ミニ家づくり塾・鬼瓦で表札づくり

今回のミニ家づくり塾は、地元菊間の瓦にふれてきました〜手
年々減少する瓦工場。産地である菊間もそれは同じです。
重たい、お洒落でない、といって屋根に瓦を使うのを倦厭されがちな昨今。
私から言うと・・「屋根に瓦を載せたぐらいで地震に弱い家は、駄目な家!」と声を大にして言いたいところ汗
瓦を載せてもビクともしないような家のつくりに、まずはしなくては。
それが住まいにもっとも求められるものだし、本当の安心というものです♪


少しでも瓦の悪いイメージを払拭して、その魅力を感じてもらえればなあ。
今回ご協力を下さったのは、菊間瓦を残すために組合でも色々とご尽力をされている柚山瓦工業さん。
誠実丁寧な仕事ぶりは太鼓判の瓦屋さんです手

やっぱり瓦工場、粘土を配合するためにも大きな大きな工場が必要ですね。
瓦の土もなんでもOkではなく、焼けて縮みにくい歪みにくい割れにくい土がもとめられる様子。
土ひとつも奥が深そうです。


工場内はオートメーション化されている部分もあれば、
磨きや成形には、昔ながらの手作業でされている部分もありました。
ひとつひとつ手がかかる仕事ですね。


っと・・、私はもっとゆっくり瓦のお話を聞きたかったのですが、この後のメインイベントのために鬼瓦や役物瓦をつくる工場のほうに足早に移動車




わあ、いろいろなタイプの鬼瓦があります!
鬼瓦だけでなく、こんな物も笑


アンパンマン
干支の置物、今年も終わりが近づくなか、乾燥中〜笑
こうやって見ているだけでも美術館の様相ですねキラキラ
飽きませんね。


さて本日メインイベントの、鬼瓦で我が家の表札づくり開始です〜。
お休みのなか、わざわざ鬼師さんも来ていただいて、直々の指導を受けての製作となりました手
鬼師さんによってある程度のところまでは製作してくださっていて、素人でもハイクオリティな表札ができそうな予感ハート
一般的に購入すると数万円するとか、柚山さん、ありがとうございます〜涙


それぞれに名前や角を入れたりアレンジを加えていき、それぞれにオリジナリティな物に仕上がってきました。
子供たちにはちょっと難しいので、もう少し簡単なレリーフづくり手




いつもこういったワークショップでは騒がしい子供たちなのですが、それがそれが嘘のように静まりかえって夢中で製作。


そして大人たちのほうもかなり真剣です笑
だって生涯、玄関を飾る、表札になるのですからね。

つくるって楽しいです。そう、家づくりはひとつひとつの”物づくり”の結晶。
だから本当は職人さんたちがやりがいを感じ楽しいって思えるような仕事でなくては、いい家ではないよね。


思い出にのこる一品ができましたハート
建て主さんたちも多く参加してくれて、この機会に家に合う表札ができて良かったみたい。
さてそうこうしているうちに、ちょうどお昼に。




お弁当を用意してくださったのは、マチボンにも掲載された『野の草 いのちの台所』の内原由季さん。
にっぽんの素朴なご飯をすすめている彼女。
すでに多くの方が、料理教室を待ち遠しく心待ちにされています。
同じ鈍川の移住者になります。そして元・建て主さんだったりします笑




彼女のほっこりとした素朴ごはんが今日の〆手
我ながらグッドチョイス!
見て聞いて触って作って・・最後に美味しいご飯を囲んで、みんなで笑顔アンパンマン
いつもながら、ご飯を一緒に食べるって大事だなあと思います。


瓦屋根にお住まいの建て主OBさんから、実際の瓦屋根の家の住み心地も聞けて、みんな納得したみたい。
あまり表立ってアピールをされない柚山瓦さんでしたが、瓦の良さはもちろんのこと、人の良さが家づくりには何より大事だなと感じる家づくり塾となりました。柚山瓦さん、どうもありがとうございましたハート

表札が焼けあがるのは、年末。
新年を新たな表札で迎えれそうですねキラキラ







 

伝統構法でプチ建前体験。。


今日はいよココロザシ大学で、『五穀豊穣の家』の棟梁、大石さんの初授業ですハート
子供たち向けのプチ建前体験。
子供たち向けでありながら、でもその中身は手抜きなしの伝統構法の建前です。
子供たちにどこまで伝わるか・・


まずは大工道具の説明から。
ノコギリも用途によってそれぞれのかたち。
ノミやカンナもズラリとたくさんあって、それらが大切に置かれている雰囲気から、
なんだかとっても大事な道具〜、という感じがします。


普段は見ることが出来ない物。
それらを間近に眺める、それだけで子供たちにとっては、大工さんはとっても凄い存在であり、憧れでもあります。
大石さんのお話の中には、伝統構法もなくなりつつあるなかで、道具もなくなっている。
自分はこういった道具や職人が残ることのできる伝統構法の家をつくっていきたいと
想いを伝えていましたハート


さて、いよいよこの日のために長い時間をかけて刻まれた、プチ建前の開始です♪
まずはやっぱり大黒柱の登場から。


そしてその大黒柱に足固めをさしていきます。
こうやってホゾをホゾ穴にさして、出来上がっていくなあ、と子供たちは実感。
要所要所、大石さんが伝統構法の良さを説明していきます。


カケヤで叩いて、ぴったりと材と材が引っ付き合います。
大工さんが刻んだ材が、ひとつひとつぴったりと納まっていく姿に、みんな釘付けですキラキラ
まるで大きな積み木かブロックを組み立てているかのよう。




子供たちはみんな夢中です。
そして子供以上に大人も夢中になるのが伝統構法なのです笑


美しい仕事。美しい木組み。
不思議と惹きつけられる何かがそこにあるのは確かですキラキラ


こんなに小さくても、桁を納め、棟を納めると、なんだかとてつもない力強さ!
ビクともしない迫力で伝統構法というものの空気を伝えてくれます。


小さいけどかなり本格的で立派な家が出来上がった!


