CSはうす そして昔ながらの家づくり

CSはうすも、着々と進行中です。
今回は建て主さん自らが竹小舞を掻いたりなどのセルフビルドもあり、頑張られています手



CS(化学物質過敏症)というのはほんのごく少量の化学物質にも反応する病気です。
いつもの荒壁に使う材料もかなり慎重に吟味し確認しながらの作業となります。
昔ながらの家づくり、自然素材だからといっても安心できないからです。
Hさんは特に農薬には敏感という事もあり、藁縄ひとつとっても、一般的な農薬を使った稲作での藁(わら)はHさんにとっては安心できるものではありません・・汗
また荒壁土に混ぜられる藁も同じくですアンパンマン



いろいろと探された結果、棕櫚縄で大丈夫そうな物があり、それを使うことになりました。
荒壁に入れる藁は、自然農で無農薬栽培をされている方から分けてもらう事になり、また藁は熟成させないほうがHさんの身体に合いそうだと言うことで、荒壁に藁を混ぜてあまり寝かせないようにして使うことになりました。
本当にひとつひとつ慎重に・・です。
CSにとっては室外はあらゆる化学物質が風にのってくるので危険です。安心して住める家というのは何より大事。
大金をかけてつくることになる避難所にもなる家は、失敗が許されないのですよね。



竹小舞掻きは左官さんに教えてもらいながら、Hさん自らがご家族と一緒に掻かれました。
なかなかやりますね!
昔はこうやって建て主さんも一緒になって家をつくっていたのですよね、本当は。
見るのとやるのとでは大違いで、なかなか大変です。でも自分で体験していくと、職人さんたちの苦労も身にしみるものです。
感謝がうまれますよね。



私たちのほうも忙しくお手伝いに行けなかったのですが、屋根の三角部分の竹の掻き方がわからないということで、お手伝いをしに行ってきました。
Hさん、とても竹小舞掻きがたいへんだったのでしょう・・私が行くと、今まで踏ん張って頑張ってきた肩の力がするすると抜けたようで「顔をみたら涙が沸いてきそうだった」と、安堵した様子。。



この三角部分は、竹小舞のなかで一番面倒な部分なのです。
初めてだと、言葉だけの説明では難しいところ。
でもよくここまで竹小舞を自分たちでやりきったものです手
えらい!次は荒壁がまっています。。




 

『五穀豊穣の家』の建前、つづき!



さて、かなり遅ればせながら・・になって報告しづらいのですが汗
五穀豊穣の家の建前二日目報告!

今日は朝から建て主Oさんも、何やら忙しそうです?




そう今日の上棟では餅まきの予定なのです。
今どき餅まきをする家は少なくなりましたが、さすがは田舎!こういったことには抜かりがありません手 
餅まきはこれからお世話になるであろうご近所さんに対してのお慶びごとのおすそ分け。
昔のひとは
慶びごとを迎えることが出来るのも、自分ひとりの力ではなく、誰かの支えがあってこそと考えたのです。
だから慶びをこうやっておすそ分け、日本人には常に感謝の気持ちがそこにあったのねハート



せっせっと、建前のようすを眺めつつ餅を袋につめるOさんのお手伝いを私たちもアンパンマン
こういう光景もいいですねハート




建前一日目はちょっと緊張気味だった棟梁も、二日目はやっと大石さんらしく、建前を楽しんでいる様子がこちらにも伝わってきましたキラキラ 
あっくんと共にピッシっと!抜かりなく今まで刻んできたんだから、心配する事は何もなく、腹がすわった様子手
大石棟梁らしい細かい指示が飛び交い、設計者もちょっと安堵。。




実は、この建前数日前に建て主さんも知らない予期せぬトラブルが発生し、急遽建前を延期せざる得ない事態がおこったのです・・・0口0
ちょっとした職人の手違いでおこった事。
策を練るものの解決のためには、建前延期は避けられずと言った状況・・汗汗
建前を心待ちにしているOさんに、事情を話して建前は延期するしかないかなあ〜と・・泣




そんななか大石さんが、状況を解決するために「自分に動かせて欲しい」と名乗り出てくれたのですアンパンマン
棟梁が動くという案は建前には間に合うけど”一番たいへんな作業・・”であり、私も頭に浮かばなかった事です。
それを棟梁自らが「この方法なら誰にも迷惑をかけなくて済むし、何よりOさんが建前を楽しみにしとるけん!」と申し出てくれたのです。
正直、なみだの設計者でありました。




