熱い熱い建前2日目!

 建前2日目です。今日もアツイアツイ
さすが職人集団!建前2日目とあって、それぞれの持ち場や段取りがのみこめ、全体のチームワークがとれてきたようです

かの宮大工・西岡常一氏は『木の癖組は人組みなり。人組は人の癖組みなり』だと言いましたが、今回は個性ある一匹狼の若い大工さんたちがあつまって、その誰一人もが欠けても成り立たない建前であることを強く感じました。
棟梁が指図することなくそれぞれが一番にベストと思われる持ち場に自然と落ち着き、自然とその個性にあった仕事をこなしていました。すごいその連携プレーの巧みさと、個々の力が最大限に生かされているように感じたのは、どこか同年代の大工さんたちが、初の大仕事でもある水木棟梁の建前を皆で支えるといった気持ちが自然発生的に生まれたからのように、私には感じたところ。。

木組みは人組みであって、人組みは心組みであると言います。
水木棟梁は、経験豊富で皆にどんどん指図して「俺について来い!」的な棟梁ではありません。どちらかと言うと物腰が柔らかい控えめな棟梁さんなのです。それがかえって皆の力を発揮させたように感じますね。。
なんだかまた大切なことを教えられたような気がします

棟梁も「僕がやったのではない。みんなが支えてくれたからできた。」と、やっぱり控えめ。この控えめさが、みんなを主役にした建前でした。
そして棟梁サブで、棟梁の右腕となって皆の志気を高めてくれた大石くんの存在はとても大きく、今後の彼には期待が募ります。。
ホント、、よい心意気をもった大工さんたちばかりが集まってくれて、よかった〜

若いってすごいですね〜
力もエネルギーもあります。そしてそれぞれに難所をくぐりぬけるために智恵を出し合います。ひとつになってという感じです

そして今回はよく差し口が効いていました
差し口が効くというのは、ホゾとホゾ穴がピッチリに造られているということ。もちろんその分、かなりカケヤを叩かなくてはホゾも入りにくいです 力も時間もかかるという事。大工さんたちも暑い日差しのなか汗だくになりながらカケヤを振ってくれました。たぶん・・このホゾの効かせようで一日分は余計に建前の時間がかかったのでは?と思います。しかし、それは建て主さんにとっては絶対的な安心感でもあります。一生の家の寿命や強度に左右することでもあるのなら一日分余計に時間がかかってもキツメに仕口がつくられている方が正解です。

入って納まってしまえば、ホゾがゆるくてもキツクても同じように見えます。プレカットはゆるゆるでグラグラした仕口のつくりです。しかしゆるゆるにすれば出来上がってから建物全体が揺れやすくなります。木の家では、ひとつひとつのホゾの効きが全体をもたせることになりますから最も重要であり、目に見えない大切な部分です。

昔ながらの家づくりは、柳のようにしなやかに揺れるつくりだと私はよく言いますが、でも地震のゆれでクニャクニャに揺れてはいけません。ある程度、ホゾが効いてくれて、そしてそれ以上の強い地震力が働いたときに、ホゾ穴のなかでホゾがめり込んで揺れるのです。
よく昔ながらの家は地震がきて、揺れて傾いても、その傾きが元に戻るといいます。
それはこのめり込んだホゾが、また元に戻ろうとする復元力が発生するからでもあります。

大工さんの一人に建前の感想をきくと・・
大工さん「この家はぜんぜんグラグラせんかった〜すごいわ!」
設計者「いつもはグラグラするの?」
大工さん「プレカットはグラグラやね。カケヤなんかいらんで手ではいるぐらいやからね(笑)!」
設計者「なんでそんなに仕口が甘いんやろ〜?」
大工さん「仕口の甘さは調整ができるようになってるらしいけど・・、早く建てる、メーカーはやっぱ効率優先やけんね〜。どこも・・」
っと、メーカー住宅に応援に行っている大工さんが言われていました。

強く言います!
木の家は本当は目に見えないところが命です
強度も寿命も、そこ次第で決まるのです
法律や保険や金物が命を守るのではないという事。
大工さんたちのしっかりと手間と時間をかけ、最善を尽くそうとするきっちりとした仕事が、命をまもるということに他ならないということです
建前2日目終了。。まだまだこれから。

出来上がってカタチとなっていく姿を感慨深げに眺める水木棟梁と大石くん。
その想いはいかほどなのでしょう

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