温熱調査。。

温熱調査のその後です。。
夏の暑さをしのぐ事として、エアコンや家のつくりだけにかぎらず住まい手さん自身の暮らし方に大きなヒントがあります。昔の先人たちも打ち水をしたり簾をさげたりと夏は涼をえるための工夫をして暮らしてきましたからね
今回の温熱調査は、気温や湿度といった数字だけでは現れてこないそういった暑さをしのぐための暮らしの工夫もふくめて拾い集める調査となっています。
『新居浜の家』の建て主さんも、いたるところで夏の暑さをしのぐ工夫をされていました。

まずは、南のデッキ。
デッキというのは靴をはかずとも室内から簡単に出入りできて楽しめる皆さん憧れの屋外空間ではありますが・・、夏は暑い!というのをご存知でしょうか。
太陽のお日さんがあたってその照り返しが室内にはいってくるのです

放射温度計で表面温度をはかってみます。
なんと56.0℃!
この照り返しによる輻射熱が室内にはいってきます。たとえ室内の気温が低くても、この輻射熱による暑さの影響を室内はうけることになります。そこで建て主さんがされていたことは・・

 

陽射しが厳しい日中は雨戸を閉めるということ
これによって外からの輻射熱を遮ろうということです。
夏なのに雨戸を閉めるの??と思われるかもしれませんが、夏を涼しく過ごされている方々の多くには日中は窓を閉める方、窓を閉めるというより陽射しを遮るために障子を閉めたり雨戸を閉めたりなどの工夫をされている方が多いです。

確かに雨戸を開けたときと、雨戸をしめたときでは、室内のヒンヤリさ加減が違います。
雨戸をあけているとお日さんの照り返しを肌に感じましたが、雨戸をしめるとその照り返しがまったく感じられなくなるのです。夏場は確かに雨戸をしめたほうが、ホッとしますね〜
放射温度計で測ると、雨戸の表側と裏側では5度の温度差がありました。5度の温度差は、かなりの違いとなって感じられますよね。
こう書くと窓を閉め切って暑そうだな〜と思われるかもしれませんが、北面の窓や、他の日射に影響されない窓はすべて開けておられました。北側からは冷えた涼しい風がはいってくるのです。
室内の平均温度は29℃〜31℃ぐらいかな。だから過ごしやすい。

ちなみに北側の日陰の地面の温度は26℃〜28℃ほど。それに対して南側の日向の地面の温度は40℃〜50℃です。だからデッキがなくても南面は地面からの照り返しがあってやっぱり暑いのですよね
北側の冷えた空気を取り込む、これは涼しく暮らしていくための知恵ですね。

すこし草をはやしているのも、草があるほうが温度が低いのでもあります。
今回、放射温度計で表面温度をはかって数値的に理解をしましたが、そんなことをしなくても涼しく快適に暮らそうと住まい手さん自身が感覚のアンテナを働かせて工夫していることはちゃんと結果になってあわられているという証拠にもなりました。

2階も放射温度計をつかってあちこちを測定してもらいました。
やはり2階南面の部屋は暑いです。原因としては1階の庇ともなっている瓦屋根からの輻射熱でもありました。

  

やっぱりここでも日中は窓をしめてブラインドを下ろされている様子。軒は深く出ているのですが、下からの照り返しによる輻射熱は盲点です。夏は輻射熱対策が暑さしのぎには重要ということを感じました。窓の外に簾をたらすともう少し輻射熱が和らぐかと感じた次第です。

あと住まい手さんの工夫としては西日除けに、こんな素敵な日よけを
窓の外には格子が密にはいっているのですが、その格子越しにはいってくる陽射しよけに、古布を利用してインテリア兼用での日よけ。

 

光がすこし透けて古布の色や柄が色とりどりに美しく映し出されていました。
これは見た目と必要とされる効果をうまく兼ね備えた工夫。グッドアイデア賞を差し上げたいぐらいでした