本来なら責めを受けるのは手違いをおこした職人。しかし人の過ちを責めたり、自分の手を惜しむのではなく、この場面を自分なりに解決しようと前向きに申し出てきてくれた事が、とても嬉しかった。また他の職人さんや手違いを起こした職人さんも同様に、自分なりに出来る精一杯の解決策を申し出てくれて、積極的に問題解決のために名乗り出てくれた事も嬉しかった事。
その頃ちょうど他で、責任を押し付けあうという場面に出会ってしまった設計者は、ちょっと人間不信になり掛けていたところだったので・・。




そして大石棟梁のおかげで問題も解決し、建前という今日この日を無事に迎えることが出来たのでした。
推測はしていたけどやっぱり・・、建前前日の深夜まで、応援を呼んでこの問題解決の為にあたってくれていたみたい。
本当に有難い、お疲れさまハート
こういったトラブルの時は、その人の人間性って言うものが本当によく見えてくるなあ〜と思った次第。
長く付き合っていくに相応しい職人なのかどうか?
口だけ良い事を並べる職人はたくさんいます。しかし肝心なのは問題が発生したときに、逃げずにちゃんと前向きに対応できるかどうかが実は一番肝心。今回の出来事、みんな前向きに手を惜しむことなく自分なりに出来ることを提案してくれた事、長く付き合っていくに相応しい職人たち像がそこにありました。まさにピンチはチャンス手




さて、お昼もすぎ、刻々と餅まきの時間が近づいてきます。
なんとしてでも棟を納めなくては・・という暗黙のプレッシャーが辺りに漂いはじめ・・
しかしながらなかなか簡単には進まない納まりに、手に汗をにぎる設計者でありました笑




辺りも少しずつ暗くなり始め、大きな牛木がすわり、そこに登り梁が据わっていきます。
あと一息!そしてポツポツとご近所さんたちも集まり始めたのでした。




小屋梁を納めはじめ、棟梁も先が見え「後はみんなに任せた!」と言った感じで下りてきました。
そして上棟式のための準備を。
この日のために大石棟梁が準備してくれた上棟セット。組み立てには細かい決め事があって、面白いのです。
上棟式とは本来、棟梁が建物の完成まで災いがおこらないように祈願したのが始まりとか。
今では建て主さんが大工さんの労をねぎらう意味合いに変わってしまいましたが。




そうこうしている内に、仲間たちが棟木をしっかりと納めてくれました。
そこにこの幣束を立てて上棟式の始まりです。




ご近所さんたちも、どこから湧いてくるのかと言うぐらいに本当にたくさん集まりました。
皆さんじっと上棟式、いえ・・餅まきを待ちます
わらう




こうやって無事に上棟が迎えられたこと、多くの方々に支えられながら来たのです。感謝の一言です。
この引き締まるような空気感のなか、それぞれにいろんな思いが湧いていることでしょうね。




そしていよいよお待たせ、餅まきです手
どんどんと空から降ってくる、お餅やお菓子。
取っても、取っても、取っても、取っても・・・餅はまだまだ空から降ってくる
矢印上
最後のほうは「まだあるのかあ〜(驚)!」「ええ〜!きゃあ〜!うそ〜!」とあちこちで驚嘆の声moe




すごかったです。餅の量!みんなとても満足そうでした。
だって建て主Oさんやご家族が、朝からずっと袋詰めをしていたんですものね。




そして最後に、建て主Oさんから、大工さんたちにもハート
みんなこの時は一段と嬉しそうですね♪
建前中は大石棟梁をフォローしあう優しい一面などが見えたりと、楽しく優しい仲間たちだなあと思いました。
棟梁の大石さん、あっくん、長い間ほんとうにお疲れさまでした。そしてこれからも宜しくお願いしますね
ハート
上棟後の今日はみんなで打ち上げ?っと思ったけど、家路に直行でした。
そうだよね、トラブル解決のため建前前日は深夜まで頑張ってくれていたんだものね・・。
っとAA STUDIOからも、ほんのちょっと気持ちだけ・・労ねぎらいをしたのでした手
みなさん本当にお疲れさまでした。

 
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