結い土のワークショップ♪

現場も荒壁が乾燥し、少しずつ進んでおります。。

電気や水道の配管・配線がほどこされ、大工さんによって床の下の下地板を張って頂いているところ。この下地板のうえに荒壁土を投入し、床下からの底冷えを防ぎます。
昔の家が寒かった最も大きな理由のひとつが、床下からの冷えがあります。
断熱材もなかった時代のことですから当然、床板1枚の下は寒さを遮るものは何もありません。まあ畳が断熱材でもあった訳です。ここを一工夫というわけ。。
出来るかぎり身体に害がなく、ゴミにならない素材はないかという事で、荒壁土をつめることになりました。『新居浜の家』で底冷え効果は実証済み。
今回も、この作業をでワークショップにておこないたいと思います。

 

『結い』とは、その昔、共同体として協力し合あっていた時の助け合いの精神のことです。家づくりが互いに力を貸しあって出来ていた時の仕組み。そこにはお金でない、助け合いでの家づくりがあります。みんながみんなそういった方法を受けいれ取り戻すことができれば、家を建てるのに、多額な借金をすることもなくなります。そういった事も少しずつ取り戻したくワークショプをおこないます。

ワークショップは2回に分けておこなわれます。
第一弾は8月7日(日)
話手:AASTUDIO『土のしごと、昔のしごとを知ろう』がオマケでつきます。
第二弾は8月21日(日)
話手:左官職人をめざす秋山まーくんから『なぜ?いま左官なのか?』のお話しが付きます。石油会社から左官の仕事をめざすお話しです。また石油があらゆる食品に姿をかえて、私たちの口に入っていくゾッとするようなお話しも聞ければと思っています。面白いですよ〜!

AASTUDIOの夏は暑い夏になりそう〜です!!
ぜひご参加ください。。
7日は花火大会もあって、2時ごろにはワークショップを終わらせる予定です。
参加したい方は、まずは案内登録から。(登録されている方は既に案内が届いていると思います)
http://homepage2.nifty.com/aastudio/profile2.html

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第一弾「結いワークショップ・土しごと in つなげる家+つながる家」のご案内               
 
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久方ぶりのワークショップのご案内に、胸ときめいております!(笑)
いま進行中の本格的な昔ながらの家づくりである「つながる+つなげる家」で、結い(ゆい)による土のワークショップをおこないます。
土にふれる機会のすくない私たちの今の暮らし、家づくりにどれほど『土』が良い影響を与えてくれるか。またその『土』も、土の職人さんがしっかりとした仕事をほどこしたものでないと意味がないことなどを、この機会に体験をもって感じてもらうことが出来ると思いワークショップをおこなう事となりました。。

「つながる+つなげる家」は、本来あるべき本物のしごとを施した家づくりです。28坪と小さな家ですが、家族4人が住むには十分な広さ。狭さを感じさせない設計の工夫があります。またどの職種においても昔ながらの仕事。古き良き家づくりを取り戻す家です。どこまでも本物志向なのに、メーカー住宅と変わらぬ価格で、しかも100年200年もたせる家です。

職人たちの誇れる仕事がここにあります。
人にも自然にもやさしい家づくりの原型がここにあります。。
そんな家づくりの様子などにもふれていただく機会になれば私どもも嬉しく感じるところであります。。

当日は、建て主さんがお昼を用意してお待ちくださっています。。
私どもの方も、土がどれほど家づくりにおいて大切な役割をするかなど、お話をさせていただきたいと思っています。<一般的な家づくりでは、ぜったい聞けないお話!>

土のワークショップの作業内容は、泥土(壁につかった荒壁の泥土)を1階の床にいれる作業となります。土は思った以上に重たくたいへんですが、職人さんのたいへんさも理解していただける
事かと思います。。
この土は床下の断熱材としての役割をはたすことになります。
自然にも優しく、湿気もこない、永久的な断熱材となることだと思います。。

お暑い中ですが、ぜひお手伝いにきてください〜。。
待ってます〜♪

【日時・スケジュール】
  8月7日 日曜日 ※雨天順延
           
   9:30〜  土のしごと、昔のしごとを知ろう
  10:30〜  土のワークショップ
  12:00〜13:00  <昼食>身体に優しいベジ昼食    
  13:00〜  お話し会
  14:30   解散
    
  ◎伊予鉄の電車で来られる方は最寄り駅に、
   8時前後の到着の便ならお迎えに行きます。。
 
【その他】お子さま同伴も問題ありません。
     一緒に土しごとを楽しんでください。
     当日は、泥で汚れると思います。汚れても良い服装でお越しください。

【締め切り】7月末(今月中に申し込みをしてください。。)
      
□□ 申し込み>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>お早めに。。
  □参加者名                    
  □参加者名
  □参加者名
  ※代表者連絡先(住所・携帯) 
  ※その他(何かあれば) 