その他、打ち水や簾をたらしたりしながら夏の暑さをしのいでいる様子が拝見できました。
私としても住みだしてからの住まい手さんの工夫や、夏の暑さによる住まいのあり方という事が学べて今回の温熱調査は良い勉強となりました。
次は我が家の温熱調査のようすです。。

古い建物が物語ってくれること。。

 いま、AASTUDIOに仲間入りする北野家のリフォームを手伝っています。
神子の森に古い空き家をかりることになり、傷んだ所を修理しているのです。古い昔ながらの家ですが、しっかりと木が組まれた立派な民家・・という訳ではなく、あまり差し物や組み物もなく、一般的に安価によく造られたざっくりとした民家です。こういった民家の修理は、いろいろな発見があって面白いです。
さっそく・・土壁を落とすと・・

竹小舞はちょっと一手間かけた『千鳥掛け』がされているのを発見!
全体的に建物のつくりは手間を抜いた造りにも関わらず、縄は『千鳥掛け』がされているから驚き。
壁土だってあまり寝かせた様子はなく、藁スサを足してすぐに塗りつけたという塩梅。なのに縄の掻き方は少し手の入った『千鳥掛け』なのです。
今の時代は簡単に巻ける『螺旋巻き』が愛媛では主流です。(AASTUDIOは違いますが)でもこの比較的ざっくりした安価な家づくりにも『千鳥掛け』が普通にされていたという事は、やっぱりそこに職人たちも良さを感じていたからなのでしょうか。

面白いでしょ。。
すでにこの世にいない職人さんたちの仕事を目の前でみることがこうやって出来るから。
どんな考えで、どんな仕事をしたのか・・
私の関心事はそこですが、遺された仕事からはそれを見ることができるのです。
職人さんたちとしては死んでからも、自分たちの仕事を見られて「この職人は手を抜いたな、この職人の仕事は粗末だな」とか言われるんだから、たまったものではありませんよね
だからこそやっぱり恥ずかしくない仕事を遺したいもの

間渡しが入れられ、竹小舞の掻き方、縄の巻き方、縄の締め方(結び方)は、今とまったく同じ方法で仕事がされていました。そこに、今やっている私たちの昔ながらの家づくりが、しっかりと昔とつながって、今にあることを感じるのでした でも違う点として、タテには割り竹ではなく女竹が使われていた点、何か理由があるハズ。また左官さんに聞いてみようと思います。

 

そして落とした壁土に水を加えると、また荒壁土にもどります。そして再度、壁に塗ります。小舞竹だって土壁のなかに埋まっていたものは、まったく健全な状態であり再び利用できます。
こうやって土壁は何度も何度も再生できる壁。すごい〜 これ以上にエコな素材などないよな〜と感じるのです

さて、こちらは・・?
実は徳さんの機織工房です。
田植えや畑の新規開墾、梅雨もあったりと今年に入ってなかなか手を付けられなかった工房の修理。そろそろお尻に火がついて修理に取り掛かったという訳です。

建物は、もともと学校として利用していた建物を移築し、集会所として村が利用していたもの。
どことなく洋風さを感じさせるつくり。木造ではありますが柱や梁も見えず、土壁はまったくついていません。壁の中には土壁もなく、断熱材もなく、過酷そう・・
まあ一時的な集会の場であったから、これでも良かったのかな。

室内側・室外側ともに大壁づくりで柱や構造材がまったくみえない造りです。それがどことなく洋風さを感じさせる理由でもあります。この時代あたりから大壁づくりが流行ってきたとも言えます。
しかし・・大壁づくりの弱点、傷みが見えないつくり
だからこの通り・・・

柱が隠され、木と木がペッタリと引っ付いていた部分の隙間は、シロアリさんにとっては絶好の隠れ場所
柱左側の灰色部分の柱が露出していた部分は、シロアリ被害なし。
柱右側の白木色の柱が隠れていた部分は、シロアリ被害あり。
柱が隠れた部分を利用して、シロアリはどんどん上にあがっていき、柱や梁を食害したのでした

