2011.10.04 Tuesday
徳さんの備後中継手織畳表。。
徳さんの備後中継手織畳表も、神子の森に工房の拠点がきまってから半年。。
工房の雨漏りの修理がすすんできました。
この建物は、その昔、隣町で学校に使われていたものを神子の森の集落が集会所として利用するために移設してきたものでした。
昔ながらの伝統的な建物と言うよりどことなく洋風な感じがする建物です。
壁も、土壁は使われておらず、壁の中は断熱材もはいっていない中空です。しかもかなり天井は高いですし、これからの冬の寒さがちょっと心配ですね
薪ストーブを設置予定ですが、さてさて効くかな・・。
また建物は軒が短いうえに窓は大きいです。
なので窓も雨に当たりやすく枠や木製建具や外壁はかなり傷んでいます。やはり軒の深さは大事ですね。建物を雨風から守ります。
また通し柱や桁は、雨漏りの影響で、白蟻に完全に食害されていて、ほとんど機能してませんでした
このようにあちこちかなり修理が必要な建物です。。
でも使用させていただける事は本当に有り難いことです。一から工房をつくるとなると、それはそれは費用もいりますし
またまだ手を入れれば十分に使えるから、使っていくほうが心地良いですね。。
手織畳表は、今の時代お金儲け・商売にはならない仕事です。でもそこに子供たち未来へと遺していきたいものがあるからこれを繋ぐことにしました。
だから出来るだけ出費を抑えるために、徳さんも自らが大工や瓦葺き職人になって修繕をしています。
古瓦は左官さんに頂いたり、役物(特殊な形状の瓦)は瓦屋さんに探してもらったりして、素人で土葺きにて直しました〜。これも普段職人さんたちの仕事ぶりを見せていただいているお陰です
窓の上には、窓枠や建具が傷まないように新たに庇がつけられました。通し柱や桁もなんとか造り直して、やっとそれらしく?なってきました
あと、イ草を収納したりする棚も新設され、工房らしく
徳さんがんばってますでしょ。。
ただ・・そろそろタイムリミットが・・。
っと言うのも、「つながる家+つなげる家」のために畳表を織りたいと思っているのです。
でもタイムリミット。工房修繕にかける時間はもうありません。まだ窓枠も外壁もなおってはいませんが、もう修繕するための時間はありません。
畳表を織るための練習を始めなければいけません。
工房さがしから始まって、いまだ落ち着いて十分な織りの練習ができていない徳さんの状況・・。しかも機織り機は、新しく製作したてのもので微調整がまだまだ必要な段階なのです。
機織り機は、道具です。しかし自分の身体のようでもあります。
道具が自分の身体と同じように一体となってこそ、物づくりができます。
機織り機があるからと言って、畳表ができる、という訳ではないです。
木でつくられた機織り機は、ほんの微妙な木のソリで糸がきれやすかったり、イ草が定位置に落ち着かなかったりします。
師匠の来山さんの機織り機では、難のないことも、我が家の機織り機では難がでます。また逆に来山さんの機織り機で難なことも、我が家の機織り機では難ではなかったりもするのです。個性があるのです。
はは〜、、機織り機は、まるで子育てにそっくりですね。マニュアルはないのです。
個性ある機織り機は、その子その子の個性を読み解いて、その子の答えを出してあげないといけません。難となる部分を、自分なりにアイデアを出して改善していきます。難解です。。
それが道具が自分の身体になるという事でしょう。。
すぐには難しいでしょう、織る回数が多ければ多いほど、機織り機の声をきくことができます。
ちょっとお尻に火がついた徳さん。さて間に合うか。。
あ〜冬も近しで、薪ストーブもつかず、窓もなし。
徳さんには過酷な冬が待ちかまえていそうです
ガンバレ徳さん。。
フルヤジの好きそうな場所ですね〜。今度お邪魔させて下さい。
そろそろお米が収穫の時期ではないですか??