ここは雪国?

ここんところの寒さで奈良の木の家のリフォームはすっかり停滞気味汗
そんなところにこの今までにない大雪アンパンマン



奈良の木には踏み込むことさえも出来ず、Uターン汗
始めてこの南国で除雪車を見ました。あるんですね笑
この鈍川でこんなに雪が降ることはないと聞きました。



まさにこうなると陸の孤島です。
集落の人たちは家から出ずジッとしている様子。
雪に閉ざされた間、買い物にも行けませんし。
どうするんだろう。
イメージしたのは独りぐらしのお年寄りたち。
まだ集落に移住していないので、どの程度、独り暮らしのお年寄りがいるのかは分かりませんが、
こんな時、心細いですよね。。
頼りになれたらいいのですが。



4日後。今度は除雪車によって道路の雪も取り除かれ、奈良の木の家にたどり着けました。
辺りは雪国かあ、という感じ!
移住にあたって、少しの雪は覚悟していたのですが、これは想像しなかった・・!





勝手口には山テンコになった雪が行く先を塞いでいます・・。
バケツが雪で埋もれている汗
ひとまずあちこち点検。



雪の重みで屋根の瓦が落ちることもあるんですよね・・
ひとまず我が家は問題はなさそう。
それにしても雪かきを購入しなくては。



続いて神子の森にある工房に。。
こちらまだぜんぜん除雪がされてなくて、スタットレスでも後輪駆動の徳さんの車ではタイヤが空廻りして、あがるのも不安でしたが、なんとか。こちらも別世界。ますます雪国!
蜂の巣の雪を取り除いて、こちらもあちこち点検。





こういった雪ダレで瓦が落下するんですよね。
今年の雪は兎に角すごすぎ!
まるでどこか東北にでも旅行に来たかのような錯覚に陥ります。
旅行ならいいんですがね・・雪慣れしていないと機能ストップ。



ぜんぜん雪は溶ける気配なし。
今治の街の家のほうは、雪の気配が全くないのにね・・ここはすごいねえ・・。
う〜ん動けなくなっても大丈夫なように、移住後はますます薪と食糧の備蓄を考えなくては!
それと助け合える関係が大事ですね。。

 

自然の恵みを享受して。。



じゃ〜ん!恒例のヒジキ刈りに行ってきました海
これはその副産物。
この時期になると皆が「今年は行かないの?」と催促をかけてくるので、始めてひじき刈りをする家族を連れだって今年初のひじき刈りに行ってきました。
ひじき刈りは冬の大潮の時だけ。大潮と言っても、よく引く潮はシーズン中でも4〜6回ほどしかありません。しかも真夜中の2時頃。眠い目を擦りながらの出発です。こればっかりは人間の都合ではなく潮の都合になりますね。
今年は暖かいこともあって、例年にないひじきの成長ぶりにビックリ 少々出遅れました・・汗
自然界の動植物は私たち人間よりも敏感なのですね。



たくさん刈って帰ったひじきは、さっそく水で洗って茹でていきます。
冬場の水仕事となりますが、我が家は井戸水なので、水温が温かいので苦になりません。
水道水ならとても冷たくて過酷な作業になりますね。井戸水はとてもイイ手



そして裏の畑に大きな釜をセットして茹でていきます。
茹で水は高縄山水と、これまた我が家のこだわり。水道水だとカルキ臭がつきそうで・・、やっぱりひじき本来の味を壊さないためにも、もったいないようだけどここは大量の山水をつかっていきます。



こういった作業は正直お台所では厳しいなあと、いつも感じます。大量のひじきを大きな釜で何度も茹でていかなければいけません。しかも茹でるのに何時間も時間がかかるので、台所で一番大きなお鍋を使ったとしても、その茹でる回数や、ガス代やらを考えてもキツイです。(松山にいた時はやっていましたが・・)
その点、庭や火が使えるというのはとても助かります。ひじき刈りだけでなく、餅つきや、味噌づくりなどもそうですが、簡単に火を使うことが出来なくなって、生活の場面から無くなっていった事って結構多いんじゃないかな?