柱や梁が常に風や光に晒されているということは、シロアリや湿気を寄せ付けない、建物を長持ちさせるための智恵のひとつ。昔ながらの真壁づくりは、先人たちの意味があって出来たカタチであるということがよく分かります。
ねっ ここでも先人たちの長く安心して住まっていくための智恵の一つがあるでしょう。。
ひとつひとつの智恵の結晶が、昔ながらにあった家なのです。

時を経た古い建物たちは、私たちにいろいろと教えてくれるでした

ただいま枠取り付け中〜。
外壁張り、お手伝いしに来てください〜

こんな暑い時期に・・?

 遅ればせながら我が家の必須アイテム、薪ストーブの大掃除をおこないました。
わざわざ、こんな暑い時にしなくても・・と言う声が聞こえてきそう
そう、良い子の皆さんはぜひ梅雨入り前には掃除をしてくださいね。
そのほうがストーブの大敵である湿気を招かないですから

さてさて、ついつい後回しになってしまったストーブの掃除。もちろんこの時期の日中の瓦の温度は50度をこえます。これでは足の裏が火傷してしまいますので、曇り空で涼しい日に決行しました
まずは煙突のすす掃除。

我が家は平屋部分に煙突がついているので、二階の寝室より簡単に屋根に出ることができます。
煙突のメンテナンスのためには、平屋部分に煙突があるほうがとっても便利ですね〜。
まあ、そう思いながらも・・実際の設計では、動線や間取りの関係から、なかなか難しかったりします。(でも可能であればそう出来ると便利ですよ。)
煙突のトップは、工具無しで簡単に外すことが出来ます。

わっ!いっぱい煤がついていますね
我が家は、杉材やヒノキ材をよく燃やすのでね。しかも中にはあまり乾燥されていない材もありますから、この通り。怯えることなかれ。ちゃんと掃除すれば問題ないです

先がタワシのようになったワイヤブラシを煙突に差し込み、ゴシゴシ上下にこするようにしながら連結ワイヤで下ろしていきます。連結ワイヤは1mごと連結できるようになっており、つないで下ろしていきます。そんなに難しくない力のいらない、女性の私でも簡単にできる作業です

 

足場が悪いので、足元だけ注意しながらの作業です。
ワイヤブラシが下まで到達すれば終了。ワイヤを引き上げて、トップに溜まった煤を庭先で落として完了です
ここまでの作業10分から15分程度です。屋根の上の作業はこれで終了。

次に、ストーブ本体の掃除です。
さっき落とした煤が、ストーブの燃焼室にゴッサリ落ちてきています。これは後でストーブに火をいれて燃やせば結構です。その前に、ブラシが届かなかった煙突の付け根に煤が残っているので、ここを掃除。
我が家のピキャンは燃焼室から手をいれて煙突の付け根のところを直接手で掃除できます。
実は煙突を外すのが面倒なので、直に手でこそぎ採る作戦です。まあ、この方が室内に煤がもれるおそれがなく済みます。この手のストーブタイプはシンプルなつくりなので、二次燃焼のための装置がついていない分、それが容易にできるのです。手は汚れますけど

そこが終了すると今度は、クックストーブならではのオーブンにつながった煙道を掃除します。この手のストーブは、オーブンに熱気を伝えるために壁内が二重構造となっていて、煙突同様にそこにも煤がたまるのです。シーズン中は、オーブン内の底蓋をあけて、簡単に煤を取り出せるつくりになっていますが、今回は大掃除なのでこの二重構造の煙道も掃除します。

ここはちょっと面倒で、二重構造の煙道の入り口や出口から小さなワイヤブラシを差し込んで、ゴシゴシします。手ごろなブラシがなく、今はホームセンターで売っていた配管用のブラシで掃除しています。

