第4回ミニ家づくり塾『<畳編>畳の仕事を知る!』&完成見学会 開催しました。

強い陽射しが照りつける猛暑のなか、 第4回『<畳編>畳の仕事を知る!』&完成見学会を開催いたしました
夏真っ盛り!お日さんの下にいれば数分もしないうちに汗だくだく状態になります。さすがに参加者さんが熱中症になってもいけないので、今回思い切ってイベント用の大きなテントを購入してのミニ塾開催となりました!

ずっと欲しかったテント・・でもかなり高いんです
しかし家づくり塾をご支援いただく参加者皆さんのお陰。今までの家づくり塾の参加費が積もり積もってテント購入に至りました
これで雨の日、日照りの日を気にせずに、家づくり塾が開催できます〜
どうもありがとう〜 みんなの参加費が集まって購入できたテントと思うと、このテントの下には良いエネルギーが集まりそうです

さて、今回ミニ家づくり塾の講師となる荒川製畳所の荒川さんは山口県の畳屋さんです。いつもAASTUDIOが仕事をお願いをしている畳屋さんでもあります。畳屋さんもいろいろと探し歩いて、地元ではなかなか私たちが求める畳屋さんに出会うことが出来ませんでした。そして結果・・山口県まで足を伸ばすことに。
昔ながらの家づくりは、昔あたりまえにあった、理にかなった本来の仕事を取り戻していくことを家づくりの活動のひとつにしています。しかし本来の仕事ができる畳屋さんがいなくなっている現状があります。こちら荒川さんは、日本でも手縫い床を製作できる唯一二人のうちのおひとり。
いろいろと本来の仕事を残そうとご尽力をされていて、私たちも毎度毎度仕事を通して畳の奥深さを学ばせていただいている次第でもあります。

「家を建てるなら畳の部屋が欲しい」
そう願う建て主さんはまだまだ多いです。しかし、畳を選ぶうえで何を基準にどんな畳を選択すればよいかと言うことを知っている人は99%いないのでないかと思われます。これは何も素人さんだけの話ではなく、建築に携わっている工務店さんや大工さんや設計者たちも同じだと言えます。
本来なら良い畳が使われて、「あ〜やっぱり畳がいいねえ」って言われるところを・・、まったく畳というものを知らないが故に、価格だけで畳が選ばれしまっている現状がそこにあります。
そうなると長持ちせずに早く痛んでしまって、「畳よりフローリングにすればよかった」とか、硬い畳をいれてしまって「座っていると腰が痛い!」とか、虫がきて「畳はやっぱりダメや!」なんてことに・・

私たちは日ごろ「安い」ということで物を選びがちですが、本当はそこにある物の成り立ちや造りをちゃんと知ったうえで、値段という対価を評価したいところです。
また私たちが選ぶ物ひとつひとつの選択によって、実は私たちの社会や未来が選択されていっているという事を知って欲しいです。物を買うということは、その商品の裏にあるバックグランドを選択しているということでもあります。

とくに今のままではあと10年しないうちで、一昔前には当たり前にあった善き物たちが消えうせてしまう事になります。畳も深刻・・。あたりまえにあった畳がなくなろうとしています。
日本の伝統的な床材であった畳が、たとえ残ったとしてもそれはもう職人が手づくりするような物ではなくカタログで選ばれるような工業製品となってしまって、とても畳と言えない物が残ることに・・。
本当にそれで良いのか・・?

私も以前は「畳なんて・・」と思っていた設計者のひとりでした。
でも畳のある暮らしをしてみて思ったこと「なんと快適なことか!!」
それからと言うもの畳の間を積極的に提案していってます。茶の間が畳の間。。
狭い日本の家で、しかも予算のないなかで質の良い家づくりをしようと思えば、無駄を省いていかなければいけません。そんななか畳は、ソファやダイニングテーブルやベッドに占領をされない分、常に空間を限定せずに使えて、且つ広々と空間の有効利用が可能です。しかも冬は足が冷えにくく暖かい!
子供がおもちゃを広げて遊んだり、根っころんだりするのにも最高に畳はやさしい床材だと言えます。
畳のある暮らしを見直してほしい。。

今回、荒川さんには移住先の我が家の古畳を手仕事で修繕していただきました。
60年物の我が家の古畳、ヨレヨレボロボロですしかし60年前の我が家の畳には、なんと手織りの中継ぎ表が使用されていて、だからこそここまで持ち堪えたと言われていました。今回、床を修繕し、その畳表を裏返ししました。まだまだ使っていけれる。

大事に物を使っていく、そんな昔あたりまえにあった日本人としてのスピリッツを大事にしたいものです。。昔ながらの家づくりはそんな結晶でできた家です 物を大事に繕いながら長く使っていく知恵がいっぱい詰め込められています。。
それこそがエコですし。ずっとずっと以前から先人たちが実践してきたことです。
守りたい。そんな物やスピリッツが失われようとしている現実をちゃんとみつめて、向き合い行動をおこせる人間になりたいです。

暑い暑い中、古畳修繕に休みなく皆さんに作業を披露して下さった荒川さん、ありがとうございました。
美しい光景、ずっとこの先も子供たちにも残したい光景です。
畳の良さが伝わったことと思います。どうもありがとうございました
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