畑の梅の木も、早くも花が咲き始めました。
今年は早いよね。。



茶色だったひじきもお湯に入れると、サッと綺麗な緑色に変わります。
わあ、綺麗キラキラ
ここから茹でていくと、ひじきの色はだんだんとひじきらしい黒色になっていきます。
でもお台所でするとひじきが綺麗な黒色にならないと言われる方もいます。ステンレス鍋では、綺麗な黒はでません。
それはひじきを綺麗な黒色に発色させるために不可欠なものがあるからです。それは鉄。我が家は鉄の羽釜で煮るのでとても具合が良いのです。昔、ひじきを煮るのに「鍬や鎌を入れた」と聞きます。ステンレス鍋の場合も何か工夫をして、鉄釘などを入れると良いです。



さあ、ひじき作業の合間のお昼です。
採ってきたウニでウニ丼です。
牡蠣は牡蠣フライ用に冷凍保存し、お昼はほんの少し酢牡蠣にしました。
昼からなんと贅沢。ひじき刈りのときはこちらもいつもの恒例なのですが、自然が豊かということは本当に贅沢なことですね。
こうやっていつも自然の恵みを享受させていただいていると、やっぱり自然への感謝の念無くは考えられません。
スーパーで買うだけの暮らしになったら、自然が如何に私たちに多くのものを与えてくれているかと言うことをきっと忘れてしまうかも・・。
こうやってしていると、水だって火だって薪になる木だって、とてもありがたいから。。



さあ、こんなに綺麗な黒色になりましたよ♪
鉄の羽釜さまさまですハート



お味のほうは・・美味っ!
お日さんの下で、天日干しをして完成ですが、山ほどあるひじきなのでこれを何度も繰り返していきます。
繰り返していくと茹で汁が濃くなって、煮たひじきも濃い味になっていき、ますます美味しくなるんですよ!
我が家のひじきは、とっても好評で「市販のひじきは食べようとしない主人も、このひじきは美味しいって食べてくれるんです。」って言われるほど、差し上げた方からはぜんぜん味が違うって驚かれます。鍋がちがうからか、水が違うからか、洗うからなのか、天日干しだからか(市販の多くは機械乾燥)、国産のひじきだからか(市販の9割は中国や韓国産)、その理由はよく分かりませんが、だから私たちひじき刈り止められません。



今では採ってきたひじきの大半はお裾分け。ひとまず茹でたては50人ほど配って、あと乾燥ものもそのほとんどはお裾分けで消費されていきますから、何やっているやら 笑
でもみんなに喜んでもらえるので、ひじき刈りは止められませんね。





その日の夕飯は、焼牡蠣や、天然の生牡蠣をオリーブオイルとレモンで食べきれないほどいただきました。
これだけで十分。。
海の日は本当に豊かです。
自然を享受していますハート

もう一軒の古民家再生。。



我が家のリフォーム・・いえいえ、実はもう一軒古民家再生中。。
同じ地区に移住予定のU家族の住まいを夏から再生中なのであります。

U家族とは、当初は建て主と設計者としての出逢い。いろいろとあって、現在はともに協力し合って里山で生きようと決心しあった付き合いであります。その住まいを今は大分県にいるU家族に変わってリフォームのお手伝いをしている次第。春にはU家の奥さんが出産ということもあって移住はまったなし!
我が家の”奈良の木の家セルフリフォーム”の最中でもありますが・・一肌脱ぐことになったのです。

U家の要望は、自然の素材を使って、なおかつ昔ながらの古き良き感じの気の張らない、自分達の身の丈にあった住まいを希望。主に奥さんが料理教室をひらいて一日の多くを過ごす台所をメインとし、その他快適性を向上させる水回りの改善。と、旦那様の仕事である竹細工の作業場づくり。生き方暮らし方は自然志向で、食も暮らしも多少不便であっても手間をかけて心地よく・美味しく・楽しくありたいという夫婦。

