ミニ家づくり塾・鬼瓦で表札づくり

今回のミニ家づくり塾は、地元菊間の瓦にふれてきました〜手
年々減少する瓦工場。産地である菊間もそれは同じです。
重たい、お洒落でない、といって屋根に瓦を使うのを倦厭されがちな昨今。
私から言うと・・「屋根に瓦を載せたぐらいで地震に弱い家は、駄目な家!」と声を大にして言いたいところ汗
瓦を載せてもビクともしないような家のつくりに、まずはしなくては。
それが住まいにもっとも求められるものだし、本当の安心というものです♪


少しでも瓦の悪いイメージを払拭して、その魅力を感じてもらえればなあ。
今回ご協力を下さったのは、菊間瓦を残すために組合でも色々とご尽力をされている柚山瓦工業さん。
誠実丁寧な仕事ぶりは太鼓判の瓦屋さんです手

やっぱり瓦工場、粘土を配合するためにも大きな大きな工場が必要ですね。
瓦の土もなんでもOkではなく、焼けて縮みにくい歪みにくい割れにくい土がもとめられる様子。
土ひとつも奥が深そうです。


工場内はオートメーション化されている部分もあれば、
磨きや成形には、昔ながらの手作業でされている部分もありました。
ひとつひとつ手がかかる仕事ですね。


っと・・、私はもっとゆっくり瓦のお話を聞きたかったのですが、この後のメインイベントのために鬼瓦や役物瓦をつくる工場のほうに足早に移動車




わあ、いろいろなタイプの鬼瓦があります!
鬼瓦だけでなく、こんな物も笑


アンパンマン
干支の置物、今年も終わりが近づくなか、乾燥中〜笑
こうやって見ているだけでも美術館の様相ですねキラキラ
飽きませんね。


さて本日メインイベントの、鬼瓦で我が家の表札づくり開始です〜。
お休みのなか、わざわざ鬼師さんも来ていただいて、直々の指導を受けての製作となりました手
鬼師さんによってある程度のところまでは製作してくださっていて、素人でもハイクオリティな表札ができそうな予感ハート
一般的に購入すると数万円するとか、柚山さん、ありがとうございます〜涙


それぞれに名前や角を入れたりアレンジを加えていき、それぞれにオリジナリティな物に仕上がってきました。
子供たちにはちょっと難しいので、もう少し簡単なレリーフづくり手




いつもこういったワークショップでは騒がしい子供たちなのですが、それがそれが嘘のように静まりかえって夢中で製作。


そして大人たちのほうもかなり真剣です笑
だって生涯、玄関を飾る、表札になるのですからね。

つくるって楽しいです。そう、家づくりはひとつひとつの”物づくり”の結晶。
だから本当は職人さんたちがやりがいを感じ楽しいって思えるような仕事でなくては、いい家ではないよね。


思い出にのこる一品ができましたハート
建て主さんたちも多く参加してくれて、この機会に家に合う表札ができて良かったみたい。
さてそうこうしているうちに、ちょうどお昼に。




お弁当を用意してくださったのは、マチボンにも掲載された『野の草 いのちの台所』の内原由季さん。
にっぽんの素朴なご飯をすすめている彼女。
すでに多くの方が、料理教室を待ち遠しく心待ちにされています。
同じ鈍川の移住者になります。そして元・建て主さんだったりします笑




彼女のほっこりとした素朴ごはんが今日の〆手
我ながらグッドチョイス!
見て聞いて触って作って・・最後に美味しいご飯を囲んで、みんなで笑顔アンパンマン
いつもながら、ご飯を一緒に食べるって大事だなあと思います。


瓦屋根にお住まいの建て主OBさんから、実際の瓦屋根の家の住み心地も聞けて、みんな納得したみたい。
あまり表立ってアピールをされない柚山瓦さんでしたが、瓦の良さはもちろんのこと、人の良さが家づくりには何より大事だなと感じる家づくり塾となりました。柚山瓦さん、どうもありがとうございましたハート

表札が焼けあがるのは、年末。
新年を新たな表札で迎えれそうですねキラキラ







 

CSはうす 見学会を終えて。。

二日間にわたる『CSはうす』見学会も無事終了をし、今ほっとしています〜。。
AA STUDIO初!のCS(化学物質過敏症)限定の見学会でした。
ひょっとして日本で初の見学会だったのでは?と思ったり笑

