2013.03.31 Sunday
『ゆとりの家』お引渡し。。
これで今まで親しんで通ってきたお住まいにはもう自由には出入りはできません

いつもながら娘を嫁に出すような寂しい気分。。
でもそう言いつつ、これからどんな風にこのご家族と一緒に歳月を経ていくのかなと〜・・本当は楽しみでもあるのです。やっぱり嫁を出す親の気分ですね。
また時折呼んでいただいて、そのご家族と共に変わっていく姿を拝見させていただくのを楽しみにしましょう〜

建て主さんはあちこちの設計事務所を何軒もまわった末にAA STUDIOにやってきました。家づくりを考え始めた頃は、美術館のような家を建てようとか思っていたとか

オシャレで斬新な住宅をもとめて建築家の方々にたくさん提案をしてもらったそうです。なかには真四角の箱で周囲に対しては窓も庇もないような家の提案もあったとか言ってました。面白いことに、その頃から言うと今の建て主さんたちの変遷ぶりは180度と言えるでしょう。
私も確か・・「そんな町並みに対して窓もないような家をつくったら、外で犯罪があっても誰も助けてくれないような冷たい町並にならないかな?」と助言した覚えがあります。できるだけ町に対して、心地よく。町を良くしていくための住まいであって欲しい。。それが私の考えでした。
ある建築家の方には「あなたの求めるものを叶えようと思ったら、まず家は建たないでしょう!」と言われ、ずいぶん傷ついたと聞きました。
でも・・そんなことはなく今、思い描いた住まいを手にし、「この住まいで本当に間違いなかった。良かった。」と家が建つ前からいつも口癖のようにおっしゃっていた建て主さんでありました。
私たちと付き合いだしてから、水道水ではなく山水を汲みに行きだしたり、食も安全・安心な物を求めるようになったり、また環境的なことも関心が高まったと言われました。
住まいに対する考え方も同じように変わってきたのかもしれません。
私たちとしても家のことだけでなく、もっとひとつひとつの暮らし方に関心をもってもらいたいので、家づくりをとおして変わって来られた事がとても嬉しいです

暮らしを包むもの。
未来へと・・平和で安心できる心地いい暮らしを繋げていくための場でもあります。。
家づくりを通してあらゆる昔ながらにつながってきた手仕事が、また繋がっていくことができました。
こうやって一軒一軒の家づくりが未来をつくり、社会を、町並みをつくります。
愛ある社会になっていくために。
この住まいが教えてくれるでしょう。
住まうことの豊かさと感動を。。
さて今頃、お引越しを終えて、どんな一夜を過ごされているのかな。
きっとこれから日々あらたな感動や発見があると思います。
自然の移り変わりを映し出し、そして住む人を育んでくれる住まい。。
またお話を聞かせていただくのを楽しみにしております。

末永くお幸せに。。