っと言うことで、上棟式も忘れずに笑
設計者が冗談で「上棟もするんでしょ?」って言ったことなのに、
大石さん、ちゃんと上棟セットも準備していて、律儀で誠実な大工さんなのです手

上棟が終わると・・本日のメインイベント?


私も知らなかったのですが、これが本日のメインイベントの木箱づくり。
すっかり伝統構法に主役の座を奪われ、オマケのようになってしまいましたが笑
これも楽しい家族での夏休みの思い出となりました。




将来、大工さんになりたいという子もいて、未来が楽しみ!
昔ながらの家づくり広がっていきますよう〜にハート


 

建具探しの旅。。

家づくりに使う建具を探しに、建て主さんとその友人たちと一泊京都プチ旅行に行ってきました。
古い物や和の物が好きな建て主さん。新しい家づくりに古い物を再利用するのは、古い物が嫌いでなければ、ひとつの方法でもあります。いい物が、新しくつくるより安価で入手できますし、質の良い物が時として手に入ります。
この頃そういった事もおすすめしています。



さすが京都は古建具のストック数がなんといっても豊富手
京都ではその道では知られている井川建具店さんにお伺いをしました。



とにかく全部は見切れないほどの建具があって、お宝探しに似ていますが、気力・体力を有する作業といってもいいです。
できあがった平面図を片手に、イメージに合う物を探していきますが、サイズ違いであったり、枚数が足りなかったりと、なかなか思うような物は簡単には見つかりません。それでも建て主さんと汗だくになりながら、しつこく一枚一枚建具を移動させながら、粘り強く探していきました。



その粘り強さに、運良く見つかったオサ格子の建具がいくつか。
玄関の建具に利用できそうです♪
こちらでは雪見障子も購入しました。



そして他のお店に移動をし、建具の探索を再開。
時間が限られるので、お昼をとることも忘れ、建具探索に没頭します汗



山ほどの建具を見ているうちに、当初膨らませていたイメージも変わっていくものです。
実物が見られるのは古建具のいいところかもしれません。
そしてこればっかりはご縁。運良くイメージする物に行き当たるかどうかは、本当にご縁ということに尽きます。
こちら、いいご縁があったようで、各所のイメージにピッタリと合うものが見つかり、大満足ハート



そして平面図でも想い描かれていたイメージぴったりのアンティークな食器棚との偶然のような出会いがありました。お店に入ったとたんに建て主さんも私も「あっ!これ!!」っと言葉に出した、イメージどおりの食器棚♪
行くべくして行った、そう誰しもが思った京都・建具探しの旅でした。

あとは少し手を入れなおして、少し修繕をしたり、不足を補ってあげたり、ガラスを入れ替えたりして利用をしていきます。
「古くてもまだ使っていきたい」
そう思わさせる先人たちの確かな物づくりがあったからこそ、こうやって使っていこうという気持ちにもなりますね。
この家づくりが、何十年先にも「もっと大事に使っていきたい」と他の人に思ってもらえる物でありたいですハート
古きよきものを大切にしながら。。



そして、その夜の京都でのビールは言うまでもなく最高でしたビール

 

新年から熱く熱く。。

すっかり新年のご挨拶がおくれてしまい、気恥ずかしい気分ですアンパンマン
今年からまた徳さんと二人のAASTUDIOにもどりました。
まみこさんも、素敵なパートナーをしっかりとAASTUDIOでみつけて、ふたりで歩んでいくために旅立っていきました虹
残念ながら私たちの昔ながらの家づくりを繋ぐ種にはなりませんでしたが・・、きっとふたりで共に喜びをみつけ、どこかで違うかたちとなってここで身につけたスピリッツを引き継いで芽吹いてくれるだろと信じています。がんば手



さて新年早々、子供を旅立たせ身軽になった私たちは山口まで畳の手床製作を見学しにいくことに。実は毎年毎年、いつも畳でお世話になっている荒川製畳所さんでは、手床の技術を後世にのこしていくために、志ある者たちを集めて手床製作の講習会をおこなっているのでした。今年はお声をかけていただいて、念願の手床づくりを拝見することに。。
手床を製作できるのは今や日本ではもうお二人しかいません。やっぱり日本の畳の原点でもある手床(手縫床)のつくり方は一度は見ておきたいものです手

さすが講習会には西日本各地から畳屋さんばかりmoe
しかもこんなマニアックな講習会に参加するなんて、かなり積極的な畳職人さんであること間違いありません。
特に九州は畳組合の青年部たちが声をかけあって参加していて、やる気ありそう〜moe
なんと羨ましいこと。我が愛媛もそんな畳職人おらんのか〜??







手床講習のほうは、ひとつひとつ荒川さんが解説しつつ進めてくれるので、専門職でない私たちにも畳床のつくりがよ〜く理解できました。藁の並べ方や縫い方、細かなところで小さな心遣いのかたまり。そんなひとつひとつの積み重ねで良い畳床が出来上がっていきます。
今や手床の畳をつくるケースはほぼありません。ほんのたまに手床でしか製作できないサイズの畳で手床をつかう事が稀にあるだけで、畳床は機械化されたものとなります。
床(とこ)とは、藁でつくられる畳の芯となる部分を言いますが、今や藁でない建材物をつかった床が大半を占めるようにもなってきています・・・ 下
悲しいかな・・日本を代表する誰もが知る畳が、今や畳と呼べないものばかりになりつつある現状に、畳屋さんたちも心砕いています。



 

