昔ながらの家と鉄。。

今後、昔ながらの家づくりで”鉄”を使っていきたいと今、検討中のAA STUDIOです。
鉄と言うと固くて冷たいというイメージが強く、どうしても近寄りがたかった素材のひとつ・・。
でも鉄のもつ繊細さや美しい曲線は、鉄の良さでもあり憧れるところです。


以前からの知人であり、美的感性の良さに、ずっと尊敬している職人がいて、
やっと一緒にモノづくりを模索すことに。
職人と言うよりはアーティストで、、大三島に工房をかまえるtessenの山田幸一郎さん。
どちらかと言うと愛媛の田舎町で活動しているような人では無いと思う美的センスの持ち主です。 
以前に『風薫る家』で山田さんに玄関灯を製作していただきましたが、私の難題にピタッと答えを出してくれるのが彼。


そして鍛鉄により仕上げられる作品は、既成品にはない深い味わいがあります。
職人さん達が丹精込めた家の前で、大量生産でできた既成品の照明器具がこの頃は浮くのです・・。

既成品特有の味気なさ。空気感がちゃんと出てきます。
灯り一つ、既成品をカタログからパッと選ぶのは、そう、とても安易な感じです。
その一つで空気が違う、やっぱり込められたエネルギーが違うのだと感じます。

だからこそ、これも大切に扱いたい。


山田さんの島の工場です。
鉄の作業場!っと言ったズッシリするような空気感。

鉄の加工方法などを、今後のためにと・・幾つかの作業を見せていただきましたが、
鉄は硬い物・・という先入観は、ここではいとも容易く溶けていきました笑

置いてある鉄の端材にも、アートを感じてしまうtessenの工場。
ズッシリ重い鉄の塊から、細い美しい線が生み出されるには、山田さんの感性が欠かせないと感じる作業場でした。

そして山田さんの所には、そんな物づくりに共感してくれる方を招くためのギャラリーがあります。
これまたアートな空間です。時折、伊東豊雄さんが立ち寄られるとか。
山田さんの鉄へのこだわりは、”物”にとどまらず、空間までへとおよぶ事が強く感じられる場でありました。
こちらギャラリー『左衽 sajin』では予約制でお食事も提供しているそうです。


この時・・カメラが壊れていて、私のバカチョンカメラで撮影するのが申し訳ないぐらい汗


昔ながらの家づくりをしていると、技術的な事に囚われて忘れてしまいがちな事があります。
でも山田さんは、そんな事を振り返らせてくれる人。

設計士としてわくわくする自分がいます。

久しぶりに美しい物づくりへの刺激を受けて、お酒も美味しかった。
美しい物をつくるために努力を惜しまない姿勢、そして物づくりにいつも謙虚な姿勢を感じます。
今後、山田さんとのコラボで、わくわくする物たちがたくさん生まれそうな予感ハート
さらに昔ながらの家づくりが楽しくなりそうです。

いまは事務所の看板や、タオル掛け、照明器具の小物などを製作していただいています。

できあがりが待ち遠しい。。

 

『木組と土壁の家』山へ。。

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『木組と土壁の家』の家づくりが始まっています。。

我が家で使う木材に初めてご対面〜! の山へ木材検品は、

建て主さんにとって初めて家づくりを実感できる場です♪

建て主さん、大工さん、現場監督、設計者、みんなで和気あいあいと、高知県の池川林材さんへ車

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池川林材さんには時間をかけてあちこちの市場で良質な原木を探してもらっていました。

その確認でもあります。

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100年200年もたせていく”木の家づくり”のために何より大切なのは木です。

しかし木の家だと言っても、あまり木に関心がない、この頃・・下

システムキッチンやユニットバス、家の断熱や性能にこだわっても、家の骨格をつくる為の最も重要な木材に関心がないのは、残念なことですよね・・なみだ

でもそれが今の家づくりの現状かもしれません・・。

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池川さんも、高温乾燥の弊害について建て主さんにお話をされていました。

木を売る木材屋さんが「これでは・・アンパンマン」という木材の現状に耳を傾けたいものです。

高温乾燥は木材の油も抜けて、腐りや虫の害にも弱くなります。

また木の粘りがなくなると言えます。

しかし市場が急げ急げで家を建てている現状に、木材屋さんは高温乾燥を使うしかないのです。

ちゃんとした木の家づくり、どんな場面でも急ぐことは難ありと、常々私は思います。

そんな現状を少しでも知っていただくことが、木の家づくりにとっては、とっても大切だと思い、山へ足を運びます。

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時間をかけることにお金はかかりません。

生き節材の予定だった材が、節も無いようなこんな良質な材に変わってくることもあります手

とっても目込んでいて赤身の強い材です。

めちゃめちゃ綺麗〜!

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時間をほんの少しかけるだけで、こんなメリットがハート

池川さんには感謝感謝!