多種多様な物に反応する化学物質過敏症者にとっての安心できる家は、患者さんひとりひとりに対応した答えが必要だと思っています。
「これが絶対安心!」なんて物はCSにありません。そのなかでCSであるHさんと一緒につくりあげた昔ながらの家づくりでもある『CSはうす』が、どこまでCS皆さんにとって安心できるものであるか・・その反応を今後の糧としていくための見学会を企画しました。

Hさんは愛媛のCS患者会の代表をされ、いろいろとCSさんの症状に対して日々アドバイスをされていらっしゃるので、Hさんの家づくりはHさんにとっての安心できる住まいづくりの一方で、CS患者さんみんなにとっても安心できる家づくりのための検証材料でもありました。
それは住に携わる私にとっても貴重な経験をさせていただいたと思います。めったにCSさんの家づくりに携わる事なんてありませんし、いえ以前はCSと聞くと、ちょっと怖いイメージもあったぐらい、難易度大の家。いえ、今も難易度大には変わりはありませんが笑
でも今時の家づくりが『安心』とは程遠い世界に存在するなかで、そこに疑問を感じはじめ、その結果化学物質に頼らない家づくりをしていた頃の昔ながらの家づくりに戻っていった私たち。戻るといっても、そう簡単ではなく、取り戻すといった作業(日々が勉強で今も分からない事だらけです)でもありました。
そんななかHさんと出会いました。Hさんは当時は一時避難のための住居(今は生涯住むための家ですが)をつくるため、安心できる材料探しをしている最中で苦心されていました。土壁に使うための安心な藁がなかなか見つからない・・。当時、私たちも同じく土壁に使うための無農薬の藁などを探し回ったことがあって、そんな事が縁を繋げてくれました。

私たちも昔ながらの家づくりに軌道修正をし数軒を手がけて、自然にも人にも優しかった昔ながらの家づくりが私たちに与えてくれた様々な恩恵をいま実感しています。きっとそれはHさんにも変わらない優しさを放ってくれるはずだと思いました。Hさんも同じく、自分が安全であるのと同時に地球にとっても安全なものをと、昔ながらの家づくりで『CSはうす』づくりが始まったのです。

設計者もHさんも、他の多くのCSさんたちにもこれが優しいものであって欲しいと一番に願いつつ。
さて見学会でCSさんの反応は・・?


はるばる遠方からやって来てくださった高知のゆるゆるの会のCSさん達。
やっぱり厳重なマスクを装着されて車から降りてこられました。
遠路はるばる、道中はさぞたいへんだったでしょう。。
休憩のためのトイレに置かれた芳香剤や行き交う人々の合成洗剤や香料、タバコ臭など、体調を崩すものは至る所に・・汗
そんななかはるばる愛媛に来て頂けたことは有難いことです。

CSさん言われていました。
小さなサンプルで安全性を確認することがあっても、それが大面積になるとまた感じ方が違って、しんどいのよね、って。だからこういった貴重な機会。Hさんの為の安全な住まいを、みんなで体感できるってとっても有難いようでした。

一般的な見学会では『あちこちを見てまわる』といった感じですが、CSさんの見学会では皆さんあちこち鼻を近づけて『クンクン』ですわらう
見るのではなく嗅いでその安全性を見学中でした。
皆さんそれぞれに反応するものも異なるなかで、体というアンテナをつかって何かを感じ取っている様子。CSさんのアンテナは本当に感度抜群なんですから手
数日前の残り香だって感じるぐらい。その感度抜群なアンテナで、まるで試されているかのような恐る恐るな設計者です汗


しかしこれだけ沢山の木を使っている家なので、CSの皆さんは車を降りた瞬間に、正直ちょっとたじろいだ様子です。自然素材といっても木材が駄目なCSさんは案外多いのです・・アンパンマン
果たして・・昔ながらの家づくりがどこまで通じるか・・不安も感じつつの見学会でもありました。

でも・・予想外。入室されて皆声をそろえて言われるのは「木材臭があんまりしないよっ!!」って、とてもビックリされた様子アンパンマン
それはHさんも私もちょっと驚きの反応で、木材臭で家には入れないのでは?という最悪の事態も覚悟はしていたからです。
見学会の2週間前に数泊したHさん、まだ室内に残留する杉の揮発臭に気がつき「これでは患者さんもしんどいかも・・」と、気になる箇所に無臭柿渋を塗ってみたりと見学会のための対応をされていたのでした。

