないのはかなりのモグリかもしれません・・・・。

ここで昼食のカレイ山カレーを食べました。カレイ山カレー→辛いカレー(笑)。

どうやら名のある料理人が試行錯誤でつくったカレイらしい。かなり美味しかったです!!

 

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満足度100%!

私たちは打合せのため来訪したけど、ナントこの一連のツアーはNPO能島の里が石文化体験ツアーとしてされているそうですよ。これは、絶対行かなきゃソンです!

お問い合わせは↓NPO法人能島の里

http://noshimanosato.org/

 

野の草の家づくり塾としても、大島石を体感するワークショップを予定中ですので、

こちらも乞うご期待!!!!

 

土に還るしごと。。

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今時、外壁と言うとサイディングなどの無機質系の素材が一般的です。

でも家が寿命をむかえたときに、それらのゴミは何処に?

今時の家づくりは自然にかえらないゴミが多いです。

子供たちの未来に負担をかけるような物ではなく、大地の土へとかえっていく素材で家が造られていって欲しいもの。

 

さて『土間と風の家』の外壁工事も着々と完成にむかっています。。

 

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見えなくなる下地から自然の素材にこだわって・・っと言うより、昔ながらの素材や技術を活かすと、大地に優しい自然に優しい家づくりになるのです〜。

大手企業が乗り遅れないように必死になって努力している「環境に優しい」を、あえてアピールしなくても、エコマークなどなくても、私たちの足元にすでにあるのですよね。。先人の知恵って最先端!

でも、あとは活かすだけなんです。

そう、あとは消費者の意識が大切。。

 

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↑土壁で出来た大壁です。

左官親方が熱中症やら他の病気を併発して入院中のなか、お盆休み中に乾燥できるよう、頑張ってくれました♪

さてあとはこれで待つだけです。

 

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そして大工さんたちも、外壁仕舞いに精を出してくれています。

やはりこちらもこの暑さに参っている様子。。

頑張ってください〜。。

 

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それにしてもこの外壁の赤味の杉材、とっても綺麗です!

赤味材で揃えるなんてなかなか出来ないことですが、

こちらはいつもお付き合いしている池川林材さんが準備してくれたもの。

赤味材は油があって、虫や腐りにも強く、雨係りには理想的。

贅沢〜!

でもこれを庶民価格でサラッとやってくれるのが池川さんなのですよね。

ありがたいことです!

 

こうやっていろんな職人に支えられ『土間と風の家』進行中です。。

 

暑さを吹き飛ばして。。

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山登りに例えると『土間と風の家』はいま7合目。

この殺人的暑さを乗り切るために建て主さん大工さんたちと一緒に『土間と風の家』現場ビアガーデンをおこないました♪

私たちのほうはビールに合う手づくりギョーザで、建て主さんはご自身で捌いたお刺身や生姜飯を、大工さんたちも色々と持ち込んでくれてのビアパーティーでした♪

ほんと、定期的にこういった交流会は開きたいもの。

建て主さんにとっては一生に一度、そして私たち造り手にとっても一期一会の家づくりだから、一瞬一瞬を楽しみながら進んでいきたいものです。

 

 

飲むと普段できないような色々な話が出てきます。

建て主さんの家づくりに対する、そして伝統構法を応援する気持ち。とっても嬉しくて♪

こういう施主さんの応援歌が、職人・設計者を奮い立たせるんだなと感じました。

エネルギーをもらい、私もいつもの如く熱く・・(笑)。

なんといってもこれからこの愛媛を背負うことになる若き大工さんを目の前にしているんだから熱くならない訳がナイ(笑)。

 

現場ビアガーデン、夏の宵、涼しくもあり熱くもあり、思い出のこる夕べ。

さあ、暑さも吹き飛ばして頑張りますよ〜!

 

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