わっ、こちらもごっそり出てきました
ここが詰まると、オーブンの温度が上がらなくなります。
写真は、二重構造の煙道を掃除する前の、底に溜まっていた煤。
二重構造の煙道を掃除すると、新聞紙の上に載りきらないぐらいの煤の量になってしまいました
でも、煤が落ちて綺麗になったと思うと、気持ちがいいもんです
これらの煤は、すべて燃焼室にいれておきます。

次に、天板や扉や正面など錆付いた部分を少し水をつけて金タワシでゴシゴシとこすります。錆は案外、これで簡単にとれます。錆が嫌で塗装したりも出来るみたいですが、黒い塗装をしなおすと、そこだけが質感が異なった感じになって逆に違和感が出て、私は汚く見えます。
この金タワシだけでの掃除ですませて、適度な使用感のなかに使い古されていく美しさのような感じが薪ストーブにはお似合いです

ねっ、いい感じでしょ。これでほぼ終了。あとは燃焼室に放りこんだ煤を燃やします。

同時に、さっき水で濡らして掃除した水分もしっかりと蒸発させます。
煤が燃え尽き、一日経ってから、燃焼室内部の灰を捨てます。
そして扉のガラスを掃除してシーズンオフの大掃除はこれで終了です。。
これでシーズンを待つのみ
今から冬が楽しみ!

どうです?面倒?たいへん??
そんなことを言っている方は、薪ストーブライフは不向きかもしれませんよ〜
ちなみに専門の方に掃除を依頼すると、2万5千円ぐらいだそうです。

思い出のこる土塗り、『裏返し塗り』。。

 お盆もあけて、この3週間乾燥中だった『ゆとりの家』の荒壁もすっかり乾燥しました。今度は、グニュと出て固まったこの表塗りの裏側に、裏返しが食いついていくことになります。食いつきが良さそうです。またこのしっかりと乾燥した表塗りに裏返しをすることで、裏返しの水分が表塗りに吸い込まれ、次の乾燥は少し早くなるとか。

そしてまたまた泥臭い薫りでも私はすっかり鼻がなれしまって、最近はあまりこの泥の匂いを感じません。左官さんもそうみたい。ご近所さんに聞くと、塗ってから4日ほどは匂いが漂っていたということでしたので、完全に乾燥しきるまで匂いがあるという訳ではなさそうです。しばらくまたご近所さんにご迷惑をかけつつの裏返し塗りとなります。まあ、ご迷惑と言っても身体に害のある揮発性の化学物質を撒き散らすような吹付工事とは違いますのでね

この日はしばらくぶりの作業とあって、建て主さんも現場に来られて、職人さんに飲み物やお菓子をふるまっていました。
そこで・・家づくりの貴重な機会なので土塗り体験をしていただくことに
そう、あの職人さんたちが生クリームを塗るかのようにスイスイと塗り上げていく土塗りを、ぜひ体感してほしい

子供さんもやる気満々!まずは親方に見本と指導をしてもらって、では 
スイスイ〜


のハズが・・、ボタ・・ボタ・・



手板の上に載せられた泥を、コテの上に載せ替えることも出来ないまま、泥は床に落ちてしまいます・・ 泥は壁に塗りつけられるより、床に塗りつけられる、といった感じ、笑いが止まりません

見るのとやるのとでは大違い!
しかも泥を載せた手板が重たくて、手板を持っていることさえ出来ない様に

 

ははは〜ん、おかしいなあ。職人さんはあんなにスイスイと生クリームを塗るかのように軽々と塗っているのに 
もう一度、職人さんの作業の様子を観察する建て主親子。。

「すごいいい〜!!!」
「みてみて、あんなに一度にたくさんの泥をつけているよ〜!!」
自分たちでやってみると、それまで何気に見ていた職人さんたちの仕事が、感動をもって理解できます 何事も体験してみるべし

さあ、ママと再チャレンジ



 