藁や菰を重ねてそれを縫い込んでいきますが、厚み25cmほどある藁に1尺ほどの針を刺して縫っていく作業は思いの外難しい・・思った位置に針が刺さってこないのです。うまく定位置に針が刺さるようになるにはかなり熟練した技術が必要のよう。
畳床の縫い方は、簡単な縫い方から手間のかかる縫い方まであります。今回は”14通り掛け縫い床”と”14通り筋縫い床”とを同時に製作してくれたので、私としてはずっと理解できなかった縫い方の名称がやっと理解ができました。
手間の掛かる”掛け縫い床”ですが、いいものはそのなかでもさらに熟練の技術がいる密度の高い縫い方がされていたようです。それはまさに神業ですねキラキラ


手床の工程を見ていると、そこで使われる菰(こも)や、麻でできた麻糸、これらも伝統技術のひとつでもあります。素材である藁や道具も、そのすべてが貴重になりつつあり、いつまで日本的な物を遺せるのか今はそんな大きな命題にむきあっている時代とも言えるのではないでしょうか。
特に今の時代はお金だけで物事を判断し、お金にならない事は切り捨てられていっています。お国の方向は常に経済優先ですから、経済効果のないものは、結果消えゆきつつあると言ってよいでしょう。
荒川さんご夫婦の活動には心打ちます。「手床をつくりたい」と言う若い子も参加しており、無口ではあるけど真剣に取り組んでいる姿に、荒川さんたちの地道な活動の成果をみる気持がしました。この中からひとりでも、次の世代へと繋いでくれる職人が生まれることを祈っています。
そう荒川さん、つい先日”現代の名工”にも選ばれたようですよキラキラ



さてすっかり手床講習に見入ってしまいあっと言う間に一日が・・。
参加は1日の予定でしたが、完成するまで見届けたく翌日も参加することに。
畳だけに限りませんが、本物の仕事って本当に見飽きないし、面白いのです。
そこにはちゃんと意味があって物が形づくられています。細部の納まり、つくり、所作、意匠、素材。
その意味のあるつくりを知れば知るほど、他の職人たちとの共通事項も多く、また衣食住が一定の知恵のもとで物づくりがされていることを見ることができます。
また発見。パズルのピースを発見するかのような面白さ。
基本、手床や畳は衣服と同じ縫い物なのです。大きな針に大きなマッチ針、針アテもあって、縫い方も同じ。よくお婆ちゃんが縫い物の時にやっていた、針に髪の油をつける・・あれも同じ。畳と衣服の形はまったく異なる物だけど、どこか日本の伝統技術というのはひと続きなのかもしれません。



翌日は『締め』と言われる工程で、縫い上げた床の糸を締めていき、畳床の厚さに仕上げていきます。
これがかなりハードな作業なのです。しかも糸が手に食い込んで、痛い!痛い!涙!
でも職人さんたちは痛いの表情も見せず、ただひたすら締め上げていく筋肉
でもさすがの職人たちもハード・・替わりばんこで休憩をしながら。でも最後のほうはみな動きが止まっていました汗 





やっぱり昔は畳は高価なものだったって、この製作現場をみて実感しました。何ごとも見ないと製作のたいへんさって分からないです。
以前、荒川さんに手床畳を注文しようとして軽く断られたのだけど、その意味がよく分かりました笑
今回1枚の畳床をつくりましたが総勢6〜8人でまる二日かかってしまいました。一人ならいったい何日かかるのだろう・・・アンパンマン
その昔、畳をいれるのに大工さんより高い手間賃をもらっていたと聞いたことがあり、その時は「ありえない・・」と思いましたが、う〜ん、この作業を見ると頷ける話です。

 

さて出来上がり。さて手床の体感は・・おおおおおお、味わったことのない感触!!!
この本来の手床畳の感触は、私たちがまさに忘れてしまった畳の感触だと言えます。
柔らかく優しい感触。足の裏が心地良いです。
こんな畳に寝転がってみたいもんだなあ〜ハート

硬い床が多い中で、けっこうこのソフトな感触は現代にヒットするかもしれません。
部屋に全部敷くのは現実味がなくても、畳ベッドや畳ソファにはいけるかもしれません。やっぱりぜひ使ってみたい一品だ〜アンパンマン



この二日間、畳職人さんたちに囲まれ、つねに話題は畳moe、畳moe、畳moe

畳屋さん同士の熱い会話に混ぜていただいて、私たち設計者はどっぷり畳を謳歌したという感じでした。やっぱり畳はいいわあ〜ハート
荒川さんどうもありがとうございました。
今後も畳の良さを発信していきたいと思っておりますハート

セリに参加。。

いつもお世話になっている造園屋さんに西日本最大の植木市に連れていってもらいました。
造園屋さん達がいつもここで植木を入手したり、植木屋さんが植木を販売するための市です。
当然のごとく一般の人はこの競り会場には入れませんし、またここの競りに参加できるのは”特権”と言うものがあって造園屋さんでも簡単には参加できないそうです。年間に中卸(なかおろし)からある一定以上の購入金額がないと、この競りの権利が得られないそうで、その額やちょっとビックリしました。
そんな閉鎖的な『競り(せり)』そのものに無縁な私が、この日はじめて競りを体験することになったのです

大きな大きな会場には、ところ狭しと植木や庭石が置かれていました。これでも不景気がともなって、以前よりもかなり数が少ないとのこと・・。同会場には花きや盆栽の競り会場もありました。
これからこの物たちに値段がつけられていくのです。
そう、競りとは、まさに物に値段がつけられる瞬間でもあります。。
ブラックベールに閉ざされた空間、それが値段がつけられていく競りでもあるのです。

