2012.08.29 Wednesday
温熱調査。。
夏の暑さをしのぐ事として、エアコンや家のつくりだけにかぎらず住まい手さん自身の暮らし方に大きなヒントがあります。昔の先人たちも打ち水をしたり簾をさげたりと夏は涼をえるための工夫をして暮らしてきましたからね
今回の温熱調査は、気温や湿度といった数字だけでは現れてこないそういった暑さをしのぐための暮らしの工夫もふくめて拾い集める調査となっています。
『新居浜の家』の建て主さんも、いたるところで夏の暑さをしのぐ工夫をされていました。
まずは、南のデッキ。
デッキというのは靴をはかずとも室内から簡単に出入りできて楽しめる皆さん憧れの屋外空間ではありますが・・、夏は暑い!というのをご存知でしょうか。
太陽のお日さんがあたってその照り返しが室内にはいってくるのです
放射温度計で表面温度をはかってみます。
なんと56.0℃!
この照り返しによる輻射熱が室内にはいってきます。たとえ室内の気温が低くても、この輻射熱による暑さの影響を室内はうけることになります。そこで建て主さんがされていたことは・・
陽射しが厳しい日中は雨戸を閉めるということ
これによって外からの輻射熱を遮ろうということです。
夏なのに雨戸を閉めるの??と思われるかもしれませんが、夏を涼しく過ごされている方々の多くには日中は窓を閉める方、窓を閉めるというより陽射しを遮るために障子を閉めたり雨戸を閉めたりなどの工夫をされている方が多いです。
確かに雨戸を開けたときと、雨戸をしめたときでは、室内のヒンヤリさ加減が違います。
雨戸をあけているとお日さんの照り返しを肌に感じましたが、雨戸をしめるとその照り返しがまったく感じられなくなるのです。夏場は確かに雨戸をしめたほうが、ホッとしますね〜
放射温度計で測ると、雨戸の表側と裏側では5度の温度差がありました。5度の温度差は、かなりの違いとなって感じられますよね。
こう書くと窓を閉め切って暑そうだな〜と思われるかもしれませんが、北面の窓や、他の日射に影響されない窓はすべて開けておられました。北側からは冷えた涼しい風がはいってくるのです。
室内の平均温度は29℃〜31℃ぐらいかな。だから過ごしやすい。
ちなみに北側の日陰の地面の温度は26℃〜28℃ほど。それに対して南側の日向の地面の温度は40℃〜50℃です。だからデッキがなくても南面は地面からの照り返しがあってやっぱり暑いのですよね
北側の冷えた空気を取り込む、これは涼しく暮らしていくための知恵ですね。
すこし草をはやしているのも、草があるほうが温度が低いのでもあります。
今回、放射温度計で表面温度をはかって数値的に理解をしましたが、そんなことをしなくても涼しく快適に暮らそうと住まい手さん自身が感覚のアンテナを働かせて工夫していることはちゃんと結果になってあわられているという証拠にもなりました。
2階も放射温度計をつかってあちこちを測定してもらいました。
やはり2階南面の部屋は暑いです。原因としては1階の庇ともなっている瓦屋根からの輻射熱でもありました。
やっぱりここでも日中は窓をしめてブラインドを下ろされている様子。軒は深く出ているのですが、下からの照り返しによる輻射熱は盲点です。夏は輻射熱対策が暑さしのぎには重要ということを感じました。窓の外に簾をたらすともう少し輻射熱が和らぐかと感じた次第です。
あと住まい手さんの工夫としては西日除けに、こんな素敵な日よけを
窓の外には格子が密にはいっているのですが、その格子越しにはいってくる陽射しよけに、古布を利用してインテリア兼用での日よけ。
光がすこし透けて古布の色や柄が色とりどりに美しく映し出されていました。
これは見た目と必要とされる効果をうまく兼ね備えた工夫。グッドアイデア賞を差し上げたいぐらいでした
その他、打ち水や簾をたらしたりしながら夏の暑さをしのいでいる様子が拝見できました。
私としても住みだしてからの住まい手さんの工夫や、夏の暑さによる住まいのあり方という事が学べて今回の温熱調査は良い勉強となりました。
次は我が家の温熱調査のようすです。。