なんだかとっても楽しかったみたいで、二人とも「めちゃめちゃ楽しい〜!」の歓声をあげながら、壁塗りを体感していきます。
これで職人さんのたいへんさも実感できたので、きっとこれからは左官さんの見方が変わってくるでしょう。そして何より自分たちの家づくりに関われたことは、きっとずっと心に残る良い思い出になったのではないかな。

なんだか微笑ましい光景に。嬉しくなります。
最後に記念に記して、壁塗り体験終了

夏休みの宿題の日記に、さっそく書くみたい
どんな日記になったか、また見せて欲しいな〜。。
思い出にのこる楽しい壁塗り体験となりました 矢野さんありがとう。。

夏野菜。。

我が家のお野菜たちです〜
どうです。無農薬・無肥料栽培だけど、イイ感じに出来ているでしょ。
今年はキューリが次から次へと出来ます

採っても採ってもキューリができるから、冷蔵庫はキューリでいっぱいに!
もちろん日々、キューリばっかり食です

 

キューリは3品種つくっています。いぼいぼが特徴の『四葉胡瓜』。白いキューリの『相模半白胡瓜』。煮物向きの太いキューリの『加賀太胡瓜』。
上写真のウリのようなものは『ソーメンかぼちゃ』です。今年はじめて育ててみましたが勢力旺盛で、なんと一株から9個ものソーメンかぼちゃが出来ました。我が家に遊びにくる友人たちにひとつひとつお裾分けされていきました。オクラも今年はよく実ってくれましたね〜。
でもそろそろオクラとキューリは終盤です

こちらはササゲ。インゲン豆を長くしたようなもの。長さが40cm〜60cmほどになります。
こちらも鈴なり、勢力旺盛
インゲン育てるより、かなり効率がいいです〜。種採りをして、我が家の定番にしよう〜。

 

お味のほうはと言うと・・、かなり美味しすぎです!
塩・こしょう・醤油だけなのに、お豆さんが甘い〜
インゲンなどの豆類は、採ってすぐに調理することで甘みが際立つんだって。


『ササゲのぺペロン風』
ほんとほとんど塩だけなんだけどあまい〜!
レシピコーナーに伝道入り決定です!


そして今年もっとも力をいれている(つもりの)、トマトはというと・・

がーんん かなぶん達に食べられてます〜 
カラスにも食べられました
しかもカルシウム不足らしく、全体的に『尻腐れ病』となって腐っていってます
仕方なく・・冬に牡蠣を採りにいって食べた後、何かの時にと思って殻を焼いておいた貝灰を補いました。でももう手遅れ気味〜
水分不足で土のなかのカルシウムの吸収ができなくなる『尻腐れ病』ですが、乾燥を防ぐためにしっかりと足元に敷き草をしてあげた方がよいみたい。私は乾燥したお国で育つトマトなので、足元は乾燥気味にしたほうが良いだろうと草を掻き分けて、わざと乾燥するようにしてしまったのです。それがあだとなった訳。来年は貝灰をいれて敷き草をしてトライですね。失敗の積み重ねでお野菜さんたちを知っていく機会に。一年一年のこういった積み重ねが楽しいお野菜栽培です。

でもなんだかんだとこんなに収穫が
保存用のトマトソースを作るだけの量はとても無理そうですが、パスタ料理にマリネなど、自家用でしばらくは楽しめそうです。ありがたいことですね。

そして・・我が家の裏の畑。
野良ばえ冬瓜や野良ばえ瓢箪かぼちゃを野放しにしていたら、すごい事になってます
占領され尽くされています
はっきり言って足の踏み場がないです
でもこれからキューリが終わっていく時期、冬瓜たちがキューリに変わる我が家の貴重な主食になってくれます。

 

畑のあちこちでゴロゴロと白い物体。これが冬瓜。デカイです!
サラダに煮物や汁ものの具材として何にでも利用できます。しかも来年まで保存がきくのでそれが一番ありがたいことです。お野菜不足の時に、あれば助かる冬瓜は私の大好物〜
さて、こんな我が家の畑もそろそろ秋野菜の準備をしなければいけない時期にはいってきました。
暇をみつけつつ・・