競りの開始に、女社長と言われる方が出てきて威勢良い「よろしくおねがいします!!」と言う一声があり競りが始まりました。そのとき競りという不思議な光景を瞬間に見たような思いがしました。
競りはどこか役所的なところがやっているんだとつい思っていましたから・・
女社長がまさに商売的な挨拶を発したときに、正直とても驚いたのです。役所ではない個人の商店が競りを支配?していたとは知らなかったのです。物に値段がきまるという、とても重要な場所が、役所ではない個人の商店が仕切っているなんて、想像もしなかったことでした。
まあ競りには無縁な私ですから

さて競りは同時に、あちこちで始まりました。
あっちもこっちの商品も欲しいと思っていると、身体がとても追いつきません・・
一日で競りを終わらせるために、同時にするんですね。
競り人が、「これいくら〜これいくら〜」と掛け声をかけます。それにあわせて欲しい者が「1万!」「1万5千!」と声をあげていきます。植木の値段なんて、今までホームセンターや植木屋さんでしか知ることがありませんでした。しかしそんな植木がびっくりするような金額で落とされていくのです 
あんまり言えませんが・・購入者が他にいなければ、植木は300円でも500円でも落とされるのです。えっ〜〜!!!!
そう、買い手の需要があれば物は高くなる。でも需要がなければ値段はつかない。これが競りの原則と言えます。落札したい私なんて、ちょっとでも安く〜!なんてついつい欲張ってしまって・・

でもね・・・連れていってくれた造園屋さんは植木もつくっておられて、買い手の時もあれば売り手の時もあって、その苦しい心境を聞かせてくれました。
植木は野菜とちがって、年数かけて手間をかけて仕立てされた物が出されます。
しかし競りで、そんな丹精込めてつくられた植木が1万にもならない時があるんです。
何年も手をかけてつくった物が、一日の日当も出ない・・正直それではその人たちが生きていかれないんです・・。そうなんですよね。売りたい価格で売れない・・現実。

生きていくための売りたい金額というものが、物には存在すると思うんです。本当は・・
これは植木だけではなく全ての物に言えることではないでしょうか。
競りの原則は違います。買い手によって値段がつけられるんです。
なんだか矛盾を感じました。

私は、こんなに安く買われていく植木が、一般の市場では何十万円にもなるのを知っています。
綺麗に仕立てされた造園木で一般の市場では50万円を軽く超えそうな物が、10万にも届かない・・って、一体どれだけ造園屋さんは踏んだくっているんだあ〜!と正直思いました

目の前で競りにかけられてくのを心配そうに見守っている造り手がいました。
競り人も必死に値が張るように声を掛けますが、なかなか値が上がらない・・。「もういいか、仕方ないよね」という雰囲気で造り手に目を配ります。辛そうな面持ちの造り手。どれだけの時間をかけて、こんなに綺麗に仕立て、作品と呼べるに近い木を育てたのでしょう・・。そう思うと涙が出てきそうで、さっきまで「安く・・」なんて思っている自分が恥ずかしく思いました。
その人の苦労まで分かって値段はつきませんもの・・

人が生きられるための価格って・・・
物の値段がきまる競りに参加することで、あらためて考えさせられました。

安く買って、高く売る。確かに商売ですから当たり前の事なのかもしれません。でも・・植木屋さんがやっていけなくなったら自動的に造園屋さんも倒産です・・。本当はみんな運命共同体なんですよね。でもお金というものは欲を引き出します。自分の事ばかりを考えると相手を傷つけることになり、いずれ自分の首もしめるという結果に・・。よくそう言う場面を見ますよね。これは何も植木屋さんだけの話ではなく、私たち消費者自身も「安く安く」という傾向にあるのではないでしょうか。

お金(値段)というものをリアルさをもって考えさせられる良い機会となりました。本当なら植木の相場が分かる競りに私を連れていくって、造園屋さんとしては嫌なことですよね・・。でも安さだけではない価値を理解しあえる関係だからこそ、この競りに連れてきてくれたんだと改めて思いました。感謝感謝です

ついでに悪い植木の見方もたくさん教えてもらいました。根巻きがうまく出来ていない植木。



家づくりの庭に使うための石をたくさん購入し、よく仕立てをされた枝垂れ梅を落としました。
これは来年の庭づくり用に。。
物を見て植木を購入できるのはとても良いところです。どれも欲しい物ばかりでしたが、競りももっと開かれて一般の人々も購入できるようになったら、価格も市場価格に近くなるのではないかな?
まあ閉ざされた人だけの競りというのは、もう時代おくれなのかもしれません。

私も初で”踏み石”を競り落としましたよ〜
また誘ってもらおう〜

家具材がきました!

トラックに山ほど載せた木材がやって来ました〜
実は家づくりに使う家具材を、山盛り買いしました
なかなか国産の家具に使うための良い材がないのもあって、今回はあちこち探しまわって、縁あって山桜を大人買い! 
なかなか山桜は出ないので(出ても高いので)今回はとても良いめぐり合わせだったと言えます。
ピンク色の桜は家具にすると、とても上品な仕上がり。また建築の敷居にすると擦れの無い丈夫な敷居にもなりますし、AASTUDIOの昔ながらのオール無垢の家には、天板や造作にも利用できるので使い道豊富です。杉ばかりの家に、ほんのちょっと雑木を使うと、それだけで雰囲気が変わります。

ハハハ、もうすでに設計事務所の域を完全に超えています
でも良い物を手ごろに提供しようと思うと、自然とこうなるんです。
構造材や造作材のストックは、どんどん増えていってます・・
使う段になって「山桜がほしい」と言うと、どうしても市場の物は高いのです
まあ、ある意味足元を見られるのでその分、当然のごとく高い買い物になります。
なので良い物が出たときに買っておく!
これが質がよく、でもそこまで高くならない家づくりのコツ。
もうすでに工務店並み、いえもう工務店もしない事をやっているかな。。
でも、ちょっと金欠ぎみですが