来客。。

 昨夜は、石川県からの来客がありました。。
金沢大学がおこなっている環境マイスターのプログラムでの視察。
私たちの友人でもある”まんがら農園さん”の自然農や、今治の学校給食の状況などを視察がてら、我が家にも立ち寄っていただき木と土の昔ながらの家づくりを知っていただきました。

私の方からは、現在の住の現状や、昔ながらの先人たちが遺してきた物づくりを、木材や襖や和紙や畳の現物を見ながらお話しさせていただき、私たち現代人が無くしていきつつある暮らしや生き方そしてその心をお知らせいたしました。
徳さんの方からは、私たちが遺そうとしている備後手織中継ぎ表の良さや、そこにあった物づくりの素晴らしさをお話ししました。

農も食も住も、底辺にある問題は一緒です。
そんなことを感じていただけたのではないでしょうか。。

食も住も農も、そこにあった豊かさを失おうとしている・・。
私たちはいったいどこに行こうとしているのか・・。
そこに未来はあるのか・・。
まんがら農園さんと我が家で準備した旬の食材をつかった、安心できる心から体に優しい晩ご飯を一緒に食べながら、豊かさとは何か?を感じてもらえたのではないかと思っています。。

ふと、その横を見ると・・
備後中継ぎ畳表のうえで、まんがら農園の友くんがひとり、頬ずりをしながらゴロンとなってニヤニヤしているではないですか

ははは、よーくその良さが分かってるやないか〜!
私たちの小難しい話は分からんやろーけど、さすが子供はその感性で分かってはる!
さすがです!遺さないといけない物づくりがそこにあるのです。。
しばらくは大人も子供も手織畳み表のうえで、ごろごろと気持よさそうでしたよ



ちくっと話が変わりますが、昨夜みつけた原発関連の動画。
怒り心頭です!
はたしてこちら政府はいったいどこを目指していこうとしているのでしょうか?
人の心はここにあらず。
福島県民の命が斬り捨てられている現状。命よりお金が大事。政府は政府自身の信頼をたもつために、また日本中がパニックにならないために、そして国費による補償を最大限少なくするために、福島県およびその周辺の人々の命を斬り捨てたというのが、私には感じられました
負けると分かっておりながら捨て駒のように兵を戦地に送った政府のやり方と何も変わっていない・・日本。これが技術進歩や経済発展したと賞されてきた今の日本ので出来事です
大切なものはなんでしょう・・?

7月19日に、6団体と福島県民を中心に130人が集まったが・・原子力災害現地対策本部と交渉を行った様子。
http://www.youtube.com/watch?v=rVuGwc9dlhQ&feature=player_embedded

衆議院厚生労働委員会「放射線の健康への影響」参考人・児玉龍彦の( 東京大学教授 東京大学アイソトープ総合センター長)
http://www.youtube.com/watch?v=HdF48RT9Ja8&feature=related

これらの事は残念ながらメディアも放送しようとはしません。
そして今・・
愛媛に福島からの放射能をふくんだ瓦礫受け入れが、少しずつ水面下で進んでおります。
知らない事は、罪ではないけど、
知ろうとしないことは、大きな罪です。
心をよせて、子供たち未来のために、ひとつになる時です。。


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愛媛県で震災瓦礫の焼却、埋め立てをするということ


震災瓦礫の総量は2500万トンといわれています。
これは日本の一般家庭ごみの1年間分に相当します。
これはとてつもない瓦礫の量なのです。
とても被災地の焼却場ではまかないきれない量です。

環境省はこの瓦礫の焼却・焼却灰の埋め立てを全国規模で行おうとしております。
愛媛県は各市町村に瓦礫受け入れのアンケート(調査)を各市町村に行いました。
これに、瓦礫焼却受け入れ可能と思える回答をした愛媛県の自治体は

内子町 500t/年
西条市 2000t/年 (2000t埋め立て)
新居浜市 5000t/年
(他にもあるかもしれません)
これを3年間で処分しようとしております。

この自治体名、数字は環境省が電話で答えてくれました。
各自治体にも電話で確認しました。
福島県以外(会津地方は除く)場所の瓦礫ということでした。

この瓦礫焼却というのは、被災地支援につながります。
一見いいことなのですが、厄介なのは「放射性物質を含んでいる瓦礫」ということなのです。

悲しいことですが福島県以外も放射能汚染されております。

http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-397.html(汚染図)

