こころひとつにして。。

 『ゆとりの家』の家づくりにあたって、職人さんと建て主さんの顔合わせかねて、職人さんたちの志気を高めるための夕食会を、建て主さんのご好意のもと設けていただくことになりました

やっぱり職人さんたちも仕事をはじめるにあたって「どんな建て主さんがこの家に住まうのかな?」「そこにはどんな想いがあるのかな?」って気になるところだと思います。時々現場で顔を見かけるにせよ、そこではお互いの想いを語りあうとまではいきませんから、前もって双方が顔をあわせておけばお互いを理解し、自然と話も弾むはず。
一般的な多くの現場ではこういった機会がないからこそ、職人さんたちは施主に声を掛けることさえ憚られ、何か一線を置いた関係に・・。私はそういった家づくりは好きではありません。
お互いの想いなどを共有しておくことは有意義なことですし、職人さんたちも建て主さんたちの家づくりへの想いを聞くか聞かないかでは、そこにかける想い仕事への熱意が異なってくるはず。
人はお互いに共感しあって共鳴しあって生きている生き物ですからね。そこに喜びがあると思うのです


っと言いつつ・・単に、橋詰が酒を飲みたいという噂もありますが

夕食会は、西渕工務店の松山オフィスを利用させていただく運びとなりました。
松山オフィスはAASTUDIOにて設計させていただいた建物でもあります。オープンキッチンや板間などがあってオフィスと言うより住宅という感じで設計してあって、お客様に木と土の『住まい』を体感していただける造りとなっています。(ぜひご覧あれ)
今回、台所の使い勝手など確認するにも良い機会でした。

さて、お料理の数々は、建て主さんと設計者で手をこめた物を用意。
出来あいのお弁当を準備したほうが断然楽なのですが、これから手間をかけて仕事していただく職人さんたちにそれは失礼。何事も、人にもとめる前に、自分自身の行動が大切。良い仕事をして欲しいけど、建て主さん自身が職人さんたちに対して手を抜くようでは始まりません。人にばかり求めて、自分は何もしないというのは理にかなわないのです。家づくりは想いのキャッチボール。いえ、家づくりにかぎらずこういった事って、日々の日常生活でよくあることだと思います。

建て主さんのご挨拶により夕食会が始まりました。
最初は口数すくない職人さんも飲むと陽気になって口が滑らかに。その頃を見計らって、出席者ひとりひとりに自己紹介や自分のしごとのことを話していただきました。職人さんたちのお話を直接聞くのは建て主さんも始めて。きっとこれから始まる家づくりにワクワクされたことでしょう

 

私設計者も設計者としての想いを伝えます。
職人さんにたいして。またそれを間接的に聞くことで建て主さんたちにも私たちの想いが伝わります。
時には建築業界の内情や、はたまた設計者への要望など、お酒が口を軽くしてくれて普段聞けない興味深いお話もたくさん出てきます。それもすべてOK!

こころひとつにして、さあ『ゆとりの家』家づくり、励みましょう

 





共同作業って、スゴイ馬力!

 移住予定地である神子の森に、田圃と畑をかりることになりました。
ホント神子の森の集落の人たちはイイ人ばかり。
ん〜これも総代さんの「若い者を村に引き入れたい」という力あってこそ
ますます好きになっていく集落

さてお借りした田圃は、我が家に新しく仲間入りとなった北野さんと、下の集落にお住まいで最近お近づきになってお米作りをしてみたいというhiroさんの二人が主になってやることになった。
お米づくり1年生のお二方に、お米づくり3年生の徳さんがサポートすることに。

まずは田圃に水をひく水路の掃除から。
もうしばらく使われていなかったようで、水路の入り口となる土管には土がつまって水が流れません・・
竹を伐って、その竹を土管のなかに差し込み、竹筒に土をふくませ取り除いていきます。それと同時に水路にたまった土や草も取り除いていきます。
予想以上に、土管のなかには土がつまっているようで土管の入り口・出口の両方から土を取り除けども、なかなか水が出てきません・・。長い竹が土管のなかに入りきっても、まだ出ない・・。
水路も土や草が除かれて、あとは水が流れるのみとなっているのに・・

はてな?と頭をかしげつつ、竹でさらにつついてみる。はたまた何か水が出ない仕掛けがあるのかと周辺を探ったりして。やきもきしつつも、しかしそれ以外に考えられることもなく・・、意を決してさらに竹でつついてみることに。

 

するとポコンといったような音がしたかと思うと、勢いよく水がながれはじめたのでした
男たちの喜ぶこと喜ぶこと
そう、小さい頃に砂山をつくって、あっちとこっちから穴を掘っていって互いが開通した時の喜びに似た、まるで子供のような喜びようです!