でも中には幅広材もあってテーブルの天板にも十分に利用できそうなものもあります
普通に木材屋さんで購入すると20万は超えそうですね。
大人買いの中にはこんな物も混じっていて、ワクワクするんですよね〜。
だから大人買いは止められない (おいおい・・

山桜のテーブルなんて、超〜素敵ですよ
さてどこにお嫁入りするかな・・。
どんどん使っていきますね〜。

木と土の温熱調査。。

 『木の家ネット』で夏に行なった温熱調査の続編、冬の温熱調査が始まりました
「木と土の家は、冬は寒くて住みづらい?」
「断熱材を入れなくては冷暖房費がかかりそう・・」
そんなもろもろの木と土の家の悪いイメージを払拭するための実態調査でもあります。

今回も同様に『新居浜の家』の建て主さんが協力をしてくださいました。
『新居浜の家』は木と土の昔ながらの家づくり。今時の断熱材らしきものは一切ありません。窓も気密サッシや断熱サッシは使ってはおらず、隙間風がありそうな昔ながらの木製建具。しかも吹き抜けのある25畳ほどの広いLDKをもつお宅なので、いわゆる今時の言い分では『とてもとても寒い家』となりそうです。さてさて

今日は少し雪も舞っていて、いつもより少し肌寒い感じ。
そんななかお伺いして、LDKにお邪魔すると、ほんわりとした暖かさが出迎えてくれました。
薪ストーブには火がはいっており、この家の冬の暖房器具になります。
「節約気味につかっているの」と奥様。火力全開というよりも、一本の薪が微かに燃えている感じ。時折、消えて無くなろうとする時にまた一本といったように確かに節約気味に使っている様子。

LDK南面の畳の間に目をやると建て主さんが節約モードでやっている理由が分かりました。太陽からの陽射しがさんさんと入ってきて暖かいのです。。
お伺いした時刻は1時半。太陽高度としてはもっとも高い時間帯だったので、この時間帯でこれぐらい日が入れば、晴れた日の日中は太陽熱を取り込むことができます

夏、お邪魔した時は、逆に雨戸を締めて、夏の陽射しによる輻射熱が少しでも室内に入らないような工夫をされていました。それが功を奏して室内の温度上昇が殆どなく、夜間に冷やされた室内は日中遅い時間まで外気温にあまり影響されることがないという優秀な調査結果が出てました
今回はその逆で、さんさんと降り注ぐ太陽光を、積極的に取り込むような暮らしをされておられた建て主さん。夜は熱を逃がさないために雨戸や障子も締めます。さすがです

昔から暑い寒いは暮らしの工夫と言いますが、まさに季節に応じた暮らし方。
夏の温熱調査でも、住まい手の暮らし方ひとつで室内の温熱環境の違いがリアルに現れてきました。土壁の家だって住まい手の住まい方ひとつで、夏は熱がこもって過ごしにくくなることだってあります。住まい手さん自身が暑い寒いに敏感になり、ほんの少し暮らしの工夫をすることで冷暖房に頼らない省エネルギーな暮らしが出来るのです。
我が家も夏はスダレひとつでとても過ごしやくすなりましたもの

窓際の温度は31度、ねっとっても暖かいでしょ。この太陽熱が土壁に蓄熱されて夜間の冷え防止に役立つのです。日本版・電気を使わないパッシブハウス!ですね
そう先人たちはちゃんと考えていたんです。

今の時代、そういった工夫なしで暮らそうとするから冷暖房をフル稼働させなければならず・・、冷暖房の効率をあげるために気密や断熱をたくさん必要とします。しかも厄介なことに高気密・高断熱の住まいの方が、省エネといった風潮になりつつあるのが現在。国も現在、日本古来からある家づくりよりも断熱材をしっかりと施した北欧的な住宅を推し進めようとしています。それも3.11以降、拍車が掛かっている様子。なんか裏がありそう〜・・そう、進めているのは経済産業省。どうやら住宅の断熱化は経済活性化策でもある様子。

確かに・・断熱材をたくさん詰め込んで最小限のエネルギーで冷暖房を稼動させる家は、冷暖房を湯水のように使う家よりは省エネルギーかとは思います。しかし断熱材や気密材、断熱サッシだって工場で造られる製品。トータル的なエネルギー消費量を考えれば決して省エネではないし、しかも日本の気候風土で育ったことのない家が今後日本という気候のもとで長く耐えうるのかは答えがまだ出ていないのです。家が長く持たなければそれこそエネルギー浪費の家になります・・
現代は、昔の家のように100年200年もつような家ではなく、26年が平均寿命だそうです。これを浪エネと言わずしてなんと言う

以前、高気密・高断熱の家を手がける社長さんが「冬は半そでひとつでも十分なんだよ〜」っと言っておられた言葉、とても腑に落ちない違和感を感じさせましたが、エネルギーを使うことが前提、人は我慢はしないよが前提の高気密・高断熱なら、それは大きな誤りです。暮らしの工夫やちょっとした辛抱も必要なこと!地球の資源や、地球の環境は、無限に永久的にある訳ではありません。多くの環境問題は私達たった2,3世代の尽きぬ便利さや快適さを求めての結果でもあるのですから。

それを考えれば建具職人さんがつくる木の建具の方が手仕事を主とし、比べようもないぐらい省エネルギーであることは確かです。しかし・・世の中の風潮のなかで、本来はエネルギーをかけずして造られてきた物たちが消えていっているという姿を見ます
木と土の家も同様です。私たちの飽くなき欲求によって、昔あったエネルギーがあまりいらない物づくりたちが消されていっている・・なんとも寂しい話です