国の事故後の放射能に対する基準値は約20倍危険になっています。
これによって震災以前では厳重に管理されていた放射性物質を拡散することが可能になりました。
http://diamond.jp/articles/-/12530 (記事)
http://kingo999.web.fc2.com/kizyun.html (食品)
http://mainichi.jp/select/science/news/20110715k0000m040088000c.html (瓦礫)
瓦礫も適用を受けようとされていており、上下水道汚泥や瓦礫などの災害廃棄物であっても、
性能のよい焼却炉で燃やせばなんら放射性物質は問題ないとされています。
しかし、放射性物質の焼却を前提とした性能のよい焼却炉なんて日本には1台もありません。

「放射性物質を含んでいる瓦礫」を焼却するということはどいうことなのでしょう。
・運搬時の放射性物質の拡散
・焼却時に出る焼却炉からの煙による放射性物質の拡散
・焼却炉自体が高濃度に汚染され今後使用出来なくなる
・焼却灰になることのよってよりこれが高濃度な汚染物質になる
・焼却灰の埋め立てをする最終処分場からの地下水の汚染
(松山市の水道水の50%は地下水)
・最終処分場の長期的な放射能生物質の流出監視、保管のよるコスト高
・汚染に対する自治体補償

大事なことは地下水を放射能汚染されることによって、
農業、漁業など一次産業が壊滅的被害を受けるということなのです。

「松山市の水道水から放射性セシウムが検出」なんて聞きたくない。

現在、牛肉から放射性セシウムが検出されて問題になっております。
松山市の学校給食(6月)に使われてたのは悲しいことです。
http://www.itv6.jp/catch/news_detail.php?date=20110715&no=0002


愛媛県産の米や野菜を子どもに食べさせるという「安心」を我々は持っています。
瓦礫の焼却はその安心すら奪ってしまいます。

チェルノブイリでもそうでしたが被害を受けるのは子ども達なのです。
福島原発災害の責任を子ども達に押し付けてはならないと思います。

心から安堵。。

職人若者衆の集いが終わってからのこと、大工さんたちに手を貸していただいて、
徳さんの手織機織り機のお引っ越しをしました。みんな本当にありがとう〜!

ずっとずっと友人の廃タオル工場に置かしていただいていて、この工場も買い手がみつかりいよいよ壊すという話。それゆえこの度、新天地の神子の森へ、やっとのことお引っ越し。今まで本当にありがとう。。

松材や樫でつくった機織り機は、とてつもなく重く、男手5人で数m運ぶのがやっとのこと。
移動がそう簡単でない機織り機、しかも3台!
こんな重い背の高い機織り機を、急な坂道で、トラックであげられるか・・一抹の不安を抱えていたものの、なんとか無事にあがり。機織り機を、お引っ越しさせる事ができました。。
貸していただいた建家は、まだまだこれからあちこち修理が必要。
ははは、いったいいつになったら機を動かせるのか・・。

でもずっと頭を悩ませていた機織り機の置き場がこれで定まった〜。
工房がここ、永久の地に落ち着いたということで、心からの安堵。。。。。
これで根を張っていけれる、という安堵感。。。
いずれ私たちもここ神子の森の集落に定住したく移住を考えている。そのための一歩。

さあ頑張って、根を張っていく、中継ぎ表を遺していかなきゃ〜

そのまえに建家の修理が・・・・・。
はあ〜、頑張らなきゃです。。

職人若者衆の集い。。

第一回職人若者衆の集いが行われました。
いま住の世界は危機的状況です。
昔ながらにあった素晴らしい多くの智恵や技を失っていこうとしています。
職人さんたちは肌で現状を感じていると思います。
大工さんが中心となって、左官、表具師、指物家具、瓦屋さんが集まりました。

第一回は始めてとあって、みんなかなりの緊張ぶり・・・。
しかも大勢の前で、議論したり、自分の意見を言ったりする機会の少ない職人たちです。
日頃は無駄口をたたかず手を動かすのが職人の世界。ディスカッションという事そのものの経験や機会がなかった・・。
ははは、これについては完全に私の予測想定外でした

しかし集まってもらったメンバは、愛媛でもやり手の若者衆です。これから愛媛を背負っていく職人たち。志は静かに確かにあります。やり甲斐のある仕事がやりたいし、それに見合った腕もある。
「出来上がった仕事をみて、来てくれたら(仕事を依頼してくれたら)それでいい。」
まあ、多くの腕のある大工さんはそう考えます。

しかし今の時代、メーカー住宅が巾をきかせ、たくさんのメディアを使って宣伝をしている時代です。大げさ極まりないアピールで、嘘も方便のように家を売っている・・。エコでもない家を、エコだと言う。100年200年ももたない家を長期『優良』100年住宅などと言う。
職人たちのけなげな「自分たちの仕事をみて・・」なんて言っていたら、そりゃあ〜この先の若者衆の未来はありませんよ。。
本物を知るのは職人です。素材を知るのも職人。仕事の善し悪しが分かるのも職人。職人たちは誰よりも自分が肌で感じ知っているんだから。その職人たちの声ほど、説得力のあるものはないんです。。
職人が本当のことを語ることの大切さ、しかし語って来なかった発信して来なかった現状。
アピールが苦手な職人たちに、ちょと感じました。。