特に「木材がぜんぜん駄目で・・杉は特に駄目なの・・」と言われるCSさん、かなりビックリされたご様子で「大丈夫なの!!どうして〜?」っと、杉オンパレードのCSはうすに、体に反応がない事を長時間何度も何度も確かめられていました。
その事は、手立てをすれば『杉材』が使えるかも〜と私たちを勇気付けてくれることになりました。
だってそれまでCSさんにとって大丈夫な材って、とっても高価な材ばかりだから。


CSさんも他に幾つかの家を見学されたとき、玄関先からモヤモヤという空気を感じて全く入れなかった経験談や数分で退出を余儀なくされた家の話などをしてくださいました。「同じ木造の家なのにこんなに違うんだねっ」って言ってくださいました。
木材の臭いがあまりしなかった事の要因はいくつか考えられます。
その一つ、それは昔ながらの家のつくりは、土壁を乾燥させたりと工期がかかります。それがかえって家の木材などの揮発物を抜いてくれる良い期間になっているという事です。出来立ての家ほど、危険なものはありません。やっぱり出来立ての家は臭いもフレッシュでプンプンなのですから、そういう意味では昔ながらの工法がCSはうすにはとっても都合が良かったといえます。

二つ目は、使用している木材の全ては自然乾燥材であるという事。
これも上記と同じく時間をかけて揮発物を抜いていくので、使用までには時間が経っているという事。
また一般的に木材は高温乾燥されますが、木材の油分が焼けたり、木が焼けた臭いが、駄目な人は結構多いようです。

そして三つ目は、壁が土壁だと言うこと。
これはこの見学会の時に参加者さんが気がついたこと。土壁の臭いを嗅いだところ、土の臭いと言うより杉の薫りそのものだったという事を発見!土壁が杉の臭いを吸着した様子。今のところこの吸着した土壁によって体がしんどいという事はない様ですが、荒壁のままなのでもうしばらくしたら中塗りをする予定で、ちょうどこの臭いも封止されます。
やっぱりCSさんの家づくりは『ゆっくり、慎重に、段階を経て』が何より大事だと思います。その方がその都度都度の具合や空気を確認しながら、出来るかぎり安全に進められるから、リスクも少ないです。
それにしても土壁の吸着力は活性炭並ですね手
きっと風通しの良い吹き曝しの段階に吸着したというより、窓が入って室内が密閉され、仕上げ工事で杉板が張られた時点あたりから杉の臭いを吸着したのではないかな?と私は推測します。もう壁板自体の臭いはだいぶ抜けているので、もうしばらく様子を見た時点で、中塗仕上げをすると良さそうです。今回は中塗仕上ですが、さらにその上に漆喰を塗ることも可能です。

生活が乱れた方(生活改善されたCSさん)の家には土壁はお勧めしません。だって悪い空気を土壁が吸着する事になるから。土壁が汚染されますし、それ以前にその方自身の体調もご自身の生活を見直さないと改善されないとも言えますね・・。


見学会でCSさんに体感して頂いたことは、CSさんにとっても、私設計者にとっても良かった。そしてHさん私にとってもさらなる『CSはうす』への希望が見えてきました手
そうそう、ちょうど見学会で室内空気質(化学物質)を調査研究されている大学の先生もl来られて、CSはうすも調査頂くことになりました。そして昔ながらの家づくりも♪
目に見える数字として、昔ながらの家づくりが化学物質に暴露しにくい家だと言うことを知っていただける良い機会になるかもです手
これも良き心強い出会い♪ 詳しい話はまた後日ということで。。


小さなお家のCSはうすH邸ですが、とっても心地いい空気が漂っていますキラキラ
特別にデザインされた住まいではありません。また便利な造りや機能もありませんが、なんかとっても落ち着きます。
それでいいハート それがいいハート
多くをのぞむのではなく小さく小さく暮らす・・でも本当に大切なことを大事にした住まいだと思います。
本当は大切なものってたくさんはありません。
小さく、そしてシンプルイズベスト!


この家のワンちゃんもその良さが一番に分かっているみたいリラックマ
大好きな散歩も出たがらないぐらいに、この家から離れないんですって笑
人は頭で考えすぎて、欲張りになっている様な気がします。
それが今の化学物質まみれの社会をつくり出したのです。
CSさんとの家づくりをとおして、これでいいんじゃない?他に必要なものある?
って、私は思います。。

ではでは、貴重な見学会の機会を与えていただきましたHさんに感謝いたしますっハート
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