日本人としての『もったいない精神』を取り戻して、冷暖房を使用するを前提ではなく、出来るだけ使用しない家を目指したいところですね 
建て主さんの工夫。レッグウォーマーを履くと「暖かさが断然違う!」と言ってました。こういった事が本当は大切じゃないかな〜と私は思います。。
レッグウォーマーのように住まいも冬バージョンで襖で部屋を小さく仕切ったり、暖かい絨毯を敷いたりというのも冬の暮らしの工夫のひとつですね。

さて、面白い事を発見!
襖の温度と、壁の温度を計ってみたところナント、襖は2度も温度が暖かかった!
う〜ん、やっぱり冬場は部屋を小さく仕切って使われた襖ですね
ここにも先人たちの知恵があるのかなと感じた私です。人は周囲の壁面・床面・天井面からの輻射熱に影響されて暑い寒いを感じるので、これが本当なら壁より襖に囲まれた部屋の方が暖かく感じるという事です。
温熱調査では先人達が遺した、エネルギーをあまり使わずして快適に暮らすための知恵を探りたいと思ってます

『新居浜の家』はあまり薪ストーブを焚いてはいなかったものの、太陽の陽射しがあってなんだかほんわりとした暖かさ感があり、寒さ感はありませんでした。
建て主さんも「他の家に行くと、同じ16度の室温があってもなんだか寒いのよね・・。うちの家は16度あると暖かいのよね。それがなんなのかは分からないけど・・太陽のような暖かさがする?・・なんかうまく言えないけど空気が違うような・・芯から温まるような感じがあるの。」と、
総合的に満足されて冬を暮らされているようでした。
温熱調査つづくです。。

第3回昔ながらのミニ家づくり塾『<左官編>土壁をしる。竹小舞・荒壁のようす』

第3回ミニ家づく塾<左官編>が行なわれました。
第1回第2回と参加してくださった方や新しい参加者も新たに加わり17組もの参加者さんとなり、皆で一緒に左官しごとのお勉強となりました〜
AASTUDIOの家づくり塾に参加してくださる方は、みな勉強熱心です
自分たちの家づくりの事、しっかりと自分たち自身で知って家を建てよう〜と真剣に思っている方々です。そして家は建てなくても環境のことや職人のことや日本の伝統技術について関心のある方、そしてAASTUDIOを応援してくださる方(ありがたい!)が参加してくださいます。その声に応えるべく私たちも、よき家づく塾になるよう毎度試行錯誤での開催になります

『ミニ家づくり塾』は、各職人さんたちのそれぞれの生の声や仕事を実際に見てもらって体験してもらって知ってもらう機会であります。家づくりは出来上がったカタチだけでは見えてこないもの。職人さんたちのひとつひとつに秘められた仕事や素材や生き方から学ぶべきことが本当はたくさんあって、そこを見ずして家づくりは語れないと言っていいほど。そこを知ってもらいたいと願って



今回は『左官編』ということで、左官さんの使う道具から、素材や、工法・壁のつくり方、仕上げなど一通りを学べるようにしました。
「素人はそこまで知らなくて良い!」ではなくて、「自分たちの住まいのことちゃんと知ろうよ!」というスタンスであります。ちゃんと自分自身で知って選ぶという事が家づくりでは何より大事だから。表も裏もない真実だけを伝えます。皆が目利きになれば、家づくり全体の現状も変わるから。

全てが自然の素材で形成されていく左官さんの仕事たち。手仕事・手道具ひとつでつくられていく。当然、手間はかかります、時間もかかる左官しごと、でもそうでない便利さ安さ効率だけを追った物たちとは全く次元を異にする物づくりがあります。きっと見えてくるものがあったのではないでしょうか?
そして実際に竹小舞を掻いていく様子・荒壁土を塗り付けていく様子を見学します。

竹小舞のつくり方ひとつひとつにも意味があって、そのひとつひとつが無駄がないほど理にかなっていて、丈夫に長持ちする家づくりにつながっていったという事。
今の時代は智恵が欠けている時代でもあります。そういった本質的な中身を知らない分からない。だからこそ私たち設計者が、昔ながらの家づくりを通して知ってきたことをお伝えします。

  

職人さんのしごとはいつ見ても美しい
その光景をみて参加者さんはみな「綺麗!美しい!かっこいい!」との声。
ズッと見ていても飽きない光景がそこにありますね。私はいつも参加者さんの光景を楽しんでます

いつもは騒がしい子供たちも、静かにずっとその様子を眺めていたのがとても印象的。
大人も子供も惹きつける何かがそこに・・参加者さんたちの真剣なまなざしがイイでしょ


そして自分たちでも体験してみましょう

見るのとするのとでは大違い!「え〜なかなか編めない〜」「指が痛い〜
今の時代は、インターネットで便利になったおかげで、体感が少ない時代。だからこそ自らで竹を掻いたり、土にふれてその感触を実感してほしい!そうすることで職人さんたちの仕事を見る目も変わってきます。身体で感じたことは決して忘れない。。

 

そして掻かれていく竹たちによって何もなかった空間が徐々に花かごのように美しく変わっていく美しさを感じて。。見て美しい触れて心地いい素材たち。そんな素材たちが織りなす空間は、自然そのものの美しさがあると言うことを体感
いつも思うこと、結局どうこう言う理論より、感覚で感じるものが本当は何より一番大事なんじゃないかな〜。生き物として感じる感覚。ほっとする、落ち着く、優しい、柔らかい、心地いい、美しい。。
それは見た目ではない世界のものであり、感じるものたち。
今の時代は、この感覚よりも頭で考え、目で見える物ばかりに意識が囚われがち。
でももっともっと大切なのは実は目に見えないもの、数字では計れないものだったりするのではないかな。。

 

さて竹小舞が掻きあがってくると、今度は荒壁土をコテに載せる事前練習をします。
案外このコテ板からコテに土を載せかえる行為は難しく、床に泥を落としがちだから
この作業がスムーズにあってこそ荒壁塗りが綺麗にできます。