 

まあ〜宣伝がとにかく苦手なんですよね。
志は清く美しいんです。
「建て主さんに喜んでもらうのが、自分の喜び」
参加してくれたほとんどの職人たちが求めるささやかな喜びがここにあります。。
ん〜やっぱり伝えなきゃです!
私は心から皆のピュアで純粋な職人魂が好きです。

職人達も、もっともっと社会の現状に心を寄せて、自分の尊い使命に気がついて、精進して勉強していって欲しい。物づくりの現場で生きる職人たち一つで、未来が変わるという事を知って欲しい。それだけあなた方の仕事は重要な仕事であるということを。。

もくもくと仕事をこなすのもいい。しかし今の時代にいきる若い私たちには、また大きな責務もになっているという事を。ここを肌で感じ始めれば、さらに一皮二皮むけて、大きな自分の使命に喜びを感じるだろう。そして仕事の中味も変わってくるだろう。
上を上をめざす会だけど、それは私の職人たちへの厳しい厳しい母なる愛でもあるし、木と土の家を愛してやまない現れ。常に上をもとめて目指して心やまない職人たちの集いの場になってくれればと願うところです。。

若手みんなで、木と土の家、本物のしごとの良さを発信していこうではありませんか!

これから職人若者衆の集いでは、本物を知る勉強を重ねていこうと思っています。
ますます精進をつんで、愛媛の最強職人若者衆となってほしいと設計者は願うのでした。。

豊かさはお金では買えないね。。

現場が田舎の場合は、お楽しみがいっぱい。
以前は・・現場に行くついでに山菜採りをしたっけ。。

そして、『つながる家+つなげる家』の行き帰りで、ヤマモモの木を発見!
あ〜こういうのは絶対見逃さない私(笑)。
ヤマモモなんて珍しい〜。
高知にはよくヤマモモの木があったのに。
しかもかなり立派な木。だから実も大きい〜!
誰も採らないから、実は落ちたまま駄目になってしまっている。

さっそく車を停めて、獣のように拾うこと30分ほど。。
ビニール袋いっぱいになってしまった
あ〜こんなにいっぱい!ヤマモモを食べるなんて子供の頃以来。
たまにお店で売っているのを見かけることがあるけど一パック千円ほどで、とても手を出せないお値段・・。しかもほんのちょっこっとしか入っていない・・。

誰も拾わないなんて、もったいない!
私はかなり、もったいない病(笑)
っと言うか、みんな忙しくて、ここにヤマモモが落ちていることすら気がつかないのかも。それか全く興味がないか?ヤマモモの美味しさを知らないのかな?
まあ〜私の場合は、半農半設計で、時間には追われていないからねっ。
こうやって車を停めて・・
自給自足の私たちにとっては、これも仕事の一つか(大笑)。

お金に換算すると、こりゃ1万円分はあるよね〜。
そんなヤマモモをたっぷり惜しみなく頂けるんだから。
なんだからお金に追われていない暮らしの方が、遙かに豊か〜

お金で物を買わず、自然からの恵みをいただく暮らしは、旬の物を惜しみなく頂く暮らし。
いつも食卓は、恵みたちでいっぱい。
お金で買うとなると「高いね〜。まあ一袋で我慢しとこうか。」とか、なっちゃうものね。
確かにお金があれば何でも買えるかもしれないけど、豊かさとは違うんだよね。。

  

ビニール袋からこぼれ落ちそうになるヤマモモをみつめながら、ジャムにしようか、お酒にしようか、それとも・・なんて考えながらニヤニヤしてしまう。
一口。。
美味しいっっ!!
ここはわたしの秘密の穴場にいしよう〜。

田舎の現場の行き帰りは、こんな楽しみがいっぱい。
豊かな証拠〜



とっても美味しいヤマモモワインになったり



ヤマモモの酵母で、ベーグルや山形パンが

できたのでした〜


貫伏せ。。

『つながる家+つなげる家』も3度目の壁塗り”貫伏せ”に入りました。

昔ながらの家づくりの仕様は、メインフレームは全て5寸柱でつくっています。
またそれに取り合う梁や土台や足固めも5寸巾となり、その分しっかりと土もつけられます。
どうしても厚塗りになればなるほど割れやすいのが土の特質。
しかし熟成した土の良さは、よく土が締まっているが故に割れにくい。
こんなに厚塗りだったら、普通はワレワレの壁になってしまいますが、さすが熟成土です!
昔は家を建てるとなると、ご近所総出で田圃で土を寝かしたそうです。

 