まずは家の家財道具やらを片づけなくては・・。
家主さんも事前に荷物を整理してくださったみたいで、だいぶ物が無くなったとは言え、やはり長く住まいとして機能していた家はそれなりの荷物の量。これはどの家も同じ。これに向き合わなくては移住は不可能。



古いと言っても、住もうと思えばまだまだすぐにでも住めそうな家。しかしリフォーム? 
それはU家の「心地良く暮らしたい」という願いから。もちろん私たち自身もそうだけど、この建材に囲まれた雰囲気は、自然素材を好む自然志向派にはちょっと息苦しい雰囲気・・。
でもこういった素材たちで古い家をリフォームすることが、その時代には一種の最新の住まいのような気分にさせ、古い日本建築の家はみな軒並みにリフォームされたのですよね。。



そのところどころには昔の良き面影があって・・ムズムズするぐらいに邪魔くさいフィルターに覆われたような気分になる私。
もちろんこのフィルターをこれから取り去っていくのですが、大家さんからも、幼い頃にあったリフォーム前の家の雰囲気が好きだったと聞かされ、意気揚々と撤去作業開始手



U家の旦那さんも、荷物の片づけや撤去作業に大分から駆けつけました。
こればっかりは人海戦術でなくては。友人たちも手伝いに駆けつけてくれました。




 
ただただ合板や建材の類はバールや玄翁などを使いつつ撤去していきます。
日頃のうっぷんをたっぷりと解消するかのような作業です汗
この作業はただ力任せにと言うより、組み立てられた順番に解体していくのが上手に解体するコツ。
組み立て方や解体の要領が分からなければ何倍も時間と労力がかかるのです。
助っ人に入ってくれた大工さんは、私たちの解体作業を横目に、サクサクっと解体をこなしていくのでしたアンパンマン



この解体、長く溜まりきった埃や建材からの粉塵が宙を舞い、全身は粉をまとったかのようになります。
ああ〜あ、乙女な設計者もこれではまさに台無しですアンパンマン
でもそう言っていたら先に進めませんので、気にせずザクザクと。
まるで土木作業員、そうやってだんだん女が強くなっていくのですよね・・・笑



化学糊が効かなくなって剥がれ出した建材の塗り壁。当時の流行り物もこんな感じに。



出てくるわ出てくるわ建材ゴミの山。何処にこんなにもあったのかと言うぐらい・・。
そのほとんどは土に還らない素材ばかりなので、処分に困ります。
細かく分別をしなければ高額な処分費がかかり、引き取り先もそうはないのです・・。
リフォームの片づけや解体作業をしていると「生きることはゴミを生み出すことなのかも・・」と真剣に思ってしまうぐらいに、今の世の中はゴミに溢れていると言えますね。もっとシンプルにゴミを生み出さない・持たない生き方をしたいもの←これは自分自身への戒めの言葉であります。



時間をかけて地味にゴミを細分化し処分をしていきます。できるだけ価値のないゴミには誰しもお金はかけたくないところです。
U家の旦那さん自身も、大手メーカーでの大量生産の物づくりから、大地に還ることのできる一品一品手作業・自然素材の竹細工へ転職した身。この作業をとおしてあらためてゴミにならない物づくりをしていく決心が堅くなったようです。ある意味、良い体験になったのかも。
ゴミがうずたかく積まれていく光景は、目にするだけでなんだか全身の気力が失われ疲れてきます・・下
まるで、先のない未来がそこに感じられるからなのか・・・・たぶん・・・きっと・・下下



いえ、このリフォームは明るい未来を築くためハート 心地いい暮らしを紡いで繋いでいくためのものハート
粉塵にまみれながら、ゴミに向き合いつつ、
その苦労のすべては心地いい未来を掴むために・・
頑張る私たちでありました手(つづく)

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