みんななんだか楽しそう
そう、土ってわくわくするんですよね〜
いつも口数が少ない方も情熱的になってました
身体でそのわくわく感を感じて。。

ミニ家づくり塾はこれで終了〜
お昼には安心・安全な我が家の無農薬野菜でのお手製ベジカレーを提供。食も住まいと同様に心から安心できるものが心地いい〜胃袋も満たされるでしょ〜 
そして昼食後に、参加者のお一人でもある化学物質過敏症患者さんの日野さんに、化学物質過敏症についてのお話を伺うことにしました。
あたりまえにある便利な物の裏側にある、安心な暮らしを脅かすものたちについて。

私自身も化学物質過敏症の患者さんに直接お逢いしてお話を聞くことがなければ実感が沸かなかったこと職人さんの話もそうだけど、生で聞くというのは、すごくリアルであり、とっても響いてくるのです。本やネットで聞きかじったものではない現実感がそこにあります。
今や100万人が何らかの化学物質過敏症であるという事実。日野さん自身もそれまでは「私は大丈夫!」と思っていた健康体。それがある日を境に普通の当たり前の暮らしさえできない事に。
これは誰にでもおこりうる問題でもあります。社会そのものがこの現実に目を向けなければ変わっていかない。毎年数千種類と新たに増え続ける化学物質にいつか私たち自身が滅ぼされることになりかねない話でもあるのですから

住まいの大切さは当然のごとく、私たちが使う生活用品の数々など、暮らしそのものを問い直す良いきっかけとなったと思います。住まいだけが良くなってもいけない。暮らしそのものを良くしていかなければ
ご体調が崩れることをご覚悟のうえで、私たちにその危険性を、未来ある子供達のためにお話くださった日野さん、どうもありがとうございました
家のほうは悪い物はなさそうだったのだけど、うっかり仮設トイレの側でお話を伺ってしまい・・、その後ご気分が悪くなって退席されてしまいました
はあ〜ウッカリです仮設トイレには最初から消臭剤が投入されているんです・・。こんな・・ありとあらゆる所に化学物質が当たり前に使われているから、そこが危険!
『安全な物を使っていく』という前提がそこにあれば、それだけで世の中が良くなるのですがね〜

ミニ家づくり塾おわって、、
やっぱりご飯を一緒に食べながらというスタイルがAASTUDIOスタイルにはよく合うなあ〜と
一つ釜の飯を一緒に食らう、って言いますけど、ご飯を一緒に食べるとなぜか和気藹々ムードで心がほぐれてくるような。そんななかで住まいだけでない食のことや暮らしのことを知ってもらう〜。これがしっくりくるのです
『安心して暮らす』というのは、家だけの話ではありません。食も大事だし、暮らしそのものが本当は大事だと言うこと。それはAASTUDIOが一番に伝えたいこと。
だって私たち設計士の仕事って暮らしを包むための家を設計するのが仕事ですもの。
暮らしをみつめる事、みつめなおす事、家づくりはまずはそこにアリ!ですからね
さて、次回のミニ家づくり塾はどうなるかな〜

温熱調査。。

温熱調査のその後です。。
夏の暑さをしのぐ事として、エアコンや家のつくりだけにかぎらず住まい手さん自身の暮らし方に大きなヒントがあります。昔の先人たちも打ち水をしたり簾をさげたりと夏は涼をえるための工夫をして暮らしてきましたからね
今回の温熱調査は、気温や湿度といった数字だけでは現れてこないそういった暑さをしのぐための暮らしの工夫もふくめて拾い集める調査となっています。
『新居浜の家』の建て主さんも、いたるところで夏の暑さをしのぐ工夫をされていました。

まずは、南のデッキ。
デッキというのは靴をはかずとも室内から簡単に出入りできて楽しめる皆さん憧れの屋外空間ではありますが・・、夏は暑い!というのをご存知でしょうか。
太陽のお日さんがあたってその照り返しが室内にはいってくるのです

放射温度計で表面温度をはかってみます。
なんと56.0℃!
この照り返しによる輻射熱が室内にはいってきます。たとえ室内の気温が低くても、この輻射熱による暑さの影響を室内はうけることになります。そこで建て主さんがされていたことは・・

 

陽射しが厳しい日中は雨戸を閉めるということ
これによって外からの輻射熱を遮ろうということです。
夏なのに雨戸を閉めるの??と思われるかもしれませんが、夏を涼しく過ごされている方々の多くには日中は窓を閉める方、窓を閉めるというより陽射しを遮るために障子を閉めたり雨戸を閉めたりなどの工夫をされている方が多いです。

確かに雨戸を開けたときと、雨戸をしめたときでは、室内のヒンヤリさ加減が違います。
雨戸をあけているとお日さんの照り返しを肌に感じましたが、雨戸をしめるとその照り返しがまったく感じられなくなるのです。夏場は確かに雨戸をしめたほうが、ホッとしますね〜
放射温度計で測ると、雨戸の表側と裏側では5度の温度差がありました。5度の温度差は、かなりの違いとなって感じられますよね。
こう書くと窓を閉め切って暑そうだな〜と思われるかもしれませんが、北面の窓や、他の日射に影響されない窓はすべて開けておられました。北側からは冷えた涼しい風がはいってくるのです。
室内の平均温度は29℃〜31℃ぐらいかな。だから過ごしやすい。

ちなみに北側の日陰の地面の温度は26℃〜28℃ほど。それに対して南側の日向の地面の温度は40℃〜50℃です。だからデッキがなくても南面は地面からの照り返しがあってやっぱり暑いのですよね
北側の冷えた空気を取り込む、これは涼しく暮らしていくための知恵ですね。