でも乾ききった水路の水が流れはじめるというのは、なんだかこれから始まる神子の森でのお米づくりでの喜びを彷彿させ、心がとても踊るのです
生きていくためにお米は欠かせないもの。お米と塩と少量の野菜があればどんなことがあっても生きてはいけます。そのお米を自らの手で生み出すということ。それは例えようのない喜びでもあるのです。

さて水路の水が流れはじめ、次なるは・・田圃の畦づくりです。
深水にてお米づくりをする予定なので今の畦をもう少し高めに築きます。
そして田圃のなかの周辺部に深い溝をつくって、水の通り道をつくってあげます。

男3人が揃うって、すごい馬力を発しますね
いつも徳さん一人の時とちがって、見る間に作業がすすんでいきます。男3人が集まれば、一人の力が倍増するみたい。一人がかりで3日超かかるものも、3人でやれば1日もかからない。
巧みに互いの連携プレーができあがって、またお互いに目に見えてはかどっていく光景に、さらにやる気がかかる様子。見ていて本当にたくましい限りです

女性陣たちは、男性陣たちの労をねぎらうための、愛情のこもったお昼とおやつを用意し、黄色い声援をあげます
力をつかう畦づくりの作業、男性の力はつくづくすごいな〜と実感。そしてそれを見守る女性の役割もとても重要ではありますね。

さて次回は、苗床をつくってお米の種をまく予定です。
今時は苗も農協でかってきますが。何事も買うことありきになると、本当の力がつきません。それに自分たちが生きるお米をつくっているという土台がゆらぎます。だから種をまいて苗も自分たちで育てます。さてさて一歩一歩が着実な一歩。楽しみですね

田圃しごとに加え、大きな畑も借りたので、こちらも何をつくろうかと皆で計画中です。
イノシシ、鹿、猿などの獣の被害もあるようなので、悩むところ。だけどひとまずやってみなきゃ!

この神子の森でのお米づくりや畑しごと、そしていずれは移住しての暮らしは、私たちがめざす共同体としての営みの一歩。
今は家族単位で、集落単位で、社会単位でそれぞれが個人個人に切り離されてしまった時代。
そんな今の社会システムとは逆行するかもしれないけど、お互いに助けあいながら子育てをしたり、生きていくための食を生産したり、互いをフォローしたりしていく。一人で出来ない取り組みだって、仲間がいればこそ実現できることだし。お互いの想いやビジョンを高くもって共有しつつ、実現していくために絶対的な力になるのはこの共同体としての力があってこそ
共同体として生きることが出来れば、子育てのためやお年寄りたちを施設に無駄にお金をつかって預ける必要はなくるだろうし、身体を悪くする食料をお金をつかって買う必要もなくなってくる。個人で出来ない事を行政が替わって介入するための費用も多くは必要なくなる。多くのことは互いに協力しあえば、出来ないことはほとんどなくなるだろうに。。

言い換えれば、昔あった共同体から私たちが個人化されて無力化されてきたのも、力をもたれると困る者がいたのかもしれない。個人の力など社会を変えるには無力であると思わされてきた私たち。結果、お金を持つものが権力を握り、大きな企業や権力者が思うように政治を影で動かしたりして、社会を自分たちの意のままで動かしてきたことが言える。原発然り、豊かであったはずの自然や環境が産業や経済活性化という名の下に壊されてきたことが全てを物語るように。。

力を合わせると、力は一人の時よりも確実に大きくなることが、身をもって感じられたところ。
一人で生きるより力を合わせて生きる方が断然力になる!そして何よりも喜びをお互いに分かちあったり、支えあったりというのは精神的にも豊かになるという事をとても感じる。。
支えたり、支えあったり。一人よりも二人、二人より三人、三人より・・。。
力も喜びも、二倍三倍になる。。
豊かさをもとめて、ただいま進行中です

地鎮祭。。

 『ゆとりの家』につづき、『風薫る家』も地鎮祭を執り行いました
天気予報では雨の予定だったにもかかわらず、やっぱりついている!
お天とさまも味方についてくれての地鎮祭となりました。
いつも地鎮祭は心があらたまります。
カタチではなく、やっぱり目に見えない世界で、私たちを見守っていてくれている存在=神さまがいると私は思うから。。
人間はひとりでは生きられない。他とのつながりがあって生かされている存在です。
『他』とは人間だけの狭い世界ではなく、土であったり、雨であったり、木々や草木や、そこらへんに何気にいる虫たちだったりします。また私たち人間が理解できない世界、まだ認識されていない世界で多くの万物がつながりあって働いていて、そのどれもが欠けてはいけないぐらいこの地球という世界は調和しているのです。
そんなまだ人間が未解明な知らない世界があるということを、先人たちは目に見えないから否定するのではなく敬ったのだと感じます。それを八百万の神といった表現で呼んだかもしれません。
そんな気持ちのあらわれが地鎮祭であったり、大地の目に見えない生き物たちにさえ、心つかったりしたのでしょう。。
だから地鎮祭では、心あらたまります。。
そんなつながりの大切さを感じるから。。