ただ力がかかりやすい貫の部分には、棕櫚をかまして割れ防止をします。
これも今よく使われている寒冷紗の製品だと、寒冷紗と土の切れ目で割れる恐れもあるので、やっぱりそこは昔ながらの棕櫚の方が放射状に繊維が広がって土との食いつきが良いようです。
何ごとも先人たちのやってきた事は試行錯誤のうえに出来上がった結晶であり、いつもながら頭がさがる思いです。

ひとつひとつに無駄がない。そこに道理にかなった物づくりを見ます。
だからいつもひとつひとつ先人たちがやって来たことを、観察し、そこに本質的な道理を見抜ける自分でなければ何も見えて来ないと思っています。

先人たちの遺してきた物づくりは、あまりにハイグレード。
今の物づくりから言うと地と天の差がありすぎて、まだまだ未解明な事が山ほどです。
私は恵まれていて、こうやって昔ながらのやり方で家づくりをさせて頂く機会が多いです。しかしそれでも先人たちの物づくりの一滴さえも理解するのは、ほど遠い・・。それだけ奧が深く、容易でないということです。。

ん〜思うに、もっともっと感性を研ぎ澄ませて、自然の摂理や物事の道理を肌でみにつけていかなければ難しいのだなと。。
こればっかしは、さすがに頭が賢くても無理です。むしろ頭だけで考えようとすると限界がくる。感性の部分に直結することが多いのです。

自然界の虫や草木や土や水や空気や火(日)のことを、体感をもって知っていること。
そして物事の造られ方や生み出され方に精通し、自らがその一端を体感していること。
また物を慈しむ心や大切にする心が物づくりの絶対的底辺にあり、そういった心に、自分自身がどっぷりと同化しないと先人たちのやってきた事は見えないと感じるのです。

よく和の家は、構造的に、壁だけが荷を支えたり地震に耐えたりするのではなく、窓の枠となる鴨居や敷居、はたまた土台や足固めや、木を組んだりする事、石の上でズレながら揺れる事など、全ての要素で家をもたせている造り”総持ち”であると言われています。
これと同じように、あらゆる研ぎ澄まされた感覚や意識や経験の総持ちにより、和の家が出来てきたことを、つくづく感じるのです。

物を本当に大切にし、長く長く使っていく心。そこには木の一欠片をも無駄にしたくないという気持があり、そこから多くの家の形や構造が生まれたことや、四季の細やかな移り変わりを繊細に感じる感性があってこそ、居住性の良い住まいが造れること。あらゆる素材に精通し、自然界のなかでの、その素材の役目をも知ってこそ、始めて木や土や自然の素材が調和する家が造れるんだろうなと感じるのです。

まずは、そういった暮らしを自分自身がはじめること。
自然に寄り添う暮らしや、自然の素材の道具を使う日常のなかでや、物を慈しむところから、先人たちのやってきた事が見えるような気がしています。
まずは自分を磨くこと、精進あるのみ。。
これは職人だけでない、わたし設計者にも言えることですね。。

写真は、左官見習いのまーくん。
いつもは先輩達の仕事の段取りのために、土を練ったり運んだりですが・・
今日は、始めてコテを持たせてもらって塗っている姿を見ました!
おおお、一歩前進!嬉しいです〜!

 

土用の差し入れ。。

 あ〜嬉しい
『新居浜の家』の建て主さんが、鰻の差し入れをしてくれました。。
暑くなっていくこの時期は、やっぱり鰻!
そう言えば昨年も、この時期に、大工さんと私たちにと鰻を持って来てくれました〜
あ〜ありがたい!

おいおい菜食主義者ではないのか!
っと言われそうだけど、
いえいえ、だからイイのです

いつも菜食だからこそ、暑い夏を乗り切るためにこの時期に鰻を食べるというのが本当は理にかなっているんですよ〜。鰻にはビタミンA・B群が豊富に含まれているため、夏バテや食欲減退防止の効果があるそうです。でも現代ではむしろ、ビタミンAの過剰摂取が問題らしい。
いつも栄養を豊富にとっておられる方は、この日は断食する方が身体にイイかも
また今は本当の鰻の旬ではなく、油がのっているのは、やはり冬や秋。
しかし夏に過剰に油がのった鰻でないところが、菜食には優しい。
昔も、そう肉肉を食べてなかった訳で、この時期の鰻がちょうど身体には良かったのかもしれませんね。。

前書きが長くなりましたが、
いつもながらいつも気にかけて下さる建て主さんに本当に感謝です
本当に頭がさがり、感謝いっぱいです。。

久しぶりにお会いしてお話しが聞けたのも何より。
近々、『新居浜の家』の夏の様子を体感しに行こうかと思います〜

で、鰻は、やっぱり七輪で焼くにかぎります。
強火で焼くと、余分な油が落ちるのと、表面がさっくりと焼けて、独得の炭の香ばしい薫りが、鰻をさらに引き立てます!
半分は山椒のきいた醤油の甘いタレをつくって一般的な食べ方。
半分は塩をきかせて白焼きにし、柚子をたらして。
鰻の骨は唐揚げに。肝は、タレに利用。
ホント、とっても美味しいい〜!!!!