「AAさんの家づくりは時間のゆとりがあるから出来ること。今回は良い原木がたくさん買えた。」

っと言われてました。

木材屋さんが胸を張って誇れる木材は、建て主さんにとっても、いい話になると思いませんか。

木の家づくりは、みんなが幸せになっていく事でこそ、良い循環が生まれていくのです。

他の職種も同じですね〜手

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またAA STUDIOのこの頃のスタイルで、木材は施主直営で直接買い付けしています。

80年以上の目込みの高樹齢材を探してもらうと言う特別注文も、こういった施主直営による建築方式で中間マージンを含まない分、とってもお安く購入できるようになっています。

良い循環がうまれて、ちゃんとした木の家づくりが復活していくように〜それが私の願いなのですハート

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そしてちょうど『木組と土壁の家』に使う柱材が挽かれている最中でした。

150年もの樹齢の材が挽かれていっていました。

木の家づくりが、私達の年齢をはるかに超えた木の命をもらう行為であること。

自然と手を合わせ感謝したくなります。

それが昔からあった日本人の心かと。

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命に感謝し、良い家づくりをしていく事が、木への感謝の気持ち。

木材をこれから大工さんの工場に運び入れ、木や準備をして下さった池川さんに敬意を払って、じっくりと自然乾燥をしていきます手

池川さんに、建て主さんも感謝の言葉を何度も掛けられていて、これも家づくりにとっては欠くことのできない工程ですね

アンパンマン

そんなこんなで木材検品は、家づくりに欠かせない意味をたくさん含んだ工程と言えますね〜。

池川林材さん、ありがとう!

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暮らしを思い描く。。

しばらくぶりの、AA STUDIOのリフォームその後の様子です。。
すっかりいつもながら報告が遅れています汗
今年に入ってから、後回しだった我が家のリフォームの続きを少しずつ進めておりました我が家。




いつもお世話になっている大工の大石さんに、家の外壁張りをお願いし、
ずっと荒壁のままの手付かずで見窄らしかった我が家も、日に日に見違えるように。


そして窓なく過ごしてきた2年間!にやっと終止符が打たれました笑
よく我慢した自分を褒めたい!の一言笑


これで雨風の心配なく過ごせます。
窓があるって、なんて幸せなことなんだ〜っと。
当たり前すぎて、幸せで無くなっている事って、今の時代、多いです。
そんな事に気がつきますね。
こういった経験も時に必要かもと・・。
そして、庭のほうの手入れも、少しずつ。




庭先に建つ離れの風呂場を解体し、大きく茂った庭木を、バサバサと伐採をしていただきました。
長年手付かずだった庭木はもうジャングルのように、庭を暗くしていました。
そんな暗い庭と手におえない程の茂みに、鬱々としてましたが、すっかり見違える様に明るくなりました。


それまで隠れて見えなかった山の稜線が現れ、奈良の木集落ののどかな景色が見渡せるように。
この庭がこんなに気持ちがいい景色だったなんて・・。


畑のお野菜たちにもお日さんがたくさん降り注ぐようになり、野菜たちも気持ちよさそうです。
引っ越して3年目にして、ちょっとずつですが、自分たちの想い描く暮らしに一歩一歩近づいてきている感じ。


明るくなって気持よくなった庭先ではさっそく打ち合わせ、ん〜気持ちがいい!
田舎に来たからこそ出来ること、こんな時間が何よりの贅沢だと感じるから、ここにやって来たみたいなもの。

まだまだ手付かずのところは山ほどあって十分ではありませんが、ちょっとずつ理想に向け、歩んでいくこと。
そうすることでモヤモヤした霧が少しずつ晴れていく感じです。


雑然として美しくないお勝手口も手をいれる事にしました。
毎日出入りする入り口が、殺風景では、気持ちが荒れます。
ちょっとした事だけど、こういった事が毎日の心に影響します。
(逆に言えば、心の荒れ具合が、住まいに現れますよアンパンマン


少しずつ山野草を植えていって、山野草の小さなアプローチにするのが目標。
水やりをしたり、好きな山野草を植えたりと、日々の楽しみが増えました。


もう少し出奈良の木へ移住3年目。
少しずつ地に足がついてきたという感じでしょうか。
まだまだ手を入れ改善したい事や、鬱々に思うような事もいろいろとあります。
でも日々味わう山の空気の心地よさや、ハッとするような自然の美しさ、自分でつくっている野菜たちの美味しさ、
緑や生き物たちに囲まれて暮らしているという実感は、掛け替えのないひとときと言えます。
隣の垣根を見ていたら、自分にないものがきりがなくあります。特に今の時代は・・。
でも幸せは、きっと自分の足元にあるような気がしています。

荒れていた住まいも少しずつ手を入れることで、心気持よく、毎日が見違えます。
理想郷に出会えても、それを満足できない自分や、幸せに思えない自分がいれば、もっともっと・・という気持ちが生まれます。
だから多くを求めず足元の幸せを見つめることが何より大事だと思います。




庭の小さな命たち。
こんな小さな命たちに感動し、喜びをもらってます。
まだまだ一歩一歩ですが、自分たちの暮らしを思い描く日々です。。


 
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