熱い熱い建前4日目。。

 熱い熱い建前も4日目になりました。
常に現場に張っている私も、もう真っ黒!
現場に到着するとすでに登り梁がはいっており、メインディッシュを食べ損ねた感じです・・
でも、ひとまず難なく納まったということですね。。

美しい登り梁の様子。LDKの空間はこの登り梁が表しになって見えてきます。
木組みの美しさ、大工さんの技が堪能できる空間といっていいです。
こういった木組みの昔ながらの家づくりを始めてから、変にデザインをしなくても、そのままありのままで十分に魅力的な空間づくりができるようになりました。
いえ、小手先だけでデザインした空間がどんなに頑張っても生み出すことのできない用の美、力強く本質的な美しさをそこに感じることができるのです。
ひとつひとつが意味をもって存在し、和になって、ハーモニーとして生み出される美しさ。それは木組みだけでなく、大地の柔らかい風合いの土壁であったり、温かみと手触りのよい木の建具であったり、ほっこりとした紙の表情であったり、清々しい草の薫りをはなつ畳であったりと、すべての調和をもってこそ生み出される空間と言っていいです。そこに本質的な美しさ。私たち生き物が生き物としてもとめてならない美しさを強く感じるのです。。
ボード張りだった家から、土壁の家を初めて実践し体験したときに感じたことでした。。

心ひかれる美しさをそこに感じませんか?誰もが感じる美しさのようなもの・・
なんだろう・・?っと感覚に耳をすませていると、そこには大地そのものの美しさ、心地よさ、感動があるように常々感じるのです
人の手が加わったものだけど、自然のものを最大限に生かそうとするとき、自然はちゃんと応えてくれる。大地の美しさがそこに存在しています。。
『生かす・和』というのは、私の生き方のテーマでもありますが、昔ながらの家づくりをして、この家たちに教えられたことです。
忘れていた感覚・・日本人としてのスピリッツがそこにあるのです

さてさて建前から、話がそれていますが・・
母屋がかかり始めます。母屋がかかる束も、さり気なくロフトの手すりが支えることに・・これ用の美ですね

棟木は何気に、棟梁がカケヤをもって納めていました。
皆のさりげない心遣いを感じました。。

玄関の土間、縁桁などが納まっていきます。
この家は下屋がおおく付いていて仕事がいつもより多くありました。初の大仕事となった水木棟梁、サブ棟梁で棟梁を支えてくれた大石くん頑張りましたね
初にして見事な建前となりました。私も肩の荷がおりました〜

 

今の時代、若い大工さんたちはどうしても経験が不足してしまいます。大工になっても墨付けや刻みを必要とする現場がないからです。プレカットは便利で楽だけど、でもその一方で若い職人さんたちを育みません。若いやり手の大工さんがいても、それが生かされる現場(家づくり)がなくては、技術が受け継がれていかないのです。今のほとんど多くの現状はそうです
応援に来ていた最年少の大工さんが言っていました。
「こんな現場から言うたら、今やっている俺達のしごとは大工と呼んだら申し訳ない仕事や。貼り物ばっかり(ボード貼りや建材ばかり)で、大工じゃなくて貼り物屋さんと言った感じや・・。」
若いやる気があって能力があったとしても、そこに育む場がなければ若い子は育たないです。悲しい時代・・ 

それは家を建てる方々にとって最も不幸な話ですが、またそれはイコール、わたしたちの未来を示唆しています。若者を育むことのない未来が待っているのです。そんな社会は機械に人間が使われ、喜びや、自然や人を生かすことのない社会です。そんな社会でいいですか〜?
今回、応援に来てくれた大工さんたちは「すごく刺激になった〜」「手伝いにこれて本当によかった〜」と言ってくれました。大石くんも「この家に携わって間違いなくこれからの自分の仕事に大きな影響が出る」と。たかが一軒の家づくりだけど、その影響は確実に大工さんたちの心に何かをのこしたようです
重労働の建前であったけど、水をえた魚のように、笑顔がたえない建前。嬉しいかぎりでした。

昔ながらの家づくり。
育み生かす喜びの家づくり。。
ひろげていきたい。。

みんなお疲れさま。ありがとう〜
そして貴重な機会を与えてくださった建て主さんに深く感謝いたします
お疲れさまでした〜


コメント

久しぶりにあの熱い建前を思いだしました。仲間とまたあの時感じた熱さを分かち合えたらと思ってます。

  • 2012/12/21 22:08

私も年賀状の写真をピックアップしながら、建前のことを思い出しました。みんな楽しそな顔顔顔。
お手伝いにきてくださった皆さんも生き生きと輝いてました。昔ながらの家づくりを広めていかんといかんねえ。

  • はしづめ
  • 2012/12/23 21:44