 

食べきれない程の鰻を頂いたので、両親たちを招待しての食事。。
ビールも美味しく、幸せな面持ちで、すっかりバッタンキューとなりました
ホントどうもありがとうございました〜
これでこの夏も、バリバリと励めそうです

学生たちが立ち上がった!

 福島県産の牛肉から規制値を大幅に超える放射性セシウムが検出され、ここ愛媛松山の学校給食でも、5月に田村市から出荷され大阪で解体された牛肉のモモ部分約36キロが6月16、17日にサイコロステーキなどの具材として、 12小中学校3幼稚園で使用されたという。

あたりまえの事なのだが、今回の原発震災のことを親が本当に無関心でいるという事は、子供たちや未来に影響していくという事。愛の反対語は、無関心だそうだから、子供のことを真剣に考えている親たちは、行政に問い合わせをしたり抗議をしたりしている。
今のこの瞬間に何も行動をおこさないと、本当にたいへんな事になる。みんなが一丸となって、未来のこと子供たちのことを考え行動するべき時。
政府は、事を荒立てないように・・、という事しか考えていないし、県も「国の対応に従う」と責任回避。
常に後手後手で、気がついた段階には、きっと多くの放射性物質を含んだ食品を子供たちが食べることになるだろう。私たちが謳歌してきた電気=原発依存の責任を、子供たちが身をもって償っていくことになるのだから・・。。

風評被害?考えすぎ?たぶん大丈夫だよ?
そういった真実から目を引き離すような言葉を信じる方が楽かもしれない。しかし、今の一時の自分さえよければという意識に他ならない。
福島より事故レベルの低かったスリーマイルでも、多くの子供たちの被害者が出て、今も癌や白血病に悩まされ続けているのに・・。よく考えて欲しい。行動は今しかないのだから。
あなたの大切な子供に影響が出始めてからは手遅れ、後悔しないように・・。

はあ、ほんと向き合わされることが山ほどの日々ですね。。
私の方も、現場監理のついでに、県庁前に行き座り込みをしました。
暑い最中、でも小さな動きがひとつひとつ大切なのです。
誰かがこうやって小さな動きをしてきてくれたからこそ、まだ今があるのです。

そして座り込み後は、愛媛大学のデモ行進に参加。今回で3度目のデモ。
でも、学生主催のデモは、愛媛では始めて。そこに未来を感じましたよ〜
自分たちの未来に対して、やっと声をあげ始めた若者たち。本当に嬉しい!
待ってました!
やっぱり年寄りより、これからの未来を生きる若者たちのシュプレヒコールは響きがあって、周辺の人にも強く伝わる感じがしました。
同世代の若者たちも、同じ若者たちが声をあげていることに、デモの印象が変わったのではないでしょうか。こういった機会が増えることでデモへの参加も敷居が低くなるというもの。

学生主体のデモだったけど、先生方の最初の挨拶にジ〜ンときて感動。
表現することの自由。決して駄目なもの、許してはいけないものに対して声をあげる自由。
ここ中立の立場の大学のなかで、それを卒業するまでのあいだに学んで欲しいと。

う〜ん先生の素敵すぎる想いに感動!
それがほんとうの教育だから。こんなイイ先生に出逢うことができる学生は羨ましい。

 

学生たちは今回のデモでとても大きなもの、掛け替えのないものを掴み取ったと思う。
自由を

決してNOという事は、恐いことではないという事。
むしろ駄目なものに対してNOと言えるのは喜びであるという事。
そんな自由を感じ取ったのではないかな。
デモではそんな空気感がいっぱいあって、感動した私。。

 

デモやNOということは、あたりまえの権利。
自由の権利。
そういった権利を行使する者を、後ろ指で差してきたのが今の社会。
またその自由の権利を行使できず、呪縛に苛まれている人も多い。
駄目なことにNOと言えることは、本当に心地いいことなのだから。

卒業して社会に出て、きっと理不尽なことが山ほどあると思う。
しかしそこに流されない心の自由こそ、明るい未来をつくっていけると思う。
心の良心のままに表現することこそ、未来を明るくしていけれるのだから。

その一歩をデモで学んでいるように感じた。いいデモでした。そして次回にも期待したい。
老いた者たちは、若者たちにつづくほうが相応しい。
久しぶりの感動でした。。

一歩一歩、良い感じ!