木と土の昔ながらの家づくり温熱調査。。

 

木の家ネットで木と土の伝統的な構法での住まいの温熱調査をすることになり、本格的な伝統構法の『新居浜の家』と、昭和40年代初期に建てられた比較的安普請の一般的な住宅であった木と土の家『AASTUDIOの我が家』も温熱調査に加わることにしました。

そもそも木の家ネットが温熱調査をすることになった経緯は、これからお国が施行しようとしている改正省エネ法に問題があるからでもあります。
3.11の福島原発事故を機に、世の中は出来る限り電気を使わないこと省エネルギーが求められる機運が高まってきました。それ自体はとっても喜ばしいことであり、私たちが勧めてきた昔ながらの家づくり自体も、自然に寄り添いながら暮らすことのできるもっとも省エネルギーな家であることを自負しているからでもありました

しかし!国の政策として今回改正される省エネ法は、一辺倒に建築の断熱化をはからせて断熱義務化させるものであります。建築の断熱化によって冷暖房設備機器の効率をはかって電気節約に勤めさせるといった志向であります。この悪法によって実質的には伝統的な構法での家づくりは実現が難しくなります
土壁だけだった壁には分厚い断熱材を入れなくてはいけませんし、建具屋さんがつくる木の建具もペアガラス入りの断熱サッシにしなくてはいけなくなります

木と土の昔ながらの家づくりは、冷暖房に出来るかぎり頼らない住まいです。夏は自然の風を招きいれ、土や木や草の吸放質性によって夏も暑いながらに比較的冷房をつけなくても心地よく暮らせる住まいでもあります。それを一辺倒に義務化・断熱化という国の政策により、伝統的な住まいがこれまた切り捨てられるという事になります。「建具屋さんはもう建具をつくるな」という事でもありますし、メーカー製品である断熱サッシや断熱材が今後よく売れるようになる事でしょう。お国的には経済刺激対策も期待しての二重効果といったところでしょうか
省エネルギーを良いうたい文句に、こんなひどい事をさせて良いのでしょうか!
そう、国民の多くはそんなことが進もうとしているとは露ぞ知らないまま、法の整備がすすめられ決まっていきつつあります。原発しかり、国民には聞こえの良いように言っておいて、何か大切なことが切り捨てられていっている国のやり方、問題が大有りです!

木の家ネットでは、今回の温熱調査を通じて、木と土の住まいで省エネルギーに暮らしている実態把握をしようということにあいなった訳でもあります。木と土の家は温度が比較的に高くても、冷房をつけずに過ごすことができると言われています。現に我が家は、この猛暑に扇風機をほとんどつけることなく大げさではなく気持ちよく過ごしています。何かそこに目に見えない、数字だけで評価できない実態があると思います。
建材でつくられた家にお邪魔すると10分も居れなくなります。不快感が強い住まいだからです。その点、木と土は暑くても不快感がないです。そういったこと一つで冷房に依存しなければいけない暮らしになるかが決まるようであります。
冷房に頼らなければいけない家にしておいて、断熱化を推し進めるのは対処療法にすぎず、省エネルギーとは言いがたい
ずっとずっとAASTUDIOは声を大にして言っています。

断熱化だけが省エネではありません。住まい手自身が涼しく暮らすことの工夫をし、冷暖房にできるかぎり頼らない暮らしを目指しているか、そんなひとりひとりの暮らしが本当は最も大切ではありませんか?

