2012.02.22 Wednesday
家ともう一つ・・
『家』ができれば、あともう一つ欠くことのできないもの、それは『庭』です。。
字の如し、家と庭がセットであってこそ、そこに家庭が育まれるのです。
この頃、草むしりや掃除がたいへんだからとか虫が気持ち悪いからという理由で、庭をコンクリートで塗り固めてしまう家が多いです。なんだかそれはとっても悲しいこと。
確かに、住まいは家さえ出来上がってしまえば機能するところではありますが、やはり家はどこまでいっても人工物です。
庭をとおして虫や植物と付き合ったり、季節の移りかわりを感じたり、自然との関わり合いをもちます。潤いをもらったり、癒されたり、時には自然の神秘や感動をもらいます。子供たちにおいては生き物と触れあって、命というものを学んでいくのではないかと思います。それが家には出来ない庭の役目でもあります。
虫が嫌い、草が嫌い、土が嫌いと言っていたら、子供たちにも影響します。虫がいて、草木があって、土があってこそ、人間は生きることが出来るんですものね。。
そんな自然の尊さを身近で感じることができる場が、庭であります。
さてさて『つながる家+つなげる家』も家づくり同様の力をかけて庭づくりです。
庭づくり担当はいつもお願いをしている蒼園さん。そして私たちAASTUDIOも一緒にさせていただきます
蒼園のみきさんがいつもの担当。いつも笑いがたえない明るいみきさんですが、蒼園を背負ってたつ存在でもあります。蒼園さんは社長からスタッフ全員がみんな純粋に『お客様のため』の物づくりをしています。そこがAASTUDIOのお気に入りとなって御用達になっています。お金のあるなしに関わらず、まずはお客さんに精一杯喜んでもらいたいという気持ちで仕事ができる職人さんです。そのうえで設計者のイメージもしっかりと読みとってくれるので、私としては安心してお付き合いができるパートナーだと思っています。
蒼園さんとの仕事、いつも赤字ではないかと思うんですけど・・まったく手抜きがなく。どんな家づくりでも、やり甲斐をもって取り組んでくれます。言ってしまえば儲けベタなのでしょうが、私はお金よりまず気持や心がある職人さんたちと仕事がしたいので、蒼園さんは相応しいパートナーであります。
うちの家づくりをいつも心待ちに楽しみにしてくれていて、私たちも頼りにしています。
さて今回、庭は広いけど、予算は40万・・
40万と言っても、樹木は山ほど植えたいものがあります・・。
こういった時には、何かしらと良案が浮かぶものです。
解体屋さんの所に、家を解体した際にでてくる庭石を蒼園さんと一緒に貰いにいきました。どうぞご自由にと、山ほどある石をユニックをつかって出していきますが、石がありすぎて、思うように望みの石までは手が届かず・・ でもなんとか蒼園さんが石をゲットしてくれました。こういった事も施主さんのために労力を惜しまない庭屋さんです。
さてそれを使っての庭づくり
そして敷地を掘った際に出てきたゴロゴロした川石も有効利用することになりました。
建て主さんも助っ人にはいって、一緒に庭づくりをします。
たくさんある川石をつかって植栽の際に並べます。そうすると不思議、堅い表情だった境界線の際が柔らかい表情に
ちょっと手をかけてあげるだけで雰囲気がかわるから庭づくりは面白いです。コツコツやるだけで、雰囲気が見違えます。見違えたついでに道路際だけでなく、他の境界もしようと言うことになりました。
こちらは建て主さんご夫婦に任せて、遠目で見ておりましたが、夫婦関係がよく手に取るように見えて面白い こっそりと見ておりましたら結局最初から最後まで奥さんの方が石を並べる作業を全部やって、ご主人には譲らなかった
ハマル性格ですね
その間、設計者の私は、玄関アプローチづくりを。
こちらもお金がかからない方法で・・・とみきさんと思案した結果、蒼園さんところにある端が欠けてしまって商品価値のなくなってしまったレンガを有効利用して使おう〜と言うことに。
本来ゴミとなってしまう物だけど、これらを生かしてのアプローチづくり、こういうのが面白い。腕がなります。
レンガは端が欠けてしまっているので、全て小口を立てて使うという贅沢な使い方。
ゴミ同様の扱いだったからこそ?
丁寧に並べていきます。この丁寧さで、あとあとの仕上がりが変わるので、重要です。
「欠けたレンガを使うなんて欠陥住宅だわ」なんて言われてしまえばそこまでなんですけど、そこは信頼関係ができているからこそ出来ること。レンガ敷きに丸2日かかりました。
手間は掛かりましたが、どうです?いい感じの出来栄えでしょ
この”欠けたレンガ”が良かった!いえ、欠けたレンガでなくては出せない、使いこなされた表情が味として出ました〜
うちの庭づくりで使う石は、100年200年と使いこなされたような古石ばかりだから、その石と合わせるのにもこの欠けレンガが新品でない風合いを出してくれました。きっと今時の真新しい家では、こんな古石・欠けレンガなんて、汚くみえちゃうんでしょうけど・・昔ながらの家づくりの場合、この古石や欠けレンガの方が良い味になっちゃうんですよね。
そして玄関アプローチの段差に、ゴミとなるハズの解体現場の石たちが使われていきます。
蒼園さんが、ひとつひとつ個性のある石を調和させつつ階段をつくっていきます。
ある物をあるがままに合わせてつかっていく。
難しいけど、とっても楽しくやり甲斐があります。
さてさてあと少しで完成。
家づくりも楽しいけど、庭づくりも楽しい
さてどんな庭ができるか、お楽しみに!
みんなでお昼、和気藹々の一コマです。