 今日は我が家の”裏の畑”の紹介。。

いま私たちが手をかけているのは畑が3ヶ所に、田圃が一ヶ所。
そのなかで私が担当している”裏の畑”の様子。
無農薬・無化学肥料・不耕起の自然農ですが、私流でやっています。
私流の最も大切にしている基本は・・、『活かす(生かす)』こと、そして『循環する』を心としています。

左はヤーコン。ヤーコンは手が掛からず、しかも無肥料でスクスク!
私たち向きです
その奧の左が生姜ゾーン。右がミョウガのゾーン。
この辺りは土の保湿のために、現場で出るノコ屑を敷いています。これは私たちの家づくりとの循環を図った試み。焼いて捨てられるノコ屑を、『農』に利用していって、より良き循環の流れを図ります。農は農だけの狭い世界ではなく、住との繋がりによって、より良くなっていく。うまい事に、保湿とともに、イイ草抑えになっていて調和がとれているようです。
そしてそのミョウガや生姜のあいだに、ヒマワリ!?
これは出来るだけ、その地からはえてくる植物を活かしたもの。だって引っこ抜くのが可哀想だもの。でもコレが適度な日陰をつくって、ミョウガや生姜には丁度良いのです
ねっ、活かす事で、うまくいく

 
 
 
 

今は、キューリやオクラ、大丸冬瓜、サツマイモ、モロヘイヤ、アスパラ、ネギやズッキーニがイイ感じに成長しています!ズッキーニは、無肥料でよく育つ!今のお野菜の乏しい時期に、溢れるような実りをつけてくれるズッキーニに感謝です
これら種を撒いて育てているお野菜以外に、野良ばえで出てきた野菜たちが、なんと言ってもスゴイ!

 

(左)ニンジンも勝手に出てくるから種を撒かずにOK!通り道にも出てくるから、そこはニンジンをまたいで通行
(右)トマトも、自分で種を撒いたものは、さっぱり・・。寒さや天候で種が発芽しないのです。しかし自然に出てくるものは、ベストタイミングで出てくる!ずっと丈夫でずっとしっかりしたトマトが勝手に出てくるんだから〜。。

 

(左)勢いのよいカボチャが枝豆を浸蝕中!(右)カボチャが他の野菜ゾーンにツルを伸ばしているところ(汗・・)
この勢いのよいカボチャや枝豆も、すべて勝手に這えてきた野良ばえ達です。種を撒いたものは、芽が出はしますが、この勝手に出てくるカボチャに比べてると、ぜんぜん貧弱・・。
すべて、『活かす(生かす)』という思想のもとで、生かされたカボチャたちです。たくさんの実りが心待ちです。。

 

(左)ゴーヤに(右)サツマイモだって、野良ばえです
ゴーヤは種を撒いても、出てこない事の方が多いのに・・・。畑のあちこちでゴーヤがこうやって大きくなりつつあります。ありがたい!サツマイモだって、苗を買わずとも、芋から出た芽が、こんなに
 

   

(左)茄子は、すっかり勝手ばえの紫蘇に覆われてしまいました(苦笑)。。
でも紫蘇が木陰をつくってくれて、茄子もその合間で、うまくやっている様子。紫蘇も採り放題で買う必要もなく、いつもたくさんの恵みを頂いています。(市販の紫蘇は、たくさんの薬を使うとか)
(右)ミョウガの合間で、タワーのようになっているのが山芋。これも勝手ばえ。以前の持ち主さんが育てていた山芋の種が地中に残っているのです。あちこち出ていて、引っこ抜かずに、これも生かします。ツルを巻く竹だけ立ててあげて、今ではミョウガたちに適度な木陰を提供して調和しています。

 

(左)昨年、あまりにも小さすぎたジャガイモたちが今年は大きくなってあちこちで勝手ばえ。これも生かします。ジャガイモは植えてなかったのでとても大助かり!
(右)オクラの間に、野良ばえ冬瓜!
冬瓜大好きの私は、せっせっと冬瓜の種まきをしたけど育ちがぜんぜんで諦め気味だったのに!
ハハハ、勝手ばえがドンドンやってくれている!最初はカボチャだと思って「さすがにこんなにカボチャはいらない」って引っこ抜いていたのに(笑)!念じたら実際にやってくるのが植物界。ありがとう〜

 

(左)インゲンも勝手ばえです。(右)ツルムラサキも同じく。梅干しに重宝した赤紫蘇も勝手にですもう本当におかしいぐらいに、みんな勝手に仕事をやってくれます
ただただ私はそれを生かすだけの人。。

しかし生かすためには・・、十分に自然を観察し、常に変わりゆく畑たちの様子、自然の様子に心をとめていなくてはいけません。草ボウボウの畑(できるかぎり草も生かす)のなかで、勝手ばえの芽吹きはいたる所にあります。あとは生かすために、ほんの少し手をかして草を掻き分けてあげるのです。
その芽吹きの時に、ガッ!と気づかずに刈ってしまったら終わり・・そこは大事。。