 

『新居浜の家』の建て主さんも、賛同してくれて温熱調査とあいなりました。さっそく機器を設置。居間と寝室と外部の三箇所測定。

同じくAASTUDIOの我が家も実測開始。
安普請の木と土の家と、本格的な伝統構法の家、どのような違いが?
この調査は冬にもおこなわれます。(きっと冬に違いが現れるのかな・・?)
今後、AASTUDIOで設計した家々を温熱調査にまわると面白いかも
報告は徐々にしますね〜

母なる大地の荒壁塗り。。

 『ゆとりの家』に荒壁土がはいってきました。やっぱり独特な匂いが漂います
藁が発酵した独特の匂い。藁が完全に分解され髪の毛のような繊維になるまで寝かせた熟成荒壁土でもある証拠です。ほら、無数の藁の繊維があるでしょ

これが土と土をしっかりとつなげて割れのこない壁にしていくのです。熟成させてまでの壁土は一般的にはあまり使われていません。でもこの荒壁が雨にも強く丈夫なのです。
熟成荒壁土のにおいは嗅ぎなれない、まるで豚糞のような匂いなので、工事前にはご近所にご挨拶をしています。でもまたあらためてご挨拶に。街中だと特に密集しているので、窓をあけて暮らされている人は匂いが気になります。時にクレームもあるみたいで関係者もそこは神経をつかいます。
でも吹付工事のように有機溶剤などの体に悪い化学物質をつかっている訳でもないのです。だから私は胸を張って「体に害のあるものではないです。田圃の泥の匂いです。」ということでお話をしています。
ただなかなか街中では土のにおいを嗅ぐこともなくなっている昨今、匂いそのものへの違和感があるようです。街中に行けば行くほど『お互い様』の意識も薄いので、難しく感じることも時にはありますね 
でも建て主さんがご近所との付き合いをうまくやってくれていればいるほど家づくりとご近所関係も上手くいきますね やっぱりここが何事も大事

hahaha、やっぱり見た目はウ○コのようです 失礼。。
この芳しい荒壁土を使って『表塗り』をします。まずはヨコ間渡し竹のある面を表として、こちらから塗りはじめると相場が決まっています。それはヨコ間渡し竹のある面は、その後に『貫伏せ』をおこなったりと2工程となるからでもあり、『表塗り』『裏返し』『貫伏せ』の基本3工程で荒壁が出来あがります。

『表塗り』がされて、貫だけが見えている様子。
3工程目の『貫伏せ』で貫が隠されることになりますが、貫があるために荒壁に割れが入りやすいのが表面でもあります。だから外部に絡む裏面は、貫の外側にタテ間渡し竹をもってくるのが鉄則となり、貫部分の割れから雨漏りがしないための左官の智恵のひとつと言えます。う〜ん、ここにもより良い家づくりのための智恵が 家づくりすべてが智恵のかたまりだと言えるが、昔ながらの家づくり。ひとつひとつが幾世代もかけて試行錯誤のうえで磨き育まれてきた意味ある職人たちの仕事なのです
ここに惹かれて私たちの家づくりが昔ながらの家づくりに方向転換してきたのでもあります。

 

これが裏面。壁土がクグニュっと出て、竹小舞に食い付いています。
これで乾けばそう簡単には外れないはずです。そしてこのグニュっとはみ出した壁土に次回は『裏返し』のための壁土が食い付くようになるのです。

それにしても荒壁が塗られてくると、急に落ち着いて家らしくなってきます。
竹の凛とした空間から、柔らかく優しく包み込む空間に変わってきます。
不思議、、母なる大地の土のもつ力。。
それを感じます。

今までの時代は目に見えるもの(理論的なもの)に評価をおいてきた時代でした。見た目とか、デザインとか、数字とか。でもこれからの時代は目に見えないものに評価をおく時代にはいってきたことを強く感じます。時代が変わってきています。目に見えないところ、感じるところが評価される時代。

