マチボンにて。。





あら、今回のマチボンは愛媛のお台所特集のよう。。
偶然にも見覚えのあるお台所が二軒。



竹細工をしている内原さんのお台所。
日本のよき暮らしを見直そうと、私たちと一緒に鈍川に移住した友人。
奥さんのゆきさんは昔ながらの日本の食にも関心があって
これから食の大切さをつたえていく料理教室を開かれる予定。。
そしてもう一軒は・・



器や道具のお店『STROLL』のオーナーさんでもある、絵里佳さんのお台所。
ギャラリーを兼ねた土間にあるお台所。
いつ行っても素敵に暮らされています。

そのどちらのお宅も設計をさせていただいたお住まい。。
内原さん宅は古民家をリフォームしたものだけど。

どちらも大のお料理好きというのが共通点。
お台所って、その家族の暮らしが最もよく現れる場でもあるし、
設計していて一番楽しいところ。
ぜひ書店でお立ち読みください♪
(いえ、ぜひ購入を笑  )
 

目にみえない仕事たち。。



こちら『五穀豊穣の家』です。
竹小舞が掻かれると、いよいよ待ちに待った荒壁工事だなあ〜といった感じです手



竹小舞に使われる竹、こちらの竹もなんでもOKと言う訳ではありません。
こちら竹屋さんが吟味した竹です。
もう年々、竹屋さんがいなくなっている現状・・。
ほんと絶滅危惧職と言っていいかもしれません・・なみだ
竹を使うことがなくなったこの頃ですものね。
家にしろ道具にしろ、竹が使われることは無くなっています。

竹、ってとっても凛としていて清清しく、ちょっとあるだけで空気感が違ってくるんですけどね。
私のほうは竹小舞にかぎらず、手摺にしたり、タオル掛けにしたり、格子に使ったり、濡れ縁で使用したり、建具の装飾としてなど、家の随所に積極的に竹を使っていってます。
見直していきたい竹。。



竹小舞の竹です。
特別に手割りしていただいています。
っと言うのは、竹小舞の竹も、今は効率をあげるために、その多くは機械で挽かれているのが一般的。
でも手割には手割の良さというものがあって、手間をかけて左官さんが割ってくれている次第なのです。



↑機械で挽いてしまうと、その断面は平たくなります。
でも手で割ると、曲がりが残るので、その断面強度はだんぜん強くなってくるのです。
左官さんも「強い壁をつくるんやったら、割り竹を。」と言ってくれます。
とくに五穀豊穣の家の壁は、5寸の柱にしっかりとした厚みで壁がつく、
こういった目に見えないところが重要なのです。

お世話になっている左官さんは、こういった手間がかかることを一つ一つしてくださる方。
竹を割ったり、棕櫚を使ったり、土を熟成したりと。
なかなか一般的な左官さんがしない事を、手をかけてくださるのです。
でも実際この作業は、現場でするのではなく、自分たちの作業小屋でコツコツとする作業なので、なかなか建て主さんにはまさかそんな事をやっているなんて、といった感じではないでしょうか。
現場で見える仕事だけが仕事ではなく、職人さんたちの仕事って、とくに本来の仕事をする職人さんは、目に見えない仕事が多いんですよね〜。



↑以前の写真
棕櫚を一枚一枚、その繊維を地味に広げていく作業。
ほんの少しお手伝いをさせていただいたことがありますが、ほんと気が遠くなる作業ですよ・・。

また竹も、虫のこない時期に伐った竹が使われます。
竹っていつ伐ってもOKではないんですね。
やはり木と同じで伐り旬があるようです。
っと言っても、自然の素材のことなので完璧なことはなく、なかには虫が出ることもあります。
友人の竹細工職人も伐り時期を選ぶものの、虫には泣かされているようですし、なにごとも完璧を求められる方には自然素材の道具や自然素材の家は向かないと言えますね。

目に見えないところでコツコツと。
おかげで五穀豊穣の家の壁土は、2年寝かせた良質な熟成土にあたりました〜♪





いい熟成土は見ればその違いがだんぜん分かります。
なんだか放つエネルギーがぜんぜん違う!
しっかりと土から見極めなければ、ただただ土を寝かせても良質な熟成土にはならないと左官さん。そのなかなか土を見極めるのが難しいのよね。



建て主Oさんたちも嬉しそう。
その違いの良さが分かるからこそですね〜♪



和やかな空気が流れていきます。。
積極的に、手を使い、体を使い、関わりながら家づくりをすすめていきましょう〜ハート


 
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