さて、今回の鍬入れの儀。
神事用の木で作られた鎌と鍬と鋤を忘れてしまって
これでは式にはならない〜

っと焦ると同時に
農的な暮らしをする私たちの車には、あたりまえのように鎌と鍬と鋤(スコップ)がいつものごとくありまして うまく出来ている!
神主さんは何ら問題ないとの事なので、それを使って鍬入れの儀となりました
なので、鍬入れの儀はなんだか、本格的

私設計者は、鎌(かま)で草刈の真似事を3回行います。
稲は昨年わたしたちが収穫した稲穂を準備しました。
そして『本物の鎌』で刈り取りました。

続いて、建て主さんは鍬(くわ)で盛砂をすき崩す真似事を3回行います。
なんだか祭壇にむかって『本物の鍬』をもって拝礼する姿は、ちょっとユーモラスです。
盛砂を崩す光景も、なんだか本当らしくて良い感じ

最後に、鋤ではないけどスコップで、棟梁が盛砂をすき直す真似事を3回行います。
ほほ、無事終了

神事用の木でできた鎌や鍬や鋤はないけど、これでOK!
神事は本来カタチではないから、毎日つかっている道具で心があればOKなのですね
神様は、それが神事用ではないからとはお怒りにはなりませんからね〜

なんだか心にのこる地鎮祭となりました。。

ひさびさのお花見。。

昨日は、AASTUDIOが今治に移住して以来、初のお花見をしました
一緒にお花見をしたのが、いつも庭づくりでたいへんお世話になっている蒼園さん。
蒼園のみきさんとは、もう数年も前からお花見を計画していたのですが、雨が降ったり、仕事が忙しかったりと、なかなか実現していませんでした。実は蒼園さんも、未だに会社ではお花見をしたことないという事なので、やっぱり何が何でも今年こそは!
菜種梅雨というのに、その日だけは最高のお天気!
しかも桜がもっとも満開な頃合です

前日から仕事はさて置きで、料理の仕込みです
蒼園さんチームも、同じく前日から燻製料理づくりを。
なんだか意気込みがちがいます
日ごろから仕事には手を抜かない、とことんまで手をいれる二社だからかな、こんなところに出ます

それぞれが持ち寄りで、こんなに豊かなお料理の数々
そしてAASTUDIOの新たな仲間、北野さんも男のパスタ料理を



豊かなメンバがあつまると、食も豊か
私たちはベジ料理中心で、旬のもの、山菜や野草などを料理して。
竹の子が欲しいなあ〜と思えば、ちょうどうまい具合に大量の竹の子がやって来たりして(前回ブログにて)。世の中はうまいこといっているなあ〜ナンテね。

蒼園さんの燻製の数々も最高でした
私は個人的に、卵とししゃもの燻製がGood!でした。
美味しい料理を前に、お酒もすすみます

 

仕事のことや、仕事以外のこと、いろいろと語り合って、ひとつになる感じ。
これがお酒の席というもの。
私も、お酒のおかげで、すっかり流暢に舌がすべって、ついつい熱弁。
その時は、かなりの量を飲んでいて・・
庭づくりのときも、心をひとつにして一緒に仕事をしますが、こうやって仕事以外の場でも心をひとつにする時間って大切ですね。これを機にまた一段と良い仕事が一緒にできそう。
いつまでも話し尽きないお花見となりました。

そして・・ちと飲みすぎた私は本日ダウン気味
久々のお花見、久々の二日酔いです。
まあ、たまにはいいかっ

豊か、豊か!

 先日の日曜日は大潮。
この時期、大潮といえば・・そう、ワカメ採りでしょう〜笑

前回もうすでに十分なぐらいにワカメのストックは冷凍庫に詰まったので、今回はいつもお世話になっている方々へのお裾分けのためと、AASTUDIOの仲間入りとなったK家の1年分のワカメ確保のため。
あと重要なのが・・K家の新居空き家改修のため、左官見習いのマーくんに助っ人で来てもらうお礼のために、マー君家の1年分のワカメ確保のために行ってきました。

海の幸は、無償でわたしたちを待ってくれています。ありがたい
大潮で今までになく潮も引いていたということもあって、ワカメは予想を超えた収穫量に。海の幸は、到底すべて採りきれるものではなく余りあるほどに私たちに無償で与えてくれます。
これもワカメが生きられる自然あってこそですね。

そんな収穫したてのワカメをさっそく小分けにして、友人たちや集落の人やお世話になっている方々にお裾分けをします。そして翌日は朝6時半に家を出発して、打ち合わせもあって内子の友人たちにワカメを持っていきました。
ほほ、すると・・
まるで物々交換をやっているよう
色んな物がかえってくる。
炭焼き職人さんからは、炭。農家の方からは野菜や卵。旬のタケノコ初採りまで!
ワカメが化けて帰ってきたみたい
とってもありがたい〜

なんだかとっても豊かな気持ちになります。
かえってきた物は、どれも自らの身体をつかって生み出された物たちばかりだから。
しかもそのどれをとっても貴重な無農薬での栽培だったり、手間をかけて生み出された物たちばかりだから。

豊かな物と豊かな物との交換。。
そこには語り尽くせないほどの豊かさがあります。
気持ちの豊かさや、人の暮らしの豊かさ、自然の豊かさ。

お金をつかって買えばいか程に?
邪道な問いに・・、それはお金では買えない、豊かさがあると確信をもって言えます。。
なんだかそんな豊かさに心が満たされた一日でした







移住計画進行中。。

 水面下で移住計画進行中です
今年にはいってからというもの物事が加速しているようです。
願うと叶う、思うとやって来る
恐ろしいぐらいのスピードであらゆることが展開していっている私たち。
ついていくのがやっとです

実は、AASTUDIOに新たな仲間が加わります。
AASTUDIOに・・というと、ちょっと微妙なニュアンスなんだけど・・
昔ながらの家づくりを一緒に広めていく同士・仲間といったほうが、シックリくる感じがします。
ずっともとめていた同職の仲間
価値観も同じで同世代。設計のほうもなんら問題もなくもうバリバリとできる方なのでホント私にとっては心強いかぎり。彼とは建築だけの事ではなく、私達のやっている農的なことや暮らしのこと全てを一緒になって今後やっていくことになります。
お米づくりや畑、味噌作り、旬の野草刈りなどなど、力をあわせて共に生きていくための仲間というわけ。循環型の豊かな暮らし・美しいビジョンを実現していくための、また仲間がひとり増えたという感じです。もうすでに同じ想いをもって動いている仲間もいます。それぞれ生きがいややり甲斐のある仕事、子供たち未来に遺していきたい仕事を身につけるため個々に修行にでています。その友人たちも、あと2、3年ほどで皆帰ってくる。。
一緒に集まって暮らしながら、助け合ったり、分かち合ったり、発信したり。
わくわくします

そんな構想が、我が家にあらたに加わることになったK夫婦の出現とともに、さらに扉が開かれ始めたようです そういえば麻美子さんがやって来たときも、私達にとっては今治の地に移住という大きな変革の扉がひらいた時でしたっけね。

 

彼らの引越し先として、私達がいずれ移住したいと思っている神子の森の集落がふさわしく、総代さんにも空き家をお世話していただくことになりました。
総代さんも神子の森の集落のためにも、今若い人にはいってきてもらうことが村のためにも必要不可欠だと言われています。あと5年もすれば高齢化により、草を刈ったり、水を管理したりなど、村そのものを維持していくための人手がなくなるなどの問題を抱えているからでもあります。
私達は草刈や水管理も村を維持するため共同体としての大切な作業と思っているから、それがたいへんだという気持ちはありません。むしろそういった共同体として支えながら生きるという事を見直していく時代のような気がしています。

不思議なことに扉が開かれはじめてからというもの、縁がつながるつながる。
やっぱり移住の時期がきたのかな。わくわく!

ここ神子の森の総代さん、私設の里山公園をつくっています。
自らで山から木を伐りだして広大な土地に遊歩道をつくったりして、集落内外を問わずみんなが楽しめる公園をつくろうと。炭焼き小屋も、まだ完成していないんだけどこれから一緒になって楽しめそう。山菜を根づかせたり、草木を植えたり。どんどんと私達にも積極的に活用をして欲しいと言ってくれているので、今後ここで林間学校のようなこともできたらもっと楽しいだろうなと友人たちと構想しています。子供たちが山菜をとったり、それを料理して食べたり、保存食をつくったり、自然のなかで学んだりできる場。そして暮らしのなかから知恵を学ぶ場をつくりたい。仲間もみな同じ構想をもちます。そんな構想にぴったりの場

私のほうは木と土の家づくりを広めていくための活動の場としても考えたい。親子そろって木と土の住まいを学んでいけれるといいな。仲間には左官さんもいるので、竈をつくったり、蔵をつくったりして、つくる過程のなかから木と土と自然そして暮らしを学んでいく。。
さっそく椎茸刈り体験を総代さんにさせていただきました。
みんなで支えあってすれば、きっと素敵な森になりそう

念願の地、神子の森へ。
この美しい景色のなか、豊かな暮らしを発信していきたい。
私達のための良い空き家がみつかりますように。
春の生き物達の躍動感とともに、理想の住まいが見つかるという確信がしています。。
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