もちろんそのために人々も、目から入ってくる情報だけでなく、五感をつかって物事を評価していくことが問われていきます。目からはいった情報を頭で考えるというより、五感を使って自らのなかから沸いてくる感覚で判断するということ。
原発問題も然り。どうこう頭や理論で考えるより、「気持ちわるい。安らげない。なんか気持ち悪くてイヤや〜。」という生き物本来がもっているアンテナの方が正しい判断ができるのです。
理論で積み上げるのは限界があります。言語にするのにも限界が。感覚は、理論や言葉では表現しきれないほど高度で繊細だからです。この高度な能力を、言語や理論で説明できないからと切り捨ててはいけません。高度なゆえに我々の理解が追いついていないだけなのですから

家づくりも同じ。
アレコレと頭で考えるとキリがないことが山ほど出てきます。また目で見える情報など、本来の情報の数%程度しかないのです。本当はもっと生き物として「安心できるの?安らげるの?落ち着けるの?心地いいの?気持ちいいの?優しいの?」(・・・やっぱりここでも言語にすると限界があります)を感じることです!
大地の土がもつ力は、不思議な安堵感があります。そして包み込まれるような優しさとお母さんのような柔らかさを感じます。生き物として、土に育まれ、そして還っていく場所でもありますから、何か絶対的な安心感があるんですよね〜。
ぜひ土壁の住まい、目で見るのではなく、感じてみてください
ちなみに木には男性的なエネルギーを感じます。力強く雄々しい。守る力を。
いつも住まいには、母なる大地の女性のエネルギーと、木組みの力強い男性のエネルギーによって出来上がっているんだな〜と感じるところです。この二つのエネルギーが合わさって初めて住まいとなるんです。スゴイでしょ

五感は使っていくことで敏感になります。生き物として本来備わっている能力でもありますから。
ただし現代は頭や目ばかりを使っているので、そちらばかりに気をとられているのは間違いないですね。

さてこれでしばらく荒壁は乾燥です。風通しよくして、次回の『裏返し』まで2週間ほど小休止です

カラっと晴れて。。

 カラっと晴れた本格的な夏。
掃除が気持ちがいいです〜
お布団を干しても、中綿までしっかりと乾く感じで、お布団はふんわり。
あのジメジメした梅雨にたまった湿気を、一気に逃がしてしまいたい

梅雨明け後の恒例は、食品庫やお台所の大掃除となってます。
これが気持ちがいい〜。
自然の素材の物が多いので、木製品の表面にカビが浮いてきたり、木製品が湿気をふくんでしまったりすることも当然のようにあって、梅雨明けと同時に湿気退散の大掃除は重要となってきます。積もった埃が湿気を含んで、カビを呼び込んでくるんですよね。

保存食なども保存料をつかったりしている訳ではないので、梅雨時期に虫がわいてしまってないか確認が必要となってきます。乾物などもこの時期に干しなおして湿気を退散させます。

我が家の食品庫。階段下の物入れ空間を食品庫として利用しています。狭いながらにあると便利な空間。でも本当はもっと風通しの良い場所や気温が低い場所に食品庫が欲しい・・。こういった日々の暮らしが家づくりの設計に活かされていくことになっています。土間の食品庫が欲しいなあ〜

もうひとつ台所内に食品保管スペースがあります。こちらは常時つかう物を保管しています。見やすく取り出しやすく。これが大事!
食品保管は、しまいこんでしまうスタイルだと「アレ!こんな物があったのね」とついつい使わずに終わってしまうので。見やすく取り出しやすくがモットーであります。

平皿などの大きなお皿もこちらに保管。日々使うお野菜たちもこちらに。

家づくりにおいてもお台所の設計は楽しいですよ。
やはりお台所って、お料理をしたり掃除をしたり片づけをしたりする者でないと良い設計はできないと思いますね。
それぞれのお宅のお台所をのぞく時、そのお宅の食事情(加工食品ばかり食べているとか手づくりをする人かなど)や、創意工夫をされて使うタイプか、片付けの不得意、趣味嗜好などがよく分かります。お台所では嘘をつけないほど、その家族の生活スタイルが一番に現れやすい部分でもありますね だから楽しい

ひきつづき我が家のお台所を紹介したいと思います。。
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