トウモロコシも立派でしょ!里芋やカボチャも尽きぬほどに、勝手ばえが出てきます。
こんなにあちこち勝手ばえが出るのは、できるだけ自然の姿のままで畑があるから。耕す畑では、こうはなりません。作物の収穫が終われば、作物たちはすぐさま撤収されて、命をつなぐための次へのステップが踏めないから。

植物たちは命を循環させるために花をつけ実をつけ、そして種を土に落とす。そして芽が出て・・という、この一連の自然の姿があってこそ命は循環します。だから私の畑では、この自然の『循環の法則』をたもつという事を最も基本としています。これは私が思想とする『活かす(生かす)』という事ともつながります。

あと、食べた後の野菜クズ台所のクズは、また畑に返すという事。決してゴミにして処分はしません。これも『循環』のひとつ。。
それも出来るだけ一ヶ所にまとめず、畑のあちこちに分散させてばらまきます。最初は、未成熟な野菜クズを畑に戻すのは良くないと聞き、それで一ヶ所にまとめて堆肥場を作ったのですが、なんか違う感じ・・とインスピレーション。
自然界で有機の物(野菜くず)が一ヶ所に集まるナンテことはない訳で。自然の実りが、地面に落ちて、そこで肥料となり種となっていく様に、その姿をまねて私流のばらまき作戦に変更!

ばらまいた野菜くずは、一ヶ所にまとめないので、鳥がやってきて鳥たちも喜んでいる様子。鳥たちの命も生かすです。。これが自然の姿。そして野菜クズは土の肥料にもなりつつ種を残します。今年の畑の実り(勝手ばえ)は、こうやってイイ感じに。まさに私の理想に近づきつつあります

人が人為的に多くのことをしなくても循環していく方法。
『活かす(生かす)』ことで、私たち自身が生かされるようになっている。
それがこの世の素晴らしい全てのことに通じる仕組み

畑のなかで、そんな自然の法則、宇宙の法則を感じつつ、ひとり心ときめかせながら楽しんでいる毎日です。。
そこが楽しいのです!すべての事に通じる悟りの世界があるから。瞑想と同じです。。

そして今年は、こんな植物たちも仲間入りです

 

トロロアオイと言って、紙漉の糊材として使われる植物。昨年、紙漉のみーちゃんから種をわけて頂いたもの。オクラと親戚です。このトロロアオイの花がとても美味しい!実も食べられないか、ちょっと期待しています

あと今年は無農薬で綿も挑戦します!コットンの世界は、農薬漬けの栽培が一般的だそうですから、まずはやってみます!

そして雑穀も、挑戦!うまくいくか楽しみ!
また新たな気づきが頂けますように。。

職人若者衆の集い!

今月の24日(日)に第1回職人若者衆のつどいをしようと思っています。
興味のある職人たちぜひ参加しませんか〜!

今の住の現状をお互いに話し合い、それぞれの持ち場の問題点などを情報として共有して知っていく事が若い私たちには大切かと思います。現状は、自分の持ち場の問題は理解していたとしても、他の職人達の現状というものを知る事は少ないのではないでしょうか?
そのうえで自分達のこれから先のビジョンというもの、物づくりをする者としてしっかりとイメージし持ちながら、出来ることをやっていかなければいけないと思ってます。
まずはそのための足がかりの一歩として集まれればと思っています。まだ会の進行方法や中味などは決めてなく、その場で決めて「どんな会にしていこうか」と思っています。
まずは行き当たりバッタリ的ですが第一回を行います。
一つは、問題を共有する。
一つは、問題の根っこを探る。
一つは、そのための解決方法を探る。
一つは、そのための動きをイメージする。
です。
日々の仕事に追われて一日がただ終わっていく物づくりの現場。ややもすると今の社会の流れを全く知らずに終わってしまいます。だからこそ、常に問題意識を感じ、自分自身の仕事として何が出来るかを見つめる事が大切ではないでしょうか。衣食住の『住』は社会の暮らしの根っこに関わっていく重要な仕事です!そういう立ち位置にいるのが物づくりをする職人たちです。。
今後、互いに精進し、切磋詫間できる集まりになればと思います。
ひとまず、興味のあるこれからの未来を担う職人たち集まりましょう〜!
                呼びかけ人 橋詰飛香&徳永英治

◎7月24日、日曜日13時〜(3時間ほど予定)
◎場所:AASTUDIO (今治市鯉池町)
※駐車スペースが限られておりますので、乗り合わせ可能であればお願いします。
 駐車オーバーの場合は、近く川原の土手に停める事が可能ですので到着後案内します。
◎参加希望の方は、ご一報頂けるとありがたいです。