すこし草をはやしているのも、草があるほうが温度が低いのでもあります。
今回、放射温度計で表面温度をはかって数値的に理解をしましたが、そんなことをしなくても涼しく快適に暮らそうと住まい手さん自身が感覚のアンテナを働かせて工夫していることはちゃんと結果になってあわられているという証拠にもなりました。

2階も放射温度計をつかってあちこちを測定してもらいました。
やはり2階南面の部屋は暑いです。原因としては1階の庇ともなっている瓦屋根からの輻射熱でもありました。

  

やっぱりここでも日中は窓をしめてブラインドを下ろされている様子。軒は深く出ているのですが、下からの照り返しによる輻射熱は盲点です。夏は輻射熱対策が暑さしのぎには重要ということを感じました。窓の外に簾をたらすともう少し輻射熱が和らぐかと感じた次第です。

あと住まい手さんの工夫としては西日除けに、こんな素敵な日よけを
窓の外には格子が密にはいっているのですが、その格子越しにはいってくる陽射しよけに、古布を利用してインテリア兼用での日よけ。

 

光がすこし透けて古布の色や柄が色とりどりに美しく映し出されていました。
これは見た目と必要とされる効果をうまく兼ね備えた工夫。グッドアイデア賞を差し上げたいぐらいでした

その他、打ち水や簾をたらしたりしながら夏の暑さをしのいでいる様子が拝見できました。
私としても住みだしてからの住まい手さんの工夫や、夏の暑さによる住まいのあり方という事が学べて今回の温熱調査は良い勉強となりました。
次は我が家の温熱調査のようすです。。

古い建物が物語ってくれること。。

 いま、AASTUDIOに仲間入りする北野家のリフォームを手伝っています。
神子の森に古い空き家をかりることになり、傷んだ所を修理しているのです。古い昔ながらの家ですが、しっかりと木が組まれた立派な民家・・という訳ではなく、あまり差し物や組み物もなく、一般的に安価によく造られたざっくりとした民家です。こういった民家の修理は、いろいろな発見があって面白いです。
さっそく・・土壁を落とすと・・

竹小舞はちょっと一手間かけた『千鳥掛け』がされているのを発見!
全体的に建物のつくりは手間を抜いた造りにも関わらず、縄は『千鳥掛け』がされているから驚き。
壁土だってあまり寝かせた様子はなく、藁スサを足してすぐに塗りつけたという塩梅。なのに縄の掻き方は少し手の入った『千鳥掛け』なのです。
今の時代は簡単に巻ける『螺旋巻き』が愛媛では主流です。(AASTUDIOは違いますが)でもこの比較的ざっくりした安価な家づくりにも『千鳥掛け』が普通にされていたという事は、やっぱりそこに職人たちも良さを感じていたからなのでしょうか。

面白いでしょ。。
すでにこの世にいない職人さんたちの仕事を目の前でみることがこうやって出来るから。
どんな考えで、どんな仕事をしたのか・・
私の関心事はそこですが、遺された仕事からはそれを見ることができるのです。
職人さんたちとしては死んでからも、自分たちの仕事を見られて「この職人は手を抜いたな、この職人の仕事は粗末だな」とか言われるんだから、たまったものではありませんよね
だからこそやっぱり恥ずかしくない仕事を遺したいもの

間渡しが入れられ、竹小舞の掻き方、縄の巻き方、縄の締め方(結び方)は、今とまったく同じ方法で仕事がされていました。そこに、今やっている私たちの昔ながらの家づくりが、しっかりと昔とつながって、今にあることを感じるのでした でも違う点として、タテには割り竹ではなく女竹が使われていた点、何か理由があるハズ。また左官さんに聞いてみようと思います。

 

そして落とした壁土に水を加えると、また荒壁土にもどります。そして再度、壁に塗ります。小舞竹だって土壁のなかに埋まっていたものは、まったく健全な状態であり再び利用できます。
こうやって土壁は何度も何度も再生できる壁。すごい〜 これ以上にエコな素材などないよな〜と感じるのです

さて、こちらは・・?
実は徳さんの機織工房です。
田植えや畑の新規開墾、梅雨もあったりと今年に入ってなかなか手を付けられなかった工房の修理。そろそろお尻に火がついて修理に取り掛かったという訳です。

建物は、もともと学校として利用していた建物を移築し、集会所として村が利用していたもの。
どことなく洋風さを感じさせるつくり。木造ではありますが柱や梁も見えず、土壁はまったくついていません。壁の中には土壁もなく、断熱材もなく、過酷そう・・
まあ一時的な集会の場であったから、これでも良かったのかな。

室内側・室外側ともに大壁づくりで柱や構造材がまったくみえない造りです。それがどことなく洋風さを感じさせる理由でもあります。この時代あたりから大壁づくりが流行ってきたとも言えます。
しかし・・大壁づくりの弱点、傷みが見えないつくり
だからこの通り・・・

柱が隠され、木と木がペッタリと引っ付いていた部分の隙間は、シロアリさんにとっては絶好の隠れ場所
柱左側の灰色部分の柱が露出していた部分は、シロアリ被害なし。
柱右側の白木色の柱が隠れていた部分は、シロアリ被害あり。
柱が隠れた部分を利用して、シロアリはどんどん上にあがっていき、柱や梁を食害したのでした

柱や梁が常に風や光に晒されているということは、シロアリや湿気を寄せ付けない、建物を長持ちさせるための智恵のひとつ。昔ながらの真壁づくりは、先人たちの意味があって出来たカタチであるということがよく分かります。
ねっ ここでも先人たちの長く安心して住まっていくための智恵の一つがあるでしょう。。
ひとつひとつの智恵の結晶が、昔ながらにあった家なのです。

時を経た古い建物たちは、私たちにいろいろと教えてくれるでした

ただいま枠取り付け中〜。
外壁張り、